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2012年12月

2012年12月21日 (金)

『ニッポン埋蔵金伝説 黄金の国ジパングに眠る財宝300兆円!!』

バカみたいに大騒ぎした“霞ヶ関の埋蔵金”ブームの退潮に合わせるかのように、このところ“本物”の埋蔵金情報もほとんど耳にしなくなってしまっていたが、久々に埋蔵金関連書籍発行のニュースがあった。その書籍とは、イースト・プレスから8月10日に発行された『ニッポン埋蔵金伝説』だ。

 編著が「知的発見!探検隊」というちょっと軽め目の著者名なのが引っ掛かったが、埋蔵金の“成り立ち”(!?)から、我が国の3大埋蔵金の話題、そして日本各地の埋蔵金スポットを次々と紹介、そして締めはトレジャーハンター入門、と実に盛りだくさん。そう、この新刊は良くある埋蔵金入門書の新刊なのだ。

 まあ、入門書といえばけっこういい加減な造りの書籍の多い中では、巻頭で我が国のトレジャーハンターの第一人者、八重野充弘さんを取材してたり、細かに写真や図版を掲載するなど、きちんとした造りで入門者にはおすすめできる内容になっている。

 といってもあくまで入門書は入門書、ネットで調べれば簡単に分かる程度の内容しかない、という点は致し方ないが、ひとつ良心的だな、と思ったのはこの書籍の価格。何とワンコイン、税込みで500円で買えるのだ。昨今の“入門書”はワンコインが目安となっているのでしょうか。

『ニッポン埋蔵金伝説 黄金の国ジパングに眠る財宝300兆円!!』
(知的発見!探検隊編著/イースト・プレス/本体476円+税/2012年8月10日初版第1刷発行/ISBN978-4-7816-0795-5)

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山口県岩国市で中世の豪族の住居跡から古銭が大量に出土した

 山口県岩国市教育委員会の発表によれば、12月11日、同市楠町で行われていた「中津居館跡」の発掘調査現場から、備前焼の甕に入った大量の古銭が発見されたという。その数およそ2万枚。直径約60センチの甕にびっしりと“銭さし”の状態で古銭が詰まっており、その量およそ2万枚。11世紀初頭に中国で生産された渡来銭が中心という。発見された場所は、14世紀前半から16世紀にかけての地元の豪族の居宅跡とみられる遺跡で、発掘調査が行われていた。甕は、地下1メートルの所に埋まっており、上部が壊れた状態で、木製の蓋のようなものでふさがれていたようだという。

 この遺跡は中世の豪族の居宅とみられ、11月から試掘を進めていたが、市教委では、古銭の発見により12月に予定していた埋め戻し作業の中断、試掘の継続などを含めて再検討するという。ちなみに発掘枚数が2万枚ともなれば、山口県では、山口市興隆寺の8万9千枚、防府市下右田遺跡の1万3千492枚に並ぶ発見になるとか。銭さしの状態で固まってしまっている部分が多く、正確な枚数を出すよりは現状保存して資料性を重視することになる可能性が大だろう。

 興隆寺の出土銭というのは、1972年に山口市大内御掘にある氷上山興隆寺の旧境内で、豚の飼育小屋の整備中に地下1メートルの所からこれまた備前焼の大甕が出土。中から明時代の永楽通寶を中心とした古銭、約8万9千枚(推定、重さは294kg)が発見されたというもの。この枚数は全国的に見てもトップクラスの量で、山口県立山口博物館では、16世紀、対明貿易で巨万の利益を得た大内氏一族が興隆寺に寄進した“埋納銭”の可能性が高いとしている。

 下右田遺跡とは、佐波川と右田ヶ岳・西目山の間に跨る平地で、山陽新幹線の建築工事により弥生時代から中世までの住居跡などが点在する遺跡が発見された。その中の商家と思われる屋敷跡が残る地中に埋められた壺を発見。中から63種類の中国銭、合計1万3千495枚が出土したというもの。時代的には鎌倉末から室町時代にかけて埋められたものと推測されている。

 また、山口県では、宇部は沖ノ山松浜海岸の砂の中から銅銭の詰まった壺が発見された記録が残っている。量は大したことがないが、何とその発見時期が1740年、元文10年という江戸時代のことだというから驚く。当時宇部地域を治めていた毛利家家老の福原氏に献上され、家宝として伝来したことから今日に記録が残ったという。出土したのは弥生時代中期後半(紀元前1~1世紀頃)の朝鮮系の土器で、中に入っていたのは中国前漢時代の新(西暦8~23年)が鋳造した半両銭が17枚、五銖銭が78枚だった。

--2012年12月21日

※ぜにさし【銭差/銭緡/銭繦】:本来は穴あき銭をまとめておくための、わらや麻のひものこと。百文差・三百文差・一貫文(千文)差などがあった。「さし」、「ぜになわ」とも。すでに古代中国から銭貨の携帯に便利なように銭差で100枚もしくは1000枚を通して1つのまとまりとして用いる例があった、という。

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