■探査機器関連

2010年9月26日 (日)

◎金属探知機器あれこれ(2)

◇◇◇最新探査技術◇◇◇

 埋蔵金探しといえばいまだに“スコップ持って穴掘り”なんて思ってはいないでしょうか? 確かにある面そういったイメージを持っていていただいた方が何かと“好都合”なのは事実なのですが…!?

 ま、それはともかく、科学技術の進歩、さらに元をたどると最新兵器技術からのスピンアウトで探査機器の開発スピードはとてつもなく速くなっています。土 木工事に入る前に地下の構造を事前に探査したり、はたまた鉱物資源や温泉を掘らずに発見したり、と地中の様子がまさに手に取るように分かるような機器が続 々開発されてきているのです。で、埋蔵金探しも同じこと。地中の“異物”を調べることには変わりないので、それらの探査機器を流用させてもらっているとい うのが最近のトレンド(!?)です。

 したがって現在の埋蔵金探査のスタイルは一見土木工事現場の調査作業とまったく変わらないといっても良いでしょう。自分たちで機器を扱えるレベルはとう に超えてしまっているので、探査を専門に請け負う業者さんに依頼するというカタチになっています。要は目的が違うだけでやることは一緒なのですから。とい うことで、どれくらいの精度で、はたまたどれくらいの深度で、どれくらいの広さで、等々全て予算次第というわけです。

 ちょっと夢のない話になってきてしまったので探査技術そのものの話題に戻ると、現在主流となっているのは超音波を使うもの、電磁波を使うもの、電気を使うもの、放射線を使うもの、そして地震波を使うもの、などが一般的です。この他にもまだまだありますが、身近な産業用にまでは降りて来いていない“最新兵器”レベルの技術なので、そこら辺の話題はまたの機会に…。             

 対象物を非破壊で手軽に調査診断が出来るため、建築業界ではごくごく日常的に使われるようになってきた超音波を利用した探査方法。超音波を発射し反射し て戻ってくる様子からトンネルや橋脚などのひび割れの深さやコンクリートそのものの厚さなどを測定。また内部の空洞などの欠陥を検出するのにも利用されて います。コンクリートだけでなく鋼材などにも利用でき、厚さの測定、劣化度の診断などがおこなれています。均質な物体の中の異質な存在、というようなハッ キリとした対象にはとても効果的ですが、地下構造のようにもともと不均質な条件では微妙な探査は難しいというのが現状でしょうか。それでもハンディタイプ のディテクターを使うことを考えれば精度は段違い。さすが業務用、のレベルではあります。                

 こちらは電磁波を利用して建造物内の鋼材位置の調査や内部の空洞などの欠陥の有無、地中の構造物等を検出するシステム。超音波同様、発射した電磁波の反射状況の違いによって被検出物内部の構造を知る仕組みです。                


○地中レーダーによる探査

 電磁波を利用した探査機の中でも地下構造の探査に特化したものは特に地中レーダー(GPR:Ground Penetrating Radar)と呼ばれ、地下の空洞や埋設物探査に使われています。
 送信機で発生させた電磁波をアンテナから地中に放射し、地中からの反射を受信アンテナで捕らえ、受信機で記録、そして解析機で分析するというシステム。 埋蔵物などの存在により地中構造に物理的変化をきたしている境界部分では他の部分とは異なる特殊な反射となり、この反射状況を計測、解析することで地中の 状況を知ることが出来ます。大規模なものでは車両そのものが地中レーダー機能を搭載した探査専用車両となっており、アンテナ等をセットするだけで手早く探 査が出来るように開発されたものまで存在しています。
 当然ながら電磁波が強ければ強いほど深度まで探索できるわけなのですが、ただ闇雲に強くしていくわけにはいかない事情があります。それは電波法という法 律の存在で、地中レーダーも電磁波を利用しているため電波法の制限を受けることになります。具体的には40Vpp以下の出力でなければならないとされてい るのです。
 この程度の出力ですから地下2~3mの深度ですら反射波は非常に微弱なものとしてしか戻ってきません。それをカバーする技術が各メーカーの腕の見せ所 で、深度に合わせて出力を微妙にコントロールしたり(埋設管など事前に深度がある程度分かっている場合はその深度に合わせて出力を落としたり)、さらに深 い所を目標とする場合はその深度からの反射のみを特に増幅するようにしたりと様々なテクニックが使われています。
 また、土中に水分が多く含まれる地層などでは電磁波の減衰が激しく探査能力が著しく低下してしまうなど、オペレーターの経験や技術に頼る部分も多いといわれています。                

○地中レーダーの構造

 スキャン用発振器で探査に利用する電磁波を作り出し、コントローラで必要な出力に微調整、そしてパルス生成回路でパルス信号の形にして電磁波を送信アンテナから地中へ発射します。
 地中内部で反射、屈折して戻ってきた電磁波は受信アンテナで拾われ、コントローラからのサンプリング波と合わせて増幅器に。さらに解析器に渡されデータ 化されて出力されます。基本的にはラジオなど電波を扱う機器とほとんど同じ原理の回路です。ただ違うのは電磁波が伝わるのが空気中ではなく地中という点。 またパルス信号として送るのは、あくまで反射波の特徴を際立たせるためで、流しっぱなしの放送などとは若干異なっています。使用する電磁波はVHF帯がメ インです。
 電磁波の反射現象そのものは、地中の物質(土や岩石などで“媒質”と呼ばれる)の中で比誘電率が異なる部分が存在することで起こります。反射パルスが極 端に強く表示されるときは、地中の比誘電率、密度が急激に変化している、つまりは周りの土質とは違う物質(コンクリートの管や何らかの構造物など)が存在 していることを示しています。また、電磁波が戻ってくるまでの時間の長短は、反射した地点までの深さを示すことになり、推定される比誘電率を元に探索地点 の地中の電磁波の伝播速度を計算すれば深度が測定できる、ということになるのです。                


○CSAMT探査

 CSAMT(Controlled Source Audio-frequency Magneto-telluric)探査法は、音声周波数帯と呼ばれる周波数の電波を用いた電磁探査法の一種。VHF(Very High Frequency)帯を使用する地中レーダーと基本原理は同じで、電場と磁場の強度を測定して、地中の比誘電率を調べることで地下の構造を推測する方法 です。
 地中に1KHz程度(ELF帯)の周波数の電磁波を流し、発生した電場と磁場の強度比から地下の比誘電率を得ます。比誘電率の値から地下構造を推定する のは以下で紹介する電気探査と同様(電気探査では比抵抗と呼びます)ですが、CSAMT探査法の方がより深部まで探査することが可能で、また電気探査のよ うに大がかりなプローブ(電極)や電線を設置する手間が必要ないことから作業効率の面では優れているといえます。高い周波数帯を利用する場合は浅層部、透 過率の良い低い周波数の場合は深部の探査、と対象に合わせて周波数帯の切り替えも行っています。実際の作業現場では1,000~1,500mの長さのアン テナ線を使用、5~10km程度の距離をとって受信機器を設置、比誘電率を測定するというのが一般的です。                


○VLF探査

 VLF(Very Low Frequency)帯の周波数(3~30kHz)、ミリアメートル波(波長10~100km)は、水中での伝播特性に優れ、減衰も少ないという特徴を 持っています。電磁波と音波の違いはありますが、クジラの鳴き声が何100kmも海中を伝わるといわれる秘密もこの周波数帯だったからこそなのです。で、 その長距離を伝わるという周波数帯の特徴をいかして潜水艦の航法を支援するためVLF発信局網が作られました。地球のほぼ全域をカバーできるように世界中 に10個所設置され、各発信局にはそれぞれ固有のコード名と周波数が割り当てられています。日本には宮崎県にJJI局(22.2kHz)があり、ハワイの NPM局(23.4kHz)やオーストラリアのNWC局(19.8kHz)も受信可能です。ちなみに話が横道それますが、実はこのVLF局の整備は船舶の 航行支援の目的もあったのですが、こちらはもっと簡単で精度の高いGPSシステムの登場、普及により取って代わられてしまったという経緯もあります。
 VLF探査に話を戻すと、この探査方法はこれらVLF発信局からの電波を借用して地下の構造を探ろうというシステムなのです。衛星からの電波を利用させ てもらい正確な緯度経度を得るGPSのように、VLF局からの電波を使用させてもらうことで、自ら強力な発信装置を用意する必要が無くなり、小型軽量の測 定装置のみで探査できてしまうという、とてもユニークな特徴を持っています。ただし現在の技術レベルでは探査深度が数10m程度まで、というネックがある といわれています。探索範囲の地下に周りの地層とは異なる電導性を持った物体があるとそこに二次的な電磁場が誘導され、送信波による一次場とは異なる方向 位相をもった電磁場の歪みとして捉えられます。この歪みの有無を連続して測定することで地中の状態を推定できるというシステムです。

■電気による探査(比抵抗法)■
 電気を使った探査方法“電気探査”は、その名の通り地面に打ち込んだ電極から地下に電気を直接流すことにより、地下の電気的な性状を調べ、それを元に地 質状況などを推定する物理探査方法です。実際の測定では一対の電流電極と、もう一対の電位電極を組み合わせて使用します。これらの電極の間隔次第で、浅い ところから深部の地下まで探索範囲を変えることができます。ちなみに探査深度は、電極間隔の最大展開長の1/3~1/5程度といわれています。
 電気を流すことでどうして地下の様子が分かるかというと、地下の物質、土や岩石などは電気的には“抵抗”とみなせるのです。電気的抵抗であることからそ れぞれに固有の値を持ち、それは電気を流す探索範囲の長さや断面積によって異なります。で、その抵抗の大きさを断面積1平方メートル、長さ1メートルの単 位に換算したときの値をその物質の“比抵抗”と呼んでいます。水分を多く含んだ土地や金属を含む鉱床などは電気を通しやすいので比抵抗は小さく、逆に砂地 や花崗岩などを多く含んだ土地は比抵抗が大きくなります。ただこれだけでは地中の伝導率が分かるだけで、構造までは分からないですね。そこで測定方法を工 夫することで地下の電気的な特性を立体的に分析できるようにしているのです。

○垂直探査法と水平探査法
 電気を地面に流すことにより地中の比抵抗値が得られる、というのは分かったと思いますが、では、それをどのように応用するか、が探査機器メーカーの腕の 見せ所となっています。一般的な電気探査の場合は垂直探査法と水平探査法を組み合わせて地下の立体構造を再現しています。垂直探査は基本測点を中心にし て、両側へ順次電極間隔を広げて測定していくことにより、水平方向の地下層構造を調べることができます。一方、水平探査法は一定の電極間隔を保ったまま、 一定のピッチで基本測点そっくりそのまま水平方向に移動させて測定します。こちらは地下の垂直方向の構造変化がつかめるのです。
 これら垂直探査と水平探査を組み合わせた手法を高密度電気探査法とも呼んでいます。実際の地下構造は不均質なところのほうが一般的で、比抵抗は垂直方向 にも、水平方向にも変化しているのが当たり前。したがって、垂直探査と水平探査とを組み合わせる高密度電気探査法で探査行うのが主流となってきています。            

■ガンマ線スペクトル探査■
 放射性核種(放射能をもつ同位元素。放射性同位元素とも言う。天然に存在するカリは原子量39のK39、原子量40のK40、原子量41のK41の3種 類がありますが、このうちK39とK41は放射能をもたないので安定核種と呼ばれますが、K40は放射能を持つので放射性核種といわれています)であるカ リウムK40、タリウムTl208、ビスマスBi214などが放射壊変(不安定な原子核=放射性同位体が様々な相互作用によって状態を変化させる現象)の 際に放出するガンマ線(ガンマ崩壊:崩壊した直後の原子核には過剰なエネルギーが残存するため、電磁波=ガンマ線を放つことにより安定化を目指す)を利用 して探査する方法。ガンマ線の存在を対象範囲の地表で測定し、その線量により地下の岩盤の亀裂や地下の状態を推定する放射能探査の一手法です。
 ウラン系列やトリウム系列の初期に位置するウランやトリウムは、地下深部に埋蔵され直接探査に利用することは困難ですが、それらがラドンの段階まで壊変 が進むと、ラドンは気体であるため岩盤中の水に溶け、岩盤中の亀裂を通って地表まで到達するようになります。ガンマ線スペクトル探査では、識別するのが難 しいといわれるラドンのガンマ線を直接測るのではなく、ラドンの孫核種であるTl208やBi214を測定に利用しています。またカリウムは一般に表層の 堆積物に多く含まれているので堆積物中に含まれるTl208やBi214の影響を除去するため、堆積層のガンマ線を代表するK40も同時に測定し精度を高 めています。システムとしては単独で探査できる携帯型の機器から、ヘリコプターに搭載して広範囲に鉱脈を探査する機器などまで様々なシステムが開発されて きています。
               
■反射法地震探査■
               
 反射法地震探査は、地表で人工的に振動(弾性波)を発生させ、その振動が地層境界面(埋蔵物の存在や地層の違いなどの原因により組成や密度が変化している面)で反射して地表へ戻ってくる反射波をキャッチして解析することにより、地下の構造状態を把握する探査方法です。
 人工的に振動を発生させるための装置としてはインパルス型と呼ばれる大型の重りによる地面打撃やダイナマイトなどの爆発物による振動を利用するタイプ、 制御型と呼ばれる起震車、バイブレータを利用するタイプが存在します。要は必要な大きさ、振幅の振動が得られればOKなのです。反射波をキャッチする受信 器は“ジオフォン”と呼ばれる小型の地震計が利用されています。現在は操作が簡単で環境問題に厳しい都市部でも使いやすいバイブレータ型が主流となってき ており、振動発生器の中に取り付けられた錘が上下運動をすることにより一定のパターンの振動を地中に送り込み、その反射波を捉えることで地中構造を探査し ています。
 また、発生させる地震波の違いによりP波(縦波)とS波(横波)があり、それぞれP波反射法探査、S波反射法探査と分類されます。P波反射法探査 (1km近くの深度まで可能になってきた)ではその地域の大まかな地質の構成や断層の有無などが調べられ、その後さらに高い分解能をもつS波反射法探査 (こちらは浅い層を詳細に調べるのに適している)を併用することにより、より詳しい地層の構造をとらえる、という手法がとられているのです。
                        ※                
 以上ざっと駆け足で身近な探査技術のいくつかを紹介してきましたが、文章だけでは分かりにくかった面もあるのではないでしょうか。で、それぞれの探査方 法を下のGoogle窓で(Internetから検索の方にチェックを入れて)検索をかけてみてください。各方式を採用している探査業者のページに簡単に たどり着けるはずです。そしてほとんどのメーカーが自社の技術を分かりやすいように説明する図などを掲載していますので、それをご覧になればより探査の仕 組みが理解できるようになるはずです。

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◎金属探知機器あれこれ(1)

◇◇◇ハンディ・タイプ◇◇◇
  「埋蔵金探しといえばこれ!」ってぐらいに我が国ではイメージが出来上がってしまったハンディ・タイプのメタル・ディテクター。当方でもかつて(数十年前 になります)はアメリカの通販を利用して取り寄せ、実際に使用してみたりしましたが、砂浜でコインや時計を発見するのとはやはり訳が違います。地中50セ ンチ程度の空き缶を探せる、くらいが限界でしょうか(さすが生産者賠償責任の本場アメリカ、メーカーでもそこら辺の“能力”に対する注意書きがくどいくら いについてはいたのですが…。数十年前は高いモデルではバイクが買えてしまうような値段でしたねぇ)。実際にしばらく使ってみて理解したのは、お宝をゲッ トできたのはこれらのディテクター・メーカーだった、ということ。
 ま、それはともかくハンディ・タイプのメタル・ディテクターがまったく意味がないかというとそうでもなく、この数十年で技術の進歩もあり“あたり”をつ ける程度には意外と使える場面が。勝手に穴を掘ったりすることのできない私有地や国有地で「ここに有る」を探知するのではなく、「ここには無い」と判断す ることに使えたりする。また、古い民家の取り壊しなどの際に役立ったという例もある。永い時の流れの中で埃に埋もれてしまった金属類の探知などには実際に 威力を発揮してくれている。
               
☆メタル・ディテクター・メーカー一覧☆
 2004年7月現在で確認できた“大手”メーカーを紹介しておきます。ご存じの通り、アメリカは“権利の国”勝手にリンク張るといきなり「迷惑を被っ た、訴訟だ!」の世界ですので、住所やURLは掲載いたしません(リンクを張るのも利権が絡みます)。ただ、社名で検索をかけていただければ簡単にたどり 着けると思いますので、購入を検討している方はこのページの一番下にある検索窓を使ってたどり着いてください。(あ、失礼しました。このページもコピー& ペーストが制限されてますので、お手数ですがどこかにメモしてから……)
               
●WHITE'S Metal Detectors
 30ドル程度の“エコノミー”シリーズから9.5インチサイズのコイルを持つ1000ドル程度の“プロ”シリーズなど各種。メタル・ディテクターの老舗でアメリカでのシェアはトップクラス。
               
●GARRETT Metal Detectors
 100ドルクラスの入門機からプロクラスまで多くの機種を取りそろえているこちらもアメリカでは有名なメーカー。水中でも機能する探知機などもラインアップ。また、国内に代理店があったはずですね。
               
●Minelab Electronics
 200ドルから500ドルクラスのメタル・ディテクターをリリースするメーカー。他のメーカーもほとんど同様なのですが、セキュリティ関係のメタル・ディテクターも開発しているメーカー。
               
●Fisher's Metal Detectors
「LIFETIME WARRANTY!」と“技術”を誇る有名ブランドの一つ。モデル数の多さや用途別に細かくラインナップされた機種が特徴か。複数の周波数で探知できる機構を取り入れたモデルも。こちらも国内に代理店があったはず。
               
●Bounty Hunter
 30年を越す歴史を持つおなじみの“老舗メーカー”。海外では多くのユーザーを誇る。ラインナップは入門機からプロ機まで、それほど数は多くない。サーチ能力でランクをつけている。
               
●TESORO Metal Detectors
「Tejon Metal Detector」という700ドルクラスのモデルをラインナップ。“専業メーカー”ではなくアメリカでは数多い“兼業メーカー”。もろもろの製品の一つ にメタル・ディテクターも作るというスタイル。この手のブランドは多いので以下省略させていただく。
               
 --とまあ、日本でも有名どころをざっと紹介しました。インターネットの普及でカードさえ持っていれば日本からも直接購入できる便利な時代になりました が、英語が不安な方は日本語で“金属探知器”のキーワードで検索をかければ、ギャレットやフィッシャーの代理店が見つかると思います。かなり昔ですが東急 ハンズでも簡単な機種を扱っていたことなどもあったと記憶していますが(未確認情報)、ちゃんとしたものを購入するのであればやはり上記メーカーの製品の 中から選ぶのが安心なのでは。
 また、埋蔵ポイントの確証が取れ、正規の手続きを経ての掘削作業までを検討しているのであれば上記のような“簡易機材”による探索ではなく、“グラン ド・マグネティック・ロケーター”などと呼ばれる地表の広域にプローブを設置し、ダイレクトに地中を磁力線で測定するタイプの機器(アメリカでは 4,000ドル~10,000ドル程度)を利用されることをお薦めしたい。
 さらに資金的に余裕があるのであれば“グランド・ペネトレーティング・レーダー”地中探査レーダー等を使った地中探査専門の業者の利用が前提となるでしょう。                

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◎金属探知機器、古文書復元技術etc

◇◇◇地中金属探知機器今昔◇◇◇
               
「埋蔵金探しの必需品」というイメージで語られることの多い金属探知機器。確かにかつてはわが国でも“猫も杓子も金属探知器片手に”という時代もありました。ただその当時のほとんどの機種は“メタル・ディテクター”という地雷探知機をベースに開発された小型のハンディー・タイプのもので、技術の進んだ現在ではそれらの“簡易機材”の限界は自ずと見えてしまっています。
 砂浜でコインを探したり、地表数十センチに埋められている地雷を探知すのならともかく(その地雷探知という本来の役目でも、最新兵器の世界では探知機を 回避できてしまう非金属製の新型地雷の登場などですでに現役からは引退状態なのはご存じの通り)、地中深く埋められた埋蔵金を探すのには役不足となりつつ あります。
 で、最近は同じ磁気を利用する方式でも、より高度なセンサーを持つ設置型の探知機や、電磁波を利用する“地中レーダー”超音波を利用した構造調査機器、自然電位の変化によって地中や建造物の内部状況をとらえる調査機器、さらには起震車や火薬の爆発による振動を利用し地中からの反射波を検知する地震波探査機器などの最新機材を導入するのが主流となってきています。
 それぞれの方式に長所短所があり、それらを組み合わせた“探査システム”として一括受注する業者も現れています。そう、今や地中構造調査は企業ベースで の活動になってきているのです。もちろん埋蔵金探査のために存在するわけではなく、土木業者や建築業者、ガスや水道といった都市基盤の整備に当たる業者が 主な顧客ですが、埋蔵文化財の発掘現場でもしばしば利用されるようになっています。
※参考1メタル・ディテクター・メーカー一覧へ
※参考2最新探査技術の解説コーナーへ               
               
               

◇◇◇古文書の復元解析お手伝い◇◇◇
               
「判読が困難な古文書や資料を写真の画像処理技術を使って復元、解読をお手伝いいたします」というユニークな作業を行っているスタジオ・Pecoさんから当Web宛にご連絡をいただいた。
 その復元法とは「時を経て色あせたり、かすれてしまった古文書、掛け軸などを特殊な写真撮影とそれを取り込んだパソコン上での独自の画像処理により判読可能なレベルに復元」 してくれるというもの。古文書など貴重な資料そのものにはまったく手を加えないので、復元された資料で気軽に研究などができるほか、さらに一歩進めて墨載 せや彩色加工と同等の作業をパソコン上で施すなどの処理により製作時のレベルに近いものにすることもできるという。判読不明な資料等をお持ちでお困りの方 はぜひご参考に。
 ちなみにこの2月26日には関西地方限定らしいのですが、夕方6時35分頃のNHKニュースや、関テレの夕方6時頃からのニュースの中で紹介される予定とか。
復元作業の詳細ページへはこちらをクリック。                

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◎古文書復元技術

◇◇◇スタジオ・Peco(大隈剛由代表・大阪府枚方市)◇◇◇
               
 不鮮明な古文書の判読に困っている方や、貴重な資料の取り扱いに手を余している方々に、ユニークな古文書復元技術のサービスを開始したという方からご連絡があり、詳細な資料をお送りいただいたのでここでご紹介。ちなみにこの企業と当Webサイトとは利害関係は一切ありませんので、ご利用なさるかどうかはご自分の判断にてお願いいたします。
 それではさっそくご紹介。記念写真や証明写真などの撮影制作を手がける大阪府枚方市のスタジオ・Pecoが行っているというその復元作業とは……。
「文化財(作品)に手を加えることなく、当社独自の写真技術により、往時の状態を写真画像上にて、復元・解読しようと致しております。最近、古くなり汚れたり風化して、目で見えなくなる事により、歴史有る文化財としての使命が終わった、という話を良く聞くようになりました。このたび、以前から有りました特殊写真技術(紫外線写真、赤外線写真、高対比写真)を、従来白黒写真で有ったそれらに、新たに読みとった情報をコンピューター処理する事で、カラー写真に融合させる事が可能になり、実際の文化財に手を加えることなく、写真画像として文化財を往時により近い状態で、再現できるようになりました(文化財の伝承の歴史的証明のお手伝いが可能となりました)」(同社パンフレットより)。                                                                                      
                        復元前の作品                         
                                                                                                          
                        復元の後の作品                         
<写真は復元作業前(上)と復元作業後(下)!復元作業によりこの絵馬が万治二年に奉納されたことが判明した。絵柄の再現も見事>
 復元作業の原理は従来から有る赤外線フイルムによる撮影と紫外線フィルムによる撮影、そして高対比(ハイコントラスト)写真という特殊な写真技術をベースに、それをコンピュータ処理に組み合わせるという新しい手法で実現している。
 赤外線フィルムの撮影は人間の目には見えない光をも写せることから昔から考古学分野でもよく使用されてきた。木簡に書かれた墨書が消えかかって人の目では判明できない場合でも、赤外線フィルムによる撮影で判明したという例を良く聞くはず。表面からは消え去っている墨書でも実は木の繊維内部には墨の残留物がのこされており、それを赤外線が鮮明にとらえるというのだ。                                                                                                                                                             
                        目視状態                                                  解読画像                          
<赤外線フィルムによる墨文字の解読例。左が目視画像、右が復元画像>                   
 次に紫外線フィルムによる撮影は赤外線同様目に見えない紫外線を利用するのは一緒だが、墨などにはあまり反応せず、厚塗りの白い顔料などに良く反応するという性質を利用している。専用フィルムを利用する赤外線撮影とは異なり、通常のフィルムを使用可能だが、可視光をカットする非常に特殊なフィルターが必要になるという。                                                                                                                                                             
                        目視状態                                                  解読画像                          
<赤外線と紫外線フィルムによる復元例。左が目視画像、右が復元画像>
                  
                  
 高対比(ハイコントラスト)撮影というのは、赤外線フィルムでは粒子が荒れてしまう場合などに画像のコントラストを上げて撮影することにより、内容を読みとれるようにする手法だ。特殊なフィルムと特殊な現像法が使われる。                                                                                                           
                        復元前の作品                         
                                                                                                          
                        復元の後の作品                         
<高対比(ハイコントラスト)手法による目視状態(上)と復元作業後(下)>                  
                  
                  
 以上の処理はそれぞれ特徴を持つものの単独では効果は限られている。ここからがスタジオ・Pecoの独自技術で、それらの特殊撮影データと可視光でのカラー撮影データをそれぞれコンピュータに取り込み、スタジオ・Pecoの技術により合成・融合させるという。コンピュータ上で目には見えなかった情報と目に見えている情報が組み合わさり、製作時に近いレプリカとなって復元されるというわけ。実際の文化財には一切手を加えないのでこちらは保存をしながら、より鮮明、詳細となったレプリカで研究にあたれるのだ。                                                                                                                                                             
                        目視状態                                                  解読画像                          
<このサンプルは画像処理のみによる復元が行われた例。希望次第では、特殊撮影のデータを基にした文字の書き起こし、画像の描き起こしも受け付けるという>                   
■取材協力:スタジオ・Peco
■このページで使用した写真の版権はスタジオ・Pecoに帰属します。
http://www.jin.ne.jp/peco/fukugenn/

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