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2010年9月

2010年9月26日 (日)

◎金属探知機器あれこれ(2)

◇◇◇最新探査技術◇◇◇

 埋蔵金探しといえばいまだに“スコップ持って穴掘り”なんて思ってはいないでしょうか? 確かにある面そういったイメージを持っていていただいた方が何かと“好都合”なのは事実なのですが…!?

 ま、それはともかく、科学技術の進歩、さらに元をたどると最新兵器技術からのスピンアウトで探査機器の開発スピードはとてつもなく速くなっています。土 木工事に入る前に地下の構造を事前に探査したり、はたまた鉱物資源や温泉を掘らずに発見したり、と地中の様子がまさに手に取るように分かるような機器が続 々開発されてきているのです。で、埋蔵金探しも同じこと。地中の“異物”を調べることには変わりないので、それらの探査機器を流用させてもらっているとい うのが最近のトレンド(!?)です。

 したがって現在の埋蔵金探査のスタイルは一見土木工事現場の調査作業とまったく変わらないといっても良いでしょう。自分たちで機器を扱えるレベルはとう に超えてしまっているので、探査を専門に請け負う業者さんに依頼するというカタチになっています。要は目的が違うだけでやることは一緒なのですから。とい うことで、どれくらいの精度で、はたまたどれくらいの深度で、どれくらいの広さで、等々全て予算次第というわけです。

 ちょっと夢のない話になってきてしまったので探査技術そのものの話題に戻ると、現在主流となっているのは超音波を使うもの、電磁波を使うもの、電気を使うもの、放射線を使うもの、そして地震波を使うもの、などが一般的です。この他にもまだまだありますが、身近な産業用にまでは降りて来いていない“最新兵器”レベルの技術なので、そこら辺の話題はまたの機会に…。             

 対象物を非破壊で手軽に調査診断が出来るため、建築業界ではごくごく日常的に使われるようになってきた超音波を利用した探査方法。超音波を発射し反射し て戻ってくる様子からトンネルや橋脚などのひび割れの深さやコンクリートそのものの厚さなどを測定。また内部の空洞などの欠陥を検出するのにも利用されて います。コンクリートだけでなく鋼材などにも利用でき、厚さの測定、劣化度の診断などがおこなれています。均質な物体の中の異質な存在、というようなハッ キリとした対象にはとても効果的ですが、地下構造のようにもともと不均質な条件では微妙な探査は難しいというのが現状でしょうか。それでもハンディタイプ のディテクターを使うことを考えれば精度は段違い。さすが業務用、のレベルではあります。                

 こちらは電磁波を利用して建造物内の鋼材位置の調査や内部の空洞などの欠陥の有無、地中の構造物等を検出するシステム。超音波同様、発射した電磁波の反射状況の違いによって被検出物内部の構造を知る仕組みです。                


○地中レーダーによる探査

 電磁波を利用した探査機の中でも地下構造の探査に特化したものは特に地中レーダー(GPR:Ground Penetrating Radar)と呼ばれ、地下の空洞や埋設物探査に使われています。
 送信機で発生させた電磁波をアンテナから地中に放射し、地中からの反射を受信アンテナで捕らえ、受信機で記録、そして解析機で分析するというシステム。 埋蔵物などの存在により地中構造に物理的変化をきたしている境界部分では他の部分とは異なる特殊な反射となり、この反射状況を計測、解析することで地中の 状況を知ることが出来ます。大規模なものでは車両そのものが地中レーダー機能を搭載した探査専用車両となっており、アンテナ等をセットするだけで手早く探 査が出来るように開発されたものまで存在しています。
 当然ながら電磁波が強ければ強いほど深度まで探索できるわけなのですが、ただ闇雲に強くしていくわけにはいかない事情があります。それは電波法という法 律の存在で、地中レーダーも電磁波を利用しているため電波法の制限を受けることになります。具体的には40Vpp以下の出力でなければならないとされてい るのです。
 この程度の出力ですから地下2~3mの深度ですら反射波は非常に微弱なものとしてしか戻ってきません。それをカバーする技術が各メーカーの腕の見せ所 で、深度に合わせて出力を微妙にコントロールしたり(埋設管など事前に深度がある程度分かっている場合はその深度に合わせて出力を落としたり)、さらに深 い所を目標とする場合はその深度からの反射のみを特に増幅するようにしたりと様々なテクニックが使われています。
 また、土中に水分が多く含まれる地層などでは電磁波の減衰が激しく探査能力が著しく低下してしまうなど、オペレーターの経験や技術に頼る部分も多いといわれています。                

○地中レーダーの構造

 スキャン用発振器で探査に利用する電磁波を作り出し、コントローラで必要な出力に微調整、そしてパルス生成回路でパルス信号の形にして電磁波を送信アンテナから地中へ発射します。
 地中内部で反射、屈折して戻ってきた電磁波は受信アンテナで拾われ、コントローラからのサンプリング波と合わせて増幅器に。さらに解析器に渡されデータ 化されて出力されます。基本的にはラジオなど電波を扱う機器とほとんど同じ原理の回路です。ただ違うのは電磁波が伝わるのが空気中ではなく地中という点。 またパルス信号として送るのは、あくまで反射波の特徴を際立たせるためで、流しっぱなしの放送などとは若干異なっています。使用する電磁波はVHF帯がメ インです。
 電磁波の反射現象そのものは、地中の物質(土や岩石などで“媒質”と呼ばれる)の中で比誘電率が異なる部分が存在することで起こります。反射パルスが極 端に強く表示されるときは、地中の比誘電率、密度が急激に変化している、つまりは周りの土質とは違う物質(コンクリートの管や何らかの構造物など)が存在 していることを示しています。また、電磁波が戻ってくるまでの時間の長短は、反射した地点までの深さを示すことになり、推定される比誘電率を元に探索地点 の地中の電磁波の伝播速度を計算すれば深度が測定できる、ということになるのです。                


○CSAMT探査

 CSAMT(Controlled Source Audio-frequency Magneto-telluric)探査法は、音声周波数帯と呼ばれる周波数の電波を用いた電磁探査法の一種。VHF(Very High Frequency)帯を使用する地中レーダーと基本原理は同じで、電場と磁場の強度を測定して、地中の比誘電率を調べることで地下の構造を推測する方法 です。
 地中に1KHz程度(ELF帯)の周波数の電磁波を流し、発生した電場と磁場の強度比から地下の比誘電率を得ます。比誘電率の値から地下構造を推定する のは以下で紹介する電気探査と同様(電気探査では比抵抗と呼びます)ですが、CSAMT探査法の方がより深部まで探査することが可能で、また電気探査のよ うに大がかりなプローブ(電極)や電線を設置する手間が必要ないことから作業効率の面では優れているといえます。高い周波数帯を利用する場合は浅層部、透 過率の良い低い周波数の場合は深部の探査、と対象に合わせて周波数帯の切り替えも行っています。実際の作業現場では1,000~1,500mの長さのアン テナ線を使用、5~10km程度の距離をとって受信機器を設置、比誘電率を測定するというのが一般的です。                


○VLF探査

 VLF(Very Low Frequency)帯の周波数(3~30kHz)、ミリアメートル波(波長10~100km)は、水中での伝播特性に優れ、減衰も少ないという特徴を 持っています。電磁波と音波の違いはありますが、クジラの鳴き声が何100kmも海中を伝わるといわれる秘密もこの周波数帯だったからこそなのです。で、 その長距離を伝わるという周波数帯の特徴をいかして潜水艦の航法を支援するためVLF発信局網が作られました。地球のほぼ全域をカバーできるように世界中 に10個所設置され、各発信局にはそれぞれ固有のコード名と周波数が割り当てられています。日本には宮崎県にJJI局(22.2kHz)があり、ハワイの NPM局(23.4kHz)やオーストラリアのNWC局(19.8kHz)も受信可能です。ちなみに話が横道それますが、実はこのVLF局の整備は船舶の 航行支援の目的もあったのですが、こちらはもっと簡単で精度の高いGPSシステムの登場、普及により取って代わられてしまったという経緯もあります。
 VLF探査に話を戻すと、この探査方法はこれらVLF発信局からの電波を借用して地下の構造を探ろうというシステムなのです。衛星からの電波を利用させ てもらい正確な緯度経度を得るGPSのように、VLF局からの電波を使用させてもらうことで、自ら強力な発信装置を用意する必要が無くなり、小型軽量の測 定装置のみで探査できてしまうという、とてもユニークな特徴を持っています。ただし現在の技術レベルでは探査深度が数10m程度まで、というネックがある といわれています。探索範囲の地下に周りの地層とは異なる電導性を持った物体があるとそこに二次的な電磁場が誘導され、送信波による一次場とは異なる方向 位相をもった電磁場の歪みとして捉えられます。この歪みの有無を連続して測定することで地中の状態を推定できるというシステムです。

■電気による探査(比抵抗法)■
 電気を使った探査方法“電気探査”は、その名の通り地面に打ち込んだ電極から地下に電気を直接流すことにより、地下の電気的な性状を調べ、それを元に地 質状況などを推定する物理探査方法です。実際の測定では一対の電流電極と、もう一対の電位電極を組み合わせて使用します。これらの電極の間隔次第で、浅い ところから深部の地下まで探索範囲を変えることができます。ちなみに探査深度は、電極間隔の最大展開長の1/3~1/5程度といわれています。
 電気を流すことでどうして地下の様子が分かるかというと、地下の物質、土や岩石などは電気的には“抵抗”とみなせるのです。電気的抵抗であることからそ れぞれに固有の値を持ち、それは電気を流す探索範囲の長さや断面積によって異なります。で、その抵抗の大きさを断面積1平方メートル、長さ1メートルの単 位に換算したときの値をその物質の“比抵抗”と呼んでいます。水分を多く含んだ土地や金属を含む鉱床などは電気を通しやすいので比抵抗は小さく、逆に砂地 や花崗岩などを多く含んだ土地は比抵抗が大きくなります。ただこれだけでは地中の伝導率が分かるだけで、構造までは分からないですね。そこで測定方法を工 夫することで地下の電気的な特性を立体的に分析できるようにしているのです。

○垂直探査法と水平探査法
 電気を地面に流すことにより地中の比抵抗値が得られる、というのは分かったと思いますが、では、それをどのように応用するか、が探査機器メーカーの腕の 見せ所となっています。一般的な電気探査の場合は垂直探査法と水平探査法を組み合わせて地下の立体構造を再現しています。垂直探査は基本測点を中心にし て、両側へ順次電極間隔を広げて測定していくことにより、水平方向の地下層構造を調べることができます。一方、水平探査法は一定の電極間隔を保ったまま、 一定のピッチで基本測点そっくりそのまま水平方向に移動させて測定します。こちらは地下の垂直方向の構造変化がつかめるのです。
 これら垂直探査と水平探査を組み合わせた手法を高密度電気探査法とも呼んでいます。実際の地下構造は不均質なところのほうが一般的で、比抵抗は垂直方向 にも、水平方向にも変化しているのが当たり前。したがって、垂直探査と水平探査とを組み合わせる高密度電気探査法で探査行うのが主流となってきています。            

■ガンマ線スペクトル探査■
 放射性核種(放射能をもつ同位元素。放射性同位元素とも言う。天然に存在するカリは原子量39のK39、原子量40のK40、原子量41のK41の3種 類がありますが、このうちK39とK41は放射能をもたないので安定核種と呼ばれますが、K40は放射能を持つので放射性核種といわれています)であるカ リウムK40、タリウムTl208、ビスマスBi214などが放射壊変(不安定な原子核=放射性同位体が様々な相互作用によって状態を変化させる現象)の 際に放出するガンマ線(ガンマ崩壊:崩壊した直後の原子核には過剰なエネルギーが残存するため、電磁波=ガンマ線を放つことにより安定化を目指す)を利用 して探査する方法。ガンマ線の存在を対象範囲の地表で測定し、その線量により地下の岩盤の亀裂や地下の状態を推定する放射能探査の一手法です。
 ウラン系列やトリウム系列の初期に位置するウランやトリウムは、地下深部に埋蔵され直接探査に利用することは困難ですが、それらがラドンの段階まで壊変 が進むと、ラドンは気体であるため岩盤中の水に溶け、岩盤中の亀裂を通って地表まで到達するようになります。ガンマ線スペクトル探査では、識別するのが難 しいといわれるラドンのガンマ線を直接測るのではなく、ラドンの孫核種であるTl208やBi214を測定に利用しています。またカリウムは一般に表層の 堆積物に多く含まれているので堆積物中に含まれるTl208やBi214の影響を除去するため、堆積層のガンマ線を代表するK40も同時に測定し精度を高 めています。システムとしては単独で探査できる携帯型の機器から、ヘリコプターに搭載して広範囲に鉱脈を探査する機器などまで様々なシステムが開発されて きています。
               
■反射法地震探査■
               
 反射法地震探査は、地表で人工的に振動(弾性波)を発生させ、その振動が地層境界面(埋蔵物の存在や地層の違いなどの原因により組成や密度が変化している面)で反射して地表へ戻ってくる反射波をキャッチして解析することにより、地下の構造状態を把握する探査方法です。
 人工的に振動を発生させるための装置としてはインパルス型と呼ばれる大型の重りによる地面打撃やダイナマイトなどの爆発物による振動を利用するタイプ、 制御型と呼ばれる起震車、バイブレータを利用するタイプが存在します。要は必要な大きさ、振幅の振動が得られればOKなのです。反射波をキャッチする受信 器は“ジオフォン”と呼ばれる小型の地震計が利用されています。現在は操作が簡単で環境問題に厳しい都市部でも使いやすいバイブレータ型が主流となってき ており、振動発生器の中に取り付けられた錘が上下運動をすることにより一定のパターンの振動を地中に送り込み、その反射波を捉えることで地中構造を探査し ています。
 また、発生させる地震波の違いによりP波(縦波)とS波(横波)があり、それぞれP波反射法探査、S波反射法探査と分類されます。P波反射法探査 (1km近くの深度まで可能になってきた)ではその地域の大まかな地質の構成や断層の有無などが調べられ、その後さらに高い分解能をもつS波反射法探査 (こちらは浅い層を詳細に調べるのに適している)を併用することにより、より詳しい地層の構造をとらえる、という手法がとられているのです。
                        ※                
 以上ざっと駆け足で身近な探査技術のいくつかを紹介してきましたが、文章だけでは分かりにくかった面もあるのではないでしょうか。で、それぞれの探査方 法を下のGoogle窓で(Internetから検索の方にチェックを入れて)検索をかけてみてください。各方式を採用している探査業者のページに簡単に たどり着けるはずです。そしてほとんどのメーカーが自社の技術を分かりやすいように説明する図などを掲載していますので、それをご覧になればより探査の仕 組みが理解できるようになるはずです。

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『闇に消えた日本の黄金ミステリー 発掘!埋蔵金伝説99』が発行されました。

“霞ヶ関の埋蔵金”はすっかり影が薄くなってしまいましたが、本物!?の埋蔵金の方は歴史ブームの余波もあってなかなか盛況のようです。で、新刊のご紹介。今回は文庫よりもさらに安い定価500円(それでいて256ページとボリュームあり)の『闇に消えた日本の黄金ミステリー 発掘!埋蔵金伝説99』が発行されました。全国各地、ひととおりの埋蔵金スポットを歴史とともに紹介した、いわゆるダイジェストもの。値段の割には良くできてるのではないでしょうか。

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◎金属探知機器あれこれ(1)

◇◇◇ハンディ・タイプ◇◇◇
  「埋蔵金探しといえばこれ!」ってぐらいに我が国ではイメージが出来上がってしまったハンディ・タイプのメタル・ディテクター。当方でもかつて(数十年前 になります)はアメリカの通販を利用して取り寄せ、実際に使用してみたりしましたが、砂浜でコインや時計を発見するのとはやはり訳が違います。地中50セ ンチ程度の空き缶を探せる、くらいが限界でしょうか(さすが生産者賠償責任の本場アメリカ、メーカーでもそこら辺の“能力”に対する注意書きがくどいくら いについてはいたのですが…。数十年前は高いモデルではバイクが買えてしまうような値段でしたねぇ)。実際にしばらく使ってみて理解したのは、お宝をゲッ トできたのはこれらのディテクター・メーカーだった、ということ。
 ま、それはともかくハンディ・タイプのメタル・ディテクターがまったく意味がないかというとそうでもなく、この数十年で技術の進歩もあり“あたり”をつ ける程度には意外と使える場面が。勝手に穴を掘ったりすることのできない私有地や国有地で「ここに有る」を探知するのではなく、「ここには無い」と判断す ることに使えたりする。また、古い民家の取り壊しなどの際に役立ったという例もある。永い時の流れの中で埃に埋もれてしまった金属類の探知などには実際に 威力を発揮してくれている。
               
☆メタル・ディテクター・メーカー一覧☆
 2004年7月現在で確認できた“大手”メーカーを紹介しておきます。ご存じの通り、アメリカは“権利の国”勝手にリンク張るといきなり「迷惑を被っ た、訴訟だ!」の世界ですので、住所やURLは掲載いたしません(リンクを張るのも利権が絡みます)。ただ、社名で検索をかけていただければ簡単にたどり 着けると思いますので、購入を検討している方はこのページの一番下にある検索窓を使ってたどり着いてください。(あ、失礼しました。このページもコピー& ペーストが制限されてますので、お手数ですがどこかにメモしてから……)
               
●WHITE'S Metal Detectors
 30ドル程度の“エコノミー”シリーズから9.5インチサイズのコイルを持つ1000ドル程度の“プロ”シリーズなど各種。メタル・ディテクターの老舗でアメリカでのシェアはトップクラス。
               
●GARRETT Metal Detectors
 100ドルクラスの入門機からプロクラスまで多くの機種を取りそろえているこちらもアメリカでは有名なメーカー。水中でも機能する探知機などもラインアップ。また、国内に代理店があったはずですね。
               
●Minelab Electronics
 200ドルから500ドルクラスのメタル・ディテクターをリリースするメーカー。他のメーカーもほとんど同様なのですが、セキュリティ関係のメタル・ディテクターも開発しているメーカー。
               
●Fisher's Metal Detectors
「LIFETIME WARRANTY!」と“技術”を誇る有名ブランドの一つ。モデル数の多さや用途別に細かくラインナップされた機種が特徴か。複数の周波数で探知できる機構を取り入れたモデルも。こちらも国内に代理店があったはず。
               
●Bounty Hunter
 30年を越す歴史を持つおなじみの“老舗メーカー”。海外では多くのユーザーを誇る。ラインナップは入門機からプロ機まで、それほど数は多くない。サーチ能力でランクをつけている。
               
●TESORO Metal Detectors
「Tejon Metal Detector」という700ドルクラスのモデルをラインナップ。“専業メーカー”ではなくアメリカでは数多い“兼業メーカー”。もろもろの製品の一つ にメタル・ディテクターも作るというスタイル。この手のブランドは多いので以下省略させていただく。
               
 --とまあ、日本でも有名どころをざっと紹介しました。インターネットの普及でカードさえ持っていれば日本からも直接購入できる便利な時代になりました が、英語が不安な方は日本語で“金属探知器”のキーワードで検索をかければ、ギャレットやフィッシャーの代理店が見つかると思います。かなり昔ですが東急 ハンズでも簡単な機種を扱っていたことなどもあったと記憶していますが(未確認情報)、ちゃんとしたものを購入するのであればやはり上記メーカーの製品の 中から選ぶのが安心なのでは。
 また、埋蔵ポイントの確証が取れ、正規の手続きを経ての掘削作業までを検討しているのであれば上記のような“簡易機材”による探索ではなく、“グラン ド・マグネティック・ロケーター”などと呼ばれる地表の広域にプローブを設置し、ダイレクトに地中を磁力線で測定するタイプの機器(アメリカでは 4,000ドル~10,000ドル程度)を利用されることをお薦めしたい。
 さらに資金的に余裕があるのであれば“グランド・ペネトレーティング・レーダー”地中探査レーダー等を使った地中探査専門の業者の利用が前提となるでしょう。                

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◎和暦年表

               ●和暦-西暦対応表                
<時代>      <年号>  <月日>       <西暦>
奈良時代        大宝      3/21            701
                慶雲      5/10            704
                和銅      1/11            708
                霊亀      9/2             715
                天平      8/5             729
                天平感宝  4/14            749
                天平勝宝  7/2             〃 
                天平宝字  8/18            757
                天平神護  1/7             765
                神護景雲  8/16            767
                宝亀      10/1            770
                天応      1/1             781
                延暦      8/19            782
平安時代(前期)                          794
                大同      5/18            806
                弘仁      9/19            810
                天長      1/5             824
                承和      1/3             834
                嘉祥      6/13            848
                仁寿      4/28            851
                斉衡      11/30           854
                天安      2/21            857
                貞観      4/15            859
                元慶      4/16            877
                仁和      2/21            885
                寛平      4/27            889
                昌泰      4/26            898
                延喜      7/15            901
                延長      4/11            923
                承平      4/26            931
                天慶      5/22            938
                天暦      4/22            947
                天徳      10/17           957
                応和      2/16            961
                建保      7/1O            964
                安和      8/13            968
                天禄      3/25            970
                天延      12/20           973
                貞元      7/13            976
                天元      11/29           978
                永観      4/15            983
                寛和      4/27            985
平安時代(後期)永延      4/5             987
                永祚      8/8             989
                正暦      11/7            990
                長徳      2/22            995
                長保      1/13            999
                寛弘      7/20           1004
                長和      12/25          1012
                寛仁      4/23           1017
                治安      2/2            1021
                万寿      7/13           1024
                長元      7/25           1028
                長暦      4/21           1037
                長久      11/10          1040
                寛徳      11/24          1044
                永承      4/14           1046
                天喜      1/11           1053
                康平      8/29           1058
                治暦      8/2            1065
                延久      4/13           1069
                承保      8/23           1074
                承暦      11/17          1077
                永保      2/10           1081
                応徳      2/7            1084
                寛治      4/7            1087
                嘉保      12/15          1094
                永長      12/17          1096
                承徳      11/21          1097
                康和      8/28           1099
                長治      2/10           1104
                嘉承      4/9            1106
                天仁      8/3            1108
                天永      7/13           1110
                永久      7/13           1113
                元永      4/3            1118
                保安      4/10           1120
                天治      4/3            1124
                大治      1/22           1126
                天承      1/29           1131
                長承      8/11           1132
                保延      4/27           1135
                永治      7/10           1141
                康治      4/28           1142
                天養      2/23           1144
                久安      7/22           1145
                仁平      1/26           1151
                久寿      10/28          1154
                保元      4/27           1156
                平治      4/20           1159
                永暦      1/10           1160
                応保      9/4            1161
                長寛      3/29           1163
                永万      6/5            1165
                仁安      8/27           1166
                嘉応      4/8            1169
                承安      4/21           1171
                安元      7/28           1175
                治承      8/4            1177
                養和      7/14           1181
                寿永      5/27           1182
鎌倉時代(初期)元暦      4/16           1184
                文治      8/14           1185
                建久      4/11           1190
                正治      4/27           1199
                建久      2/13           1201
                元久      2/20           1204
                建永      4/27           1206
                承元      10/25          1207
                建暦      3/9            1211
                建保      12/6           1213
                承久      4/12           1219
鎌倉時代(中期)貞応      4/13           1222
                元仁      11/20          1224
                嘉禄      4/20           1225
                安貞      12/10          1227
                寛喜      3/5            1229
                貞永      4/2            1232
                天福      4/15           1233
                文暦      11/5           1234
                嘉禎      9/19           1235
                暦仁      11/23          1238
                延応      2/7            1239
                仁治      2/7            1240
                寛元      2/26           1243
                宝治      2/28           1247
                建長      3/18           1249
                康元      10/5           1256
                正嘉      3/14           1257
                正元      3/26           1259
                文応      4/13           1260
                弘長      2/20           1261
                文永      2/28           1264
                建治      4/25           1275
                弘安      2/29           1278
鎌倉時代(後期)正応      4/28           1288
                永仁      8/5            1293
                正安      4/25           1299
                乾元      11/21          1302
                嘉元      8/5            1303
                徳治      12/14          1306
                延慶      10/9           1308
                応長      4/28           1311
                正和      3/20           1312
                文保      2/3            1317
                元応      4/28           1319
                元享      2/23           1321
                正中      12/9           1324
                嘉暦      4/26           1326
                元徳      8/29           1329
                元弘      8/9            1331
                正慶      4/28           1332 
南北朝時代      建武      1/29           1334 建武      1/29
                                  1336 延元      2/29
                暦応      8/28           1338 
                                  1340 興国      4/28
                康永      4/27           1342 
                貞和      10/21          1345
                                         1346 正平      12/8
                観応      2/27           1350
                文和      9/27           1352
                延文      2/28           1356
                康安      3/29           1361
                貞治      9/23           1362
                応安      2/18           1368
                                         1370 建徳      7/24
                                         1372 文中      10/24
                永和      2/27           1375 天授      5/27
                康暦      3/22           1379
                永徳      2/24           1381 弘和      2/10
                至徳      2/27           1384 元中      4/28
                康応      2/9            1389
                明徳      3/26           1390
室町時代(初期)応永      7/5            1394
                正長      4/27           1428
                永享      9/5            1429
                嘉吉      2/17           1441
                文安      2/5            1444
                宝徳      7/28           1449
                享徳      7/25           1452
                康正      7/25           1455
                長禄      9/28           1457
                寛正      12/21          1460
                文正      2/28           1466
室町時代(中期)応仁      3/5            1467
                文明      7/28           1469
                長享      7/20           1487
                延徳      8/21           1489
                明応      7/19           1492
                文亀      2/29           1501
                永正      2/29           1504
                大永      8/23           1521
                享禄      8/20           1528
                天文      7/29           1532
室町時代(後期)弘治      10/23          1555
                永禄      2/28           1558
                元亀      4/23           1570
                天正      7/28           1573
                文禄      12/8           1592
江戸時代        慶長      10/27          1596
                元和      7/13           1615
                寛永      2/30           1624
                正保      12/16          1644
                慶安      2/15           1648
                承応      9/18           1652
                明暦      4/13           1655
                万治      7/23           1658
                寛文      4/25           1661
                延宝      9/21           1673
                天和      9/29           1681
                貞享      2/21           1684
                元禄      9/30           1688
                宝永      3/13           1704
                正徳      4/25           1711
                享保      6/22           1716
                元文      4/28           1736
                寛保      2/27           1741
                延享      2/21           1744
                寛延      7/12           1748
                宝暦      10/27          1751
                明和      6/2            1764
                安永      11/16          1772
                天明      4/2            1781
                寛政      1/25           1789
                享和      2/5            1801
                文化      2/11           1804
                文政      4/22           1818
                天保      12/10          1830
                弘化      12/2           1844
                嘉永      2/28           1848
                安政      11/27          1854
                万延      3/18           1860
                文久      2/19           1861
                元治      2/20           1864
                慶応      4/8            1865
明治時代        明治      9/8            1868
大正時代        大正      7/30           1912
昭和時代        昭和      12/25          1926
平成時代        平成                     1989

※南北朝時代は北朝をメインに、右に南朝を記載しています。
               
               

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◎我が国の通貨

わずか数百年前の江戸時代でも全く現在と異なる貨幣制度。
我が国の通貨に強くなるあの話、この話。まずは江戸時代の通貨から

◇◇◇江戸時代の三貨四進法◇◇◇

 江戸時代の通貨は金、銀、銭 (銅)、三種類の貨幣を使用する“三貨制度”と呼ばれる貨幣制度が導入されていた。和同開珎や皇朝十二銭などでもわかるとおり、銭貨(銅貨)は遠く奈良時 代から連綿と使われ続けてきた我が国の通貨の基本といえるもので、市場経済が一気に加速した江戸時代に入り、庶民生活にとっても欠かせない通貨として盛んに使用されるようになった。

 銭貨は記載された額面で通用する“表記貨”(計数貨幣とも)で、江戸時代には寛永通宝などおなじみの「一文銭」だけでなく、文久永宝などの「四文銭」、 宝永通宝という「十文銭」、そして天保通宝という「百文銭」まで存在した。計算法は十進法が採用され、十文で一疋、百文で十疋、千文で一貫文と、“疋”、 “貫”という単位も使われていた。

 江戸時代には庶民の使う貨幣となった銭貨に対して、金貨は武士などが禄高の米から換金して給金として使用するケースや恩賞として、また豪商などが資産保 全などの目的のために使用した。武田信玄が作った“甲州金”制度を参考にした徳川家康は“両”という単位を基本に、一両=四分=十六朱という四進法で“表 記貨”として金貨を流通さている。一両の「小判」のほか、一両の半分の「二分判」、一両の四分の一の「一分判」、八分の一の「二朱金」、十六分の一の「一 朱金」、そして主に贈答用として使われた「大判」が存在する。この「大判」、表記は十両だが実際はそれ以上の価値を持っていたといわれる。

 庶民へ普及した銭貨、武士や豪商などが使った金貨、では銀貨は? というと、「江戸の金使い、上方の銀使い」と言われることでも分かるとおり銀貨は“商 い”のための通貨だった。その理由としてあげられているのは、西国では特に銀山の開発が盛んとなり銀が量産されたことと、商取引も活発に行われたため、多 くの流通量が確保できた銀貨は使い勝手が良かったためといわれている。銀貨は“匁”(3.75g)という重さを単位とした秤量貨(計量貨幣とも)と表記貨 としての使い方の両方が組み合わされていた。

 秤量貨としては「丁銀」と「豆板銀」があり、わらじ型の「丁銀」は四十三匁とされたが、小判をさらに縦に引き延ばした様なサイズはまちまちで計量が必要 だった。もっぱら大口決済専用の貨幣といえる。これに対して「豆板銀」は「丁銀」を補うもので、細かく切り分けてその都度秤にかけて使用されていた。ちな みに正しい重さの「丁銀」一枚に「豆板銀」十七匁を加えて金一両と交換された。表記貨としての銀貨は十二個で金貨一両と等価とされる「五匁銀」、八個で一 両の「二朱銀」、十六個で一両の「一朱銀」、四個で一両の「一分銀」があり、額面の表記で使われた。

 以上の三貨の相互関係を示すと。

               
金一両=銀六十匁(元禄以前は五十匁とも)=銭四千文(四貫文)                
               

 もともと通貨間の両替は場所によって、時代によって“相場”が異なっていたため、両替によって富を築きあげることもあったという。そのため寛永年間に幕府が上記の“公定換算率”を設けたほか、特定貨による変動を抑えこむため、そのつど引き締めや放出などの操作を行ったことにより三貨間の相場はある程度の安定が図られたが、後述するように幕府自らの金の改鋳政策などにより物価自体はインフレ傾向が続くことになったという。


◇◇◇初の“表記貨”となった甲州金◇◇◇

 徳川家康がその貨幣制度をそっくり取り入れたと言われる“甲州金”。基本となるのは「碁石金」、「露一両」などと呼ばれる一両金で、永禄年間に領内の多くの金山から算出された金で作られた円盤形や四角形をした金貨だった。一両の下に四分の一両の「一分」があり、そのまた四分の一分が「一朱」、一朱の半分 が「朱中」、一朱の四分の一が「糸目」、さらに糸目の半分が「小糸目」、さらにそのまた半分が「小糸目中」という単位とした“四進法”が採用されていた。 ちなみにこの甲州金、江戸時代に入っても文政年間まで流通が許可されていたという。そのため武田時代の甲州金を“古甲金”、それ以降を“新甲金”と呼ぶ。


◇◇◇「両」は中国渡来の単位◇◇◇

 一般の方にとっては江戸時代の通貨の代名詞とさえいえる“一両”小判。その「両」という単位、実は渡来銭同様、中国から輸入されたものが使われた。もと もとの字は「兩」で“はかりのおもり二つ”の意。それが現在は簡易字体で「両」になっている。中国での一両はほぼ十匁(37.5g)で古代、輸入された当時は我が国でも一両=十匁としてスタートしたが、次第に減らされていき鎌倉時代には五匁となり、室町時代には四匁、そして文明年間には四匁五分と決められ たという記録が残っているという。江戸時代には四匁四分(16.5g)とされている。ただし金貨の重さ自体での両という単位は有名無実で、別表の通り実際には大判の重さのみ正確で、小判の方はまるでまちまちという有様に。


◇◇◇我が国で使用された通貨◇◇◇            

               ●我が国で使用された通貨一覧
             名称      西暦
○皇朝十二銭
          和同開珎   708
          萬年通宝   760
          神功開宝   765
          隆平永宝   796
          富壽神宝   818
          承和昌宝   835
          長年大宝   848
          饒益神宝   859
          貞観永宝   870
          寛平大宝   890
          延喜通宝   907
          乾元大宝   958
○渡来銭
          開元通宝   621
          太平通宝   976
          元豊通宝   1078
          政和通宝   1111
          紹定通宝   1228~
          洪武通宝   1368
          永楽通宝   1408
          宣徳通宝   1433
○主な大判小判                   重さ    含金量
          天正菱大判 1573~1591   165.00g     73.0%
          天正長大判 1573~1591   165.00g     73.0%
          天正大判   1573~1609   165.00g     73.0%
          慶長大判   1601~?      165.00g     68.0%
          慶長小判   1601~1695    17.85g     86.0%
          元禄大判   1695~1716   165.00g     52.0%
          元禄小判   1695~1710    17.85g     56.0%
          宝永小判   1710~1714     9.40g     83.4%
          正徳小判   1714         17.85g     86.0%
          享保大判   1725~1837   165.00g     68.0%
          享保小判   1714~1736    17.85g     86.0%
          元文小判   1736~1818    13.00g     65.0%
          文政小判   1819~1828    13.00g     56.0%
          天保大判   1838~1860   165.00g     67.0%
          天保五両判 1837~1843    33.75g     84.3%
          天保小判   1837~1858    11.25g     56.8%
          安政小判   1859          9.00g     57.0%
          万延大判   1860~1862   112.50g     36.7%
          万延小判   1860~1867     3.20g     57.0%


◇◇◇徳川幕府による小判の改鋳◇◇◇

 年々膨らむ一方の幕府の支出に対して年貢米を主体とした収入はほとんど変わらないことから、幕府は小判を改鋳して金貨の絶対量を増量し対処するという場 当たりの対応を繰りかえした。その様子は上記の表を見れば分かるのだが、ここではもっと判りやすく金そのものの含有量だけを取り上げて、実質的な小判の価 値を比べてみた。

慶長小判 15.351g
元禄小判  9.996g
宝永小判  7.839g
正徳小判 15.351g
享保小判 15.351g
元文小判  8.450g
文政小判  7.280g
天保小判  6.390g
安政小判  5.130g
万延小判  1.824g

 この一覧を見ると、幕府が改鋳という甘い“誘惑”に駆られた理由が良く分かる。慶長小判と万延小判では実に金の使用量は約8.4倍。同じ金の量で8倍もの枚数の小判が発行できるのだから、一度改鋳の“効果”を味わってしまったら……それ故、八代将軍、徳川吉宗の享保の改革がより鮮明に浮かび上がってくるのではないだろうか。
 ちなみに度重なる小判の改鋳によりインフレに陥った江戸の経済だが、それでも市場のインフレ率は5~6倍だったとする研究が多いので、金の含有量と正比例したわけではなかったことが判る。遅ればせながらでもインフレにつれて賃金にも反映される庶民はまだまし。結局貧乏くじを引いたのは平安の世に禄高の変わりようがなかった下級武士たちだったといえる。

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◎金の科学

◇◇◇記号=Au 原子番号=79◇◇◇

 原子量=196.967 比重=19.3  硬度=3
 黄色いつやのある金属元素。王水・塩素水に溶けて塩化金酸に、また、水銀と化合してアマルガムとなる。延性・展性に富み、細工に適し、希少なので金属の中で特に珍重され、貨幣・装飾品とする。
(新潮社刊  新潮国語辞典より)
 金が解ける温度(溶解温度)は摂氏1064度。金属の中で最も 展性に富むことは、薄くすると1万分の1ミリにまで引き伸ばせる ことでも明らか。この展性を利用したのが金箔で、 1立方センチの金塊から約11平方センチの金箔を千枚造ることができる という。また、1グラムの金塊で2800メートルの金糸が造れる。


◇◇◇赤金、青金、紫金◇◇◇

 金は加工性に優れているが、逆に柔らかすぎて純金のままでは 金属としての利用価値は少ない。そこで、考えられたのが各種の合金だ。
 赤金は金に17~25%程度の銅を加えたもので、現在の10円硬貨を思わせる赤みがかった金色になる。青金は金に20~25%程度の銀を加えたものでこちらはやや白く青みかかった金色になる。紫金は銅に 金を14%、銀1%程度加えたもので、金の合金というよりは銅の合金なのだがその名の通り、茄子色をした美しい金色で明治時代以降の金属細工に良く利用されている。

◇◇◇地球上の金の量はプール三杯分!?◇◇◇

 良く言われるのでご存知かと思うが、地球上でこれまで掘り出された金を全部集めても50メートルプール三杯分にしかならないのだそうだ。まあそれ故に価値があるのだろうが、信じられない数字では有る。
 有史以来の世界の産金量をすべて合計するとその量およそ14万トン。どうやって調べたのか分からないが、まあ推定としてそんなものだろう ということで、これを一般的な50メートルプール(縦50メートル、 横20メートル、深さ2メートル)にどばっといれると、三杯でいっぱいになる計算だ。
 ホントかね!?(ちなみに我が国の産金量は 埋蔵金の歴史コーナー参照)
 また、もっと驚きなのがこの地球上に残っている推定埋蔵量というのがなんと約7万2千トン! というのだ。えっ!? って感じだがどうやら事実らしい。
 しかもこれまでは“掘りやすいところから掘ってきた”のでこれからは極地や、海底からも掘り出さなくてはならないといわれているそうだ。海水中にもごくごく微量の金が溶け込んでいて、今後はそこからも……なんていう夢みたいな話まである。
 ま、どちらにしても現在の年間約2千500トンというペースで掘っていくと30年足らずで尽きてしまうことになる。約6千年もの間、人類は金を求めてきたが、技術の進歩で加速度的に枯渇への道へと突き進んできてしまったのだ。

◇◇◇リサイクル工場が新たな金鉱に!?◇◇◇

 自然金の枯渇が見えてしまったところで、じゃどうする?
 新たな金の生産が見込めなくなってきた以上、これまでに人類が手にした金を再利用しようという方向なのだ。装飾品としての価値以上に、現在では金は工業 用としての利用価値が高まってきている。コンピューターをはじめとする多くの電気製品などにつかわれている金を回収するリサイクル化が始まっている。今後 さらに困難になっていく自然金の採掘コストに比べ、多少は費用がかかってもリサイクルの方が有利になってきているという。まさにリサイクル工場は新たな “金鉱脈”となったのだ。


◇◇◇北アフリカの豆と金◇◇◇

 金の純度を計るのに使われる「カラット」記号では。「K」または 「kt」このカラットとはいったいなんのだろう。宝石に使われる 「ct」もカラットで紛らわしいが、こちらはなんとアフリカに自生する豆のアラビア語名「キラト」からきている。
 約200グラムの重さがあり、 これを比較の単位として使っていたことからカラットになったという。 まさにダイヤモンドのアフリカ、である。
 で、金の方のカラットは 金の重量を24とし、それに含まれる金の量を表している。 純金なら24Kというわけだ。12Kなら金は半分ということ。 ちなみにこの純度(品位と呼ばれる)を参考までに。
24K=1000.0
22K=917
20K=835
18K=750
15K=625
14K=585
12K=500
10K=417
99k=375 (品位は千分の1%で表示)

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◎金属探知機器、古文書復元技術etc

◇◇◇地中金属探知機器今昔◇◇◇
               
「埋蔵金探しの必需品」というイメージで語られることの多い金属探知機器。確かにかつてはわが国でも“猫も杓子も金属探知器片手に”という時代もありました。ただその当時のほとんどの機種は“メタル・ディテクター”という地雷探知機をベースに開発された小型のハンディー・タイプのもので、技術の進んだ現在ではそれらの“簡易機材”の限界は自ずと見えてしまっています。
 砂浜でコインを探したり、地表数十センチに埋められている地雷を探知すのならともかく(その地雷探知という本来の役目でも、最新兵器の世界では探知機を 回避できてしまう非金属製の新型地雷の登場などですでに現役からは引退状態なのはご存じの通り)、地中深く埋められた埋蔵金を探すのには役不足となりつつ あります。
 で、最近は同じ磁気を利用する方式でも、より高度なセンサーを持つ設置型の探知機や、電磁波を利用する“地中レーダー”超音波を利用した構造調査機器、自然電位の変化によって地中や建造物の内部状況をとらえる調査機器、さらには起震車や火薬の爆発による振動を利用し地中からの反射波を検知する地震波探査機器などの最新機材を導入するのが主流となってきています。
 それぞれの方式に長所短所があり、それらを組み合わせた“探査システム”として一括受注する業者も現れています。そう、今や地中構造調査は企業ベースで の活動になってきているのです。もちろん埋蔵金探査のために存在するわけではなく、土木業者や建築業者、ガスや水道といった都市基盤の整備に当たる業者が 主な顧客ですが、埋蔵文化財の発掘現場でもしばしば利用されるようになっています。
※参考1メタル・ディテクター・メーカー一覧へ
※参考2最新探査技術の解説コーナーへ               
               
               

◇◇◇古文書の復元解析お手伝い◇◇◇
               
「判読が困難な古文書や資料を写真の画像処理技術を使って復元、解読をお手伝いいたします」というユニークな作業を行っているスタジオ・Pecoさんから当Web宛にご連絡をいただいた。
 その復元法とは「時を経て色あせたり、かすれてしまった古文書、掛け軸などを特殊な写真撮影とそれを取り込んだパソコン上での独自の画像処理により判読可能なレベルに復元」 してくれるというもの。古文書など貴重な資料そのものにはまったく手を加えないので、復元された資料で気軽に研究などができるほか、さらに一歩進めて墨載 せや彩色加工と同等の作業をパソコン上で施すなどの処理により製作時のレベルに近いものにすることもできるという。判読不明な資料等をお持ちでお困りの方 はぜひご参考に。
 ちなみにこの2月26日には関西地方限定らしいのですが、夕方6時35分頃のNHKニュースや、関テレの夕方6時頃からのニュースの中で紹介される予定とか。
復元作業の詳細ページへはこちらをクリック。                

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◎古文書復元技術

◇◇◇スタジオ・Peco(大隈剛由代表・大阪府枚方市)◇◇◇
               
 不鮮明な古文書の判読に困っている方や、貴重な資料の取り扱いに手を余している方々に、ユニークな古文書復元技術のサービスを開始したという方からご連絡があり、詳細な資料をお送りいただいたのでここでご紹介。ちなみにこの企業と当Webサイトとは利害関係は一切ありませんので、ご利用なさるかどうかはご自分の判断にてお願いいたします。
 それではさっそくご紹介。記念写真や証明写真などの撮影制作を手がける大阪府枚方市のスタジオ・Pecoが行っているというその復元作業とは……。
「文化財(作品)に手を加えることなく、当社独自の写真技術により、往時の状態を写真画像上にて、復元・解読しようと致しております。最近、古くなり汚れたり風化して、目で見えなくなる事により、歴史有る文化財としての使命が終わった、という話を良く聞くようになりました。このたび、以前から有りました特殊写真技術(紫外線写真、赤外線写真、高対比写真)を、従来白黒写真で有ったそれらに、新たに読みとった情報をコンピューター処理する事で、カラー写真に融合させる事が可能になり、実際の文化財に手を加えることなく、写真画像として文化財を往時により近い状態で、再現できるようになりました(文化財の伝承の歴史的証明のお手伝いが可能となりました)」(同社パンフレットより)。                                                                                      
                        復元前の作品                         
                                                                                                          
                        復元の後の作品                         
<写真は復元作業前(上)と復元作業後(下)!復元作業によりこの絵馬が万治二年に奉納されたことが判明した。絵柄の再現も見事>
 復元作業の原理は従来から有る赤外線フイルムによる撮影と紫外線フィルムによる撮影、そして高対比(ハイコントラスト)写真という特殊な写真技術をベースに、それをコンピュータ処理に組み合わせるという新しい手法で実現している。
 赤外線フィルムの撮影は人間の目には見えない光をも写せることから昔から考古学分野でもよく使用されてきた。木簡に書かれた墨書が消えかかって人の目では判明できない場合でも、赤外線フィルムによる撮影で判明したという例を良く聞くはず。表面からは消え去っている墨書でも実は木の繊維内部には墨の残留物がのこされており、それを赤外線が鮮明にとらえるというのだ。                                                                                                                                                             
                        目視状態                                                  解読画像                          
<赤外線フィルムによる墨文字の解読例。左が目視画像、右が復元画像>                   
 次に紫外線フィルムによる撮影は赤外線同様目に見えない紫外線を利用するのは一緒だが、墨などにはあまり反応せず、厚塗りの白い顔料などに良く反応するという性質を利用している。専用フィルムを利用する赤外線撮影とは異なり、通常のフィルムを使用可能だが、可視光をカットする非常に特殊なフィルターが必要になるという。                                                                                                                                                             
                        目視状態                                                  解読画像                          
<赤外線と紫外線フィルムによる復元例。左が目視画像、右が復元画像>
                  
                  
 高対比(ハイコントラスト)撮影というのは、赤外線フィルムでは粒子が荒れてしまう場合などに画像のコントラストを上げて撮影することにより、内容を読みとれるようにする手法だ。特殊なフィルムと特殊な現像法が使われる。                                                                                                           
                        復元前の作品                         
                                                                                                          
                        復元の後の作品                         
<高対比(ハイコントラスト)手法による目視状態(上)と復元作業後(下)>                  
                  
                  
 以上の処理はそれぞれ特徴を持つものの単独では効果は限られている。ここからがスタジオ・Pecoの独自技術で、それらの特殊撮影データと可視光でのカラー撮影データをそれぞれコンピュータに取り込み、スタジオ・Pecoの技術により合成・融合させるという。コンピュータ上で目には見えなかった情報と目に見えている情報が組み合わさり、製作時に近いレプリカとなって復元されるというわけ。実際の文化財には一切手を加えないのでこちらは保存をしながら、より鮮明、詳細となったレプリカで研究にあたれるのだ。                                                                                                                                                             
                        目視状態                                                  解読画像                          
<このサンプルは画像処理のみによる復元が行われた例。希望次第では、特殊撮影のデータを基にした文字の書き起こし、画像の描き起こしも受け付けるという>                   
■取材協力:スタジオ・Peco
■このページで使用した写真の版権はスタジオ・Pecoに帰属します。
http://www.jin.ne.jp/peco/fukugenn/

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◎埋蔵金関連法律 概要


 超難解な我が国の法律。日常、使いもしないカタカナ混じりの法文ですら いまだに通用しているというのも、実は変な話だが、それはともかく、法は法、 すべての基本なのだから、一度は絶対に目を通しておく必要がある。


●民法

[遺失物の拾得]
第二四〇条 遺失物ハ特別法ノ定ムル所ニ従ヒ公告ヲ為シタル後三カ月内ニ
      其所有者ノ知レサルトキハ拾得者其所有権ヲ取得ス
[埋蔵物の発見]
第二四一条 埋蔵物ハ特別法ノ定ムル所ニ従ヒ公告ヲ為シタル後六カ月内ニ
      其所有者ノ知レサルトキハ拾得者其所有権ヲ取得ス但他人ノ
      物ノ中ニ於テ発見シタル埋蔵物ハ発見者及ヒ其物ノ所有者
      折半シテ其所有権ヲ取得ス

●刑法

[占有離脱物横領]
第二五四条 遺失物、漂流物其他占有ヲ離レタル他人ノ物ヲ横領シタル
      物ハ一年以下ノ懲役又ハ十万円以下ノ罰金若クハ科料ニ処ス

●遺失物法

    ※きちんと詳しく遺失物法を知りたいならこちらへ
[拾得者の義務]
第四条 拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。ただし、法令の規定によりその所持が禁止されてい る物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。
[報労金]
第二十八条 物件(誤って占有した他人の物を除く。)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(第九条第一項若しくは第二項又は第二十条第一項若しくは第 二項の規定により売却された物件にあっては、当該売却による代金の額)の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならな い。
[費用及び報労金の請求権の期間の制限]
第二十九条 第二十七条第一項の費用及び前条第一項又は第二項の報労金は、物件が遺失者に返還された後一箇月を経過したときは、請求することができない。
[費用請求権等の喪失]
第三十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、その拾得をし、又は交付を受けた物件について、第二十七条第一項の費用及び第二十八条第一項又は第二項の 報労金を請求する権利並びに民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により所有権を取得する権利を失う。
 一 拾得をした物件又は交付を受けた物件を横領したことにより処罰された者
 二 拾得の日から一週間以内に第四条第一項の規定による提出をしなかった拾得者(同条第二項に規定する拾得者及び自ら拾得をした施設占有者を除く。)
[公告等] 第七条 警察署長は、提出を受けた物件の遺失者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、次に掲げる事項を公告しなければならない。
 一 物件の種類及び特徴
 二 物件の拾得の日時及び場所
2 前項の規定による公告(以下この節において単に「公告」という。)は、同項各号に掲げる事項を当該警察署の掲示場に掲示してする。
3 警察署長は、第一項各号に掲げる事項を記載した書面を当該警察署に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、前項の規定による掲示に代えることができる。
4 警察署長は、公告をした後においても、物件の遺失者が判明した場合を除き、公告の日から三箇月間(埋蔵物にあっては、六箇月間)は、前二項に定める措置を継続しなければならない。


 お疲れさまでした!さて、御理解頂けたでしょうか?
 何となく全体像が浮かんできたでしょうか。では、ここで日本語(?)で 具体的に埋蔵金を探したとして、法との関わり合いを取り上げてみましょう。
 幸運にして、万が一、億が一に埋められていた財宝を発見したとします。 我が国では、埋蔵金は遺失物と同様の扱いを受けることが民法や遺失物法で 分かります。ということは、発見次第速やかに届け出なければ ならないというわけです。
 現実問題として埋蔵金の遺失者や直接の所有者が その場で分かっていることはまれですから、警察に届けるということになり ます。
 一部の(多くの!)埋蔵金関連書籍で「七日以内に所轄の警察署に 届けないと罰せられる」と記した物が多いのですが、これは明らかに間違い で、「速やかに」が正解です。「七日以内」が関連してくるのは、その後の 拾得物に対する報奨金をもらえる権利に関連した条件で、「七日以内」に 届け出ないと横領した時同様、権利が消滅する。
 そして、届け出をすると…
 道で財布を拾ったのと同様、警察が公告を行い、六カ月間(改正された新 “遺失物法”では、一般の遺失物ではこれが三カ月に短縮されたが、埋蔵金のみ なぜか六カ月のままだった)の間に所有者が 現れなければ、晴れて発見者の物になる、かというとこれがまた違う。
 すべて自分の物になるのは、発見した土地が自分の土地の時だけ。通常は 土地の所有者と折半になる。逆に言えば土地の所有者は、黙って掘らせる だけで、お宝の半分が自分の物になるのだ!
 もちろん掘るときは所有者の許可を得ていることが前提だ。不法に他人の 土地を掘るなどは論外で、私有地なら許可を得るのも簡単だが(ただ、掘らせ てくれない所有者が少なくないことも覚悟しておくべき)、これが国有地だと 許可を取るのは大変だ。公園内や古墳などでは許可が下りないことも多い。
 ちなみに、民法第二三九条に「無主ノ不動産ハ国庫ノ所有ニ属ス」と記載が あり、所有者のいない土地はないので念のため。ただ蛇足として付け加えると 許可を取らないで発掘した場合でも、遺失法の権利は存在するということ。
正しく速やかに差し出しせば(七日以内)報労金の請求権自体は 保護される。もちろん許可を得ないで発掘した方の罪は免れないが……。
 それでは、所有者が現れたらどうなるのだろう。
 その場合は、警察が本当に所有権を有するか調べることになる。代々続いた 旧家の土蔵を壊したら、壁から小判がざっくざく、などという例はともかく、 この所有権が認めれることはきわめて異例といえる。 埋蔵金と一緒に 所有を裏付ける書き付けが出てきた、などの例以外ではまず立証は難しい。
 それでも持ち主が確定されてしまったら、その時は財布を拾った時同様 「報労金」として、発見した財宝の価格の最大20%から、最小5%を請求 (請求しなければならないことに注意)。実際の例では10%がほとんどで 20%を期待するのはちと甘い。
 もとに戻って、所有権者が現れなくてもまだ問題が残っている。それは、 埋蔵金の宿命ともいえる、文化財的価値の問題だ。
 文化財保護法という 法律があり、「有形の文化的所産で、我が国にとって歴史上または芸術上 価値の高い物」は法律で保護されるのだ。文化財は日本国民の共有の宝物、 ということで、どんなに苦労に苦労を重ねて発見した物でも勝手に処分したり 所持したりできない仕組みになっている。
 この場合は、警察から、文化庁に担当が移り、ここで判断が下されることに なる。文化財と指定され、晴れて(?)美術館入りとなると、発見者には 「報償金」が入ってくるのだが、この「報償金」土地の評価と同じで、国が 決めた価格と、実勢価格に大きな開きがあるのと同様、著しく安い評価しか 得られなかったりする。「報労金」と大差ない額でも諦めるしかない。
 これが「埋蔵金が発見されたなんていうニュース聞かないじゃない!」の 元凶になっている、と見る専門家も多い。つまり発見しても猫ばばを決め 込んでしまっているというのだ。
 何はともあれ、埋蔵金探しは法に則って、正しく安全に楽しみましょう。

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◎埋蔵金関連法律 詳解その1 <遺失物法>


 埋蔵金探索に一番身近な法律といえる最新の“遺失物法”は、2006年6月「平成18年法律第73号」として成立、2006年6月15日に公布された。明治32年以来、実に100年ぶりに全面改正されて2007年12月10日から施行されている。この、新“遺失物法”の登場により、やっと庶民にも分かりやすい法律になったといえる。
 といっても、旧“遺失物法”のページを見てもらえればわかるとおり、基本的な法の内容自体に大きな変更はなく、ネットの普及にあわせて、警察署間でデータベースを共有しスピーディに遺失物をさがせたり、ブームとなっているペット類などの取り扱いを除外する、といった部分で手直しを図ったもの、ともいえる。

 時間に余裕がある方は、具体的な解説も付けた旧“遺失物法”のページも読んでもらえれば全体が一目瞭然となるはずです。最後まで頑張って読んでみてください。


 まずは改正された新“遺失物法”のポイントを紹介しておこう。

(1)この忙しい現代に、拾った人も6カ月も覚えてられないというのか、はたまたさっさと落とし主捜しは諦めてしまいましょう、というのか真意は不明だが、遺失物の保管期間を3カ月に短縮している。ただし埋蔵物に関しては従来どおり6カ月のままで変わりなし。
(2)各都道府県の警察単位でしか分からなかった従来の遺失物探しが、インターネットに公開されることで簡単、広範囲に探せるようになった。まあ、埋蔵金には関係ありませんが。
(3)こちらも時代を表す改正だ。携帯電話、カード類など個人情報が入った遺失物に関しては、3カ月経って落とし主が現れなくとも、拾った人が“所有権”を主張できなくなった。まあ、当然といえば当然か。
(4)電車、バス、飛行機など公共の乗り物事業や多くの人間が集まる店舗などに“特例施設占有者制度”が新設され、拾得物の保管など、警察の業務を一部肩 代わりできるようになった。2週間以内ならまとめて届けられる等、手間のかかる遺失物の取り扱いを楽にしてもらたってことだろう。
(5)カサや衣類など、かさばり引き取り手の現れそうもない遺失物に関しては2週間以内に落とし主が現れない場合は“売却処分”ができるようになった。ものが溢れている時代を反映している改正だ。
(6)“所有者が判明しない犬や猫”は遺失物の対象外として動物愛護法で処理されることに。犬や猫もちゃっちゃと処分してしまいましょ、ってことだろう。ワニやヘビなんてのはどうなんでしょう?
 冗談はともかく、以上が改正された重要部分で、埋蔵物に関してはまったく変更はなし、と考えても良いだろう。

では、いざ本番の“遺失物法”に挑戦してみてください。


<遺失物法>
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 遺失物法(明治三十二年法律八十七号)の全部を改正する

○ 遺失物法(平成十八年法律七十三号)
○ 遺失物法施行令(平成十九年政令第二十一号)
○ 遺失物法施行規則(平成十九年国家公安委員会規則第六号)
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目次
 第一章 総則(第一条―第三条)
 第二章 拾得者の義務及び警察署長等の措置
  第一節 拾得者の義務(第四条)
  第二節 警察署長等の措置(第五条―第十二条)
  第三節 施設における拾得の場合の特則(第十三条―第二十六条) 
 第三章 費用及び報労金(第二十七条―第三十四条)
 第四章 物件の帰属(第三十五条―第三十七条)
 第五章 雑則(第三十八条―第四十条)
 第六章 罰則(第四十一条―第四十四条)
 附則 

   第一章 総則

 (趣旨)
第一条 この法律は、遺失物、埋蔵物その他の占有を離れた物の拾得及び返還に係る手続その他その取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。
 (定義)
第二条 この法律において「物件」とは、遺失物及び埋蔵物並びに準遺失物(誤って占有した他人の物、他人の置き去った物及び逸走した家畜をいう。次条において同じ。)をいう。
2 この法律において「拾得」とは、物件の占有を始めること(埋蔵物及び他人の置き去った物にあっては、これを発見すること)をいう。
3 この法律において「拾得者」とは、物件の拾得をした者をいう。
4 この法律において「遺失者」とは、物件の占有をしていた者(他に所有者その他の当該物件の回復の請求権を有する者があるときは、その者を含む。)をいう。
5 この法律において「施設」とは、建築物その他の施設(車両、船舶、航空機その他の移動施設を含む。)であって、その管理に当たる者が常駐するものをいう。
6 この法律において「施設占有者」とは、施設の占有者をいう。
 (準遺失物に関する民法の規定の準用)
第三条 準遺失物については、民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百四十条の規定を準用する。この場合において、同条中「これを拾得した」とあるのは、「同法第二条第二項に規定する拾得をした」と読み替えるものとする。

   第二章 拾得者の義務及び警察署長等の措置

    第一節 拾得者の義務
第四条 拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。ただし、法令の規定によりその所持が禁止されてい る物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。
2 施設において物件(埋蔵物を除く。第三節において同じ。)の拾得をした拾得者(当該施設の施設占有者を除く。)は、前項の規定にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者に交付しなければならない。
3 前二項の規定は、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第三十五条第二項に規定する犬又はねこに該当する物件について同項の規定による引取りの求めを行った拾得者については、適用しない。
    第二節 警察署長等の措置
 (書面の交付)
第五条 警察署長は、前条第一項の規定による提出(以下この節において単に「提出」という。)を受けたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、拾得者に対し、提出を受けたことを証する書面を交付するものとする。
 (遺失者への返還)
第六条 警察署長は、提出を受けた物件を遺失者に返還するものとする。
 (公告等)
第七条 警察署長は、提出を受けた物件の遺失者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、次に掲げる事項を公告しなければならない。
 一 物件の種類及び特徴
 二 物件の拾得の日時及び場所
2 前項の規定による公告(以下この節において単に「公告」という。)は、同項各号に掲げる事項を当該警察署の掲示場に掲示してする。
3 警察署長は、第一項各号に掲げる事項を記載した書面を当該警察署に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、前項の規定による掲示に代えることができる。
4 警察署長は、公告をした後においても、物件の遺失者が判明した場合を除き、公告の日から三箇月間(埋蔵物にあっては、六箇月間)は、前二項に定める措置を継続しなければならない。
5 警察署長は、提出を受けた物件が公告をする前に刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により押収されたときは、第一項の規定にかかわら ず、公告をしないことができる。この場合において、警察署長は、当該物件の還付を受けたときは、公告をしなければならない。
 (警察本部長による通報及び公表)
第八条 警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察本部長」という。)は、当該都道府県警察の警察署長が公告をした物件が貴重な物件として国家公安委員会規則で定めるものであるときは、次に掲げる事項を他の警察本部長に通報するものとする。
 一 前条第一項各号に掲げる事項
 二 公告の日付
 三 公告に係る警察署の名称及び所在地
2 警察本部長は、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該都道府県警察の警察署長が公告をした物件及び他の警察本部長から前項の規定による通報を受けた物件に関する情報を、インターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
 (売却等)
第九条 警察署長は、提出を受けた物件が滅失し、若しくは毀損するおそれがあるとき又はその保管に過大な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めると ころにより、これを売却することができる。ただし、第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、この限りでない。
2 警察署長は、前項の規定によるほか、提出を受けた物件(埋蔵物及び第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件を除く。)が次の各号に掲げる物 のいずれかに該当する場合において、公告の日から二週間以内にその遺失者が判明しないときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。
 一 傘、衣類、自転車その他の日常生活の用に供され、かつ、広く販売されている物であって政令で定めるもの
 二 その保管に不相当な費用又は手数を要するものとして政令で定める物
3 前二項の規定による売却(以下この条及び次条において単に「売却」という。)に要した費用は、売却による代金から支弁する。
4 売却をしたときは、物件の保管、返還及び帰属については、売却による代金から売却に要した費用を控除した残額を当該物件とみなす。
 (処分)
第十条 警察署長は、前条第一項本文又は第二項に規定する場合において、次に掲げるとき は、政令で定めるところにより、提出を受けた物件について廃棄その他の処分をすることができる。
 一 売却につき買受人がないとき。
 二 売却による代金の見込額が売却に要する費用の額に満たないと認められるとき。
 三 前条第一項ただし書に該当するときその他売却をすることができないと認められるとき。
 (返還時の措置)
第十一条 警察署長は、提出を受けた物件を遺失者に返還するときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者が当該物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。
2 警察署長は、拾得者の同意があるときに限り、遺失者の求めに応じ、拾得者の氏名又は名称及び住所又は所在地(以下「氏名等」という。)を告知することができる。
3 警察署長は、前項の同意をした拾得者の求めに応じ、遺失者の氏名等を告知することができる。
 (照会)
第十二条 警察署長は、提出を受けた物件の遺失者への返還のため必要があるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
    第三節 施設における拾得の場合の特則
 (施設占有者の義務等)
第十三条 第四条第二項の規定による交付を受けた施設占有者は、速やかに、当該交付を受けた物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならな い。ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提 出しなければならない。
2 前節の規定は、警察署長が前項の規定による提出を受けた場合について準用する。この場合において、第五条中「前条第一項」とあるのは「第十三条第一 項」と、「拾得者」とあるのは「施設占有者」と、第十一条第二項中「拾得者の同意」とあるのは「拾得者又は施設占有者の同意」と、「拾得者の氏名」とある のは「その同意をした拾得者又は施設占有者の氏名」と、同条第三項中「拾得者」とあるのは「拾得者又は施設占有者」と読み替えるものとする。
 (書面の交付)
第十四条 第四条第二項の規定による交付を受けた施設占有者は、拾得者の請求があったときは、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
 一 物件の種類及び特徴
 二 物件の交付を受けた日時
 三 施設の名称及び所在地並びに施設占有者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)
 (施設占有者の留意事項)
第十五条 施設占有者は、第四条第二項の規定による交付(以下第三十四条までにおいて単に「交付」という。)を受けた物件については、第十三条第一項の規 定により遺失者に返還し、又は警察署長に提出するまでの間、これを善良な管理者の注意をもって取り扱わなければならない。
 (不特定かつ多数の者が利用する施設における掲示)
第十六条 施設占有者のうち、その施設を不特定かつ多数の者が利用するものは、物件の交付を受け、又は自ら物件の拾得をしたときは、その施設を利用する者の見やすい場所に第七条第一項各号に掲げる事項を掲示しなければならない。
2 前項の施設占有者は、第七条第一項各号に掲げる事項を記載した書面をその管理する場所に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、前項の規定による掲示に代えることができる。
 (特例施設占有者に係る提出の免除)
第十七条 前条第一項の施設占有者のうち、交付を受け、又は自ら拾得をする物件が多数に上り、かつ、これを適切に保管することができる者として政令で定め る者に該当するもの(以下「特例施設占有者」という。)は、交付を受け、又は自ら拾得をした物件(政令で定める高額な物件を除く。)を第四条第一項本文又 は第十三条第一項本文の規定により遺失者に返還することができない場合において、交付又は拾得の日から二週間以内に、国家公安委員会規則で定めるところに より当該物件に関する事項を警察署長に届け出たときは、第四条第一項本文又は第十三条第一項本文の規定による提出をしないことができる。この場合におい て、特例施設占有者は、善良な管理者の注意をもって当該物件を保管しなければならない。
 (公告に関する規定等の準用)
第十八条 第七条、第八条及び第十二条の規定は、警察署長が前条前段の規定による届出を受けた場合について準用する。この場合において、第七条第一項及び 第五項並びに第十二条中「提出を受けた」とあるのは「第十七条前段の規定による届出を受けた」と、第七条第一項第二号中「場所」とあるのは「場所並びに第 十七条後段の規定により当該物件を保管する特例施設占有者の氏名又は名称及び当該保管の場所」と読み替えるものとする。
 (特例施設占有者による遺失者への返還)
第十九条 特例施設占有者は、第十七条後段の規定により保管する物件(以下「保管物件」という。)を遺失者に返還するものとする。
 (特例施設占有者による売却等)
第二十条 特例施設占有者は、保管物件が滅失し、若しくは毀損するおそれがあるとき又はその保管に過大な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めると ころにより、これを売却することができる。ただし、第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、この限りでない。
2 特例施設占有者は、前項の規定によるほか、保管物件(第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件を除く。)が第九条第二項各号に掲げる物のい ずれかに該当する場合において、第十八条において準用する第七条第一項の規定による公告の日から二週間以内にその遺失者が判明しないときは、政令で定める ところにより、これを売却することができる。
3 特例施設占有者は、前二項の規定による売却(以下この条及び次条第一項において単に「売却」という。)をしようとするときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を警察署長に届け出なければならない。
4 売却に要した費用は、売却による代金から支弁する。
5 売却をしたときは、物件の保管、返還及び帰属については、売却による代金から売却に要した費用を控除した残額を当該保管物件とみなす。
 (特例施設占有者による処分)
第二十一条 特例施設占有者は、前条第一項本文又は第二項に規定する場合において、次に掲げるときは、政令で定めるところにより、保管物件について廃棄その他の処分をすることができる。
 一 売却につき買受人がないとき。
 二 売却による代金の見込額が売却に要する費用の額に満たないと認められるとき。
 三 前条第一項ただし書に該当するときその他売却をすることができないと認められるとき。
2 特例施設占有者は、前項(第一号を除く。)の規定による処分をしようとするときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を警察署長に届け出なければならない。
 (特例施設占有者による返還時の措置)
第二十二条 特例施設占有者は、保管物件を遺失者に返還するときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者が当該保管物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。
2 特例施設占有者は、拾得者の同意があるときに限り、遺失者の求めに応じ、拾得者の氏名等を告知することができる。
3 特例施設占有者は、前項の同意をした拾得者の求めに応じ、遺失者の氏名等を告知することができる。
 (特例施設占有者による帳簿の記載等)
第二十三条 特例施設占有者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、帳簿を備え、保管物件に関し国家公安委員会規則で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
 (特例施設占有者の保管物件の提出)
第二十四条 第十七条後段の規定により物件を保管する特例施設占有者は、特例施設占有者でなくなったときは、遅滞なく、前条の帳簿の写しを添付して、保管物件を警察署長に提出しなければならない。
2 第十七条後段の規定により物件を保管する特例施設占有者が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞 なく、前条の帳簿の写しを添付して、当該特例施設占有者が第十七条後段の規定により保管していた物件を警察署長に提出しなければならない。ただし、第三号 に掲げる場合において、同号に規定する合併後存続し、又は合併により設立された法人が引き続き特例施設占有者であるときは、この限りでない。
 一 死亡した場合 同居の親族又は法定代理人
 二 法人が合併以外の事由により解散した場合 清算人又は破産管財人
 三 法人が合併により消滅した場合 合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者
 (報告等)
第二十五条 都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、この法律の施行に必要な限度において、施設占有者に対し、その交付を受け、又は自ら拾得をした物件に関し、報告又は資料の提出を求めることができる。
2 公安委員会は、この法律の施行に必要な限度において、特例施設占有者に対し、保管物件に関し報告若しくは資料の提出を求め、又は保管物件の提示を求めることができる。
 (指示)
第二十六条 公安委員会は、施設占有者若しくは特例施設占有者又はその代理人、使用人その他の従業者(次項において「代理人等」という。)が第十三条第一 項、第十九条、第二十二条第一項、第二十三条又は第三十七条第三項の規定に違反した場合において、遺失者又は拾得者の利益が害されるおそれがあると認める ときは、その利益を保護するため必要な限度において、当該施設占有者又は特例施設占有者に対し、必要な指示をすることができる。
2 特例施設占有者又はその代理人等が、第二十条第一項から第三項まで又は第二十一条の規定に違反して、保管物件の売却若しくは処分をし、又はしようとしたときも、前項と同様とする。

   第三章 費用及び報労金

 (費用の負担)
第二十七条 物件の提出、交付及び保管に要した費用(誤って他人の物を占有した者が要した費用を除く。)は、当該物件の返還を受ける遺失者又は民法第二百 四十条(第三条において準用する場合を含む。以下同じ。)若しくは第二百四十一条の規定若しくは第三十二条第一項の規定により当該物件の所有権を取得して これを引き取る者の負担とする。
2 前項の費用については、民法第二百九十五条から第三百二条までの規定を適用する。
 (報労金)
第二十八条 物件(誤って占有した他人の物を除く。)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(第九条第一項若しくは第二項又は第二十条第一項若しくは第 二項の規定により売却された物件にあっては、当該売却による代金の額)の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならな い。
2 前項の遺失者は、当該物件の交付を受けた施設占有者があるときは、同項の規定にかかわらず、拾得者及び当該施設占有者に対し、それぞれ同項に規定する額の二分の一の額の報労金を支払わなければならない。
3 国、地方公共団体、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)、地方独立行政法人 (地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)その他の公法人は、前二項の報労金を請求することが できない。
 (費用及び報労金の請求権の期間の制限)
第二十九条 第二十七条第一項の費用及び前条第一項又は第二項の報労金は、物件が遺失者に返還された後一箇月を経過したときは、請求することができない。
 (拾得者等の費用償還義務の免除)
第三十条 拾得者(民法第二百四十一条ただし書に規定する他人を含む。)は、あらかじめ警察署長(第四条第二項に規定する拾得者にあっては、施設占有者)に申告して物件に関する一切の権利を放棄し、第二十七条第一項の費用を償還する義務を免れることができる。
 (遺失者の費用償還義務等の免除)
第三十一条 遺失者は、物件についてその有する権利を放棄して、第二十七条第一項の費用を償還する義務及び第二十八条第一項又は第二項の報労金を支払う義務を免れることができる。
 (遺失者の権利放棄による拾得者の所有権取得等)
第三十二条 すべての遺失者が物件についてその有する権利を放棄したときは、拾得者が当該物件の所有権を取得する。ただし、民法第二百四十一条ただし書に規定する埋蔵物については、同条ただし書の規定の例による。
2 前項の規定により物件の所有権を取得する者は、その取得する権利を放棄して、第二十七条第一項の費用を償還する義務を免れることができる。
 (施設占有者の権利取得等)
第三十三条 第四条第二項に規定する拾得者が、その交付をした物件について第三十条若しくは前条第二項の規定により権利を放棄したとき又は次条第三号に該 当して同条の規定により権利を失ったときは、当該交付を受けた施設占有者を拾得者とみなして、民法第二百四十条の規定並びに第三十条並びに前条第一項本文 及び第二項の規定を適用する。この場合において、第三十条中「警察署長(第四条第二項に規定する拾得者にあっては、施設占有者)」とあるのは、「警察署 長」とする。
 (費用請求権等の喪失)
第三十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、その拾得をし、又は交付を受けた物件について、第二十七条第一項の費用及び第二十八条第一項又は第二項の 報労金を請求する権利並びに民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により所有権を取得する権利を失う。
 一 拾得をした物件又は交付を受けた物件を横領したことにより処罰された者
 二 拾得の日から一週間以内に第四条第一項の規定による提出をしなかった拾得者(同条第二項に規定する拾得者及び自ら拾得をした施設占有者を除く。)
 三 拾得の時から二十四時間以内に交付をしなかった第四条第二項に規定する拾得者
 四 交付を受け、又は自ら拾得をした日から一週間以内に第四条第一項又は第十三条第一項の規定による提出をしなかった施設占有者(特例施設占有者を除く。)
 五 交付を受け、又は自ら拾得をした日から二週間以内(第四条第一項ただし書及び第十三条第一項ただし書に規定する物件並びに第十七条前段の政令で定め る高額な物件にあっては、一週間以内)に第四条第一項又は第十三条第一項の規定による提出をしなかった特例施設占有者(第十七条前段の規定によりその提出 をしないことができる場合を除く。)

   第四章 物件の帰属

 (所有権を取得することができない物件)
第三十五条 次の各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定にかかわらず、所有権を取得することができない。
 一 法令の規定によりその所持が禁止されている物(法令の規定による許可その他の処分により所持することができる物であって政令で定めるものを除く。)
 二 個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証する文書、図画又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)
 三 個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録
 四 遺失者又はその関係者と認められる個人の住所又は連絡先が記録された文書、図画又は電磁的記録
 五 個人情報データベース等(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第二条第二項に規定する個人情報データベース等をいう。)が記録された文書、図画又は電磁的記録(広く一般に流通している文書、図画及び電磁的記録を除く。)
 (拾得者等の所有権の喪失)
第三十六条 民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により物件の所有権を取得した者は、当該取得の日から二箇月以内に当該物件を警察署長又は特例施設占有者から引き取らないときは、その所有権を失う。
 (都道府県への所有権の帰属等)
第三十七条 物件(第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画又は電磁的記録に該当する物件を除く。)について、すべての遺失者がその有する権利 を放棄した場合又は第七条第一項(第十八条において準用する場合を含む。)の規定による公告をした後三箇月以内(埋蔵物にあっては、六箇月以内。次項にお いて同じ。)に遺失者が判明しない場合において、民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により所有権を取得する者がな いとき(その者のすべてが前条の規定によりその所有権を失ったときを含む。)は、当該物件の所有権は、次の各号に掲げる当該物件を保管する者の区分に応 じ、それぞれ当該各号に定める者に帰属する。
 一 警察署長 当該警察署の属する都道府県(第三十五条第一号に掲げる物に該当する物件にあっては、国)
 二 特例施設占有者 当該特例施設占有者
2 警察署長は、第四条第一項又は第十三条第一項の規定による提出を受けた物件のうち、第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画又は電磁的記録 に該当するものについて、すべての遺失者がその有する権利を放棄したとき又は第七条第一項の規定による公告をした後三箇月以内に遺失者が判明しないとき は、国家公安委員会規則で定めるところにより、速やかにこれを廃棄しなければならない。
3 特例施設占有者は、保管物件のうち、第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画又は電磁的記録に該当するものについて、すべての遺失者がその 有する権利を放棄したとき又は第十八条において準用する第七条第一項の規定による公告をした後三箇月以内に遺失者が判明しないときは、国家公安委員会規則 で定めるところにより、速やかにこれを廃棄しなければならない。

   第五章 雑則

 (権限の委任)
第三十八条 この法律の規定により道公安委員会の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に行わせることができる。
 (経過措置)
第三十九条 この法律の規定に基づき政令又は国家公安委員会規則を制定し、又は改廃する場合においては、政令又は国家公安委員会規則で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
 (国家公安委員会規則への委任)
第四十条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

   第六章 罰則

第四十一条 第二十六条の規定による指示に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第四十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
 一 第十四条の規定に違反して、書面を交付せず、又は虚偽の記載をした書面を交付した者
 二 第二十条第三項又は第二十一条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして売却又は処分をした者
 三 第二十三条の規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった者
 四 第二十四条第一項の規定に違反して保管物件を提出しなかった者
 五 第二十五条第一項の規定に違反して、報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは虚偽の資料の提出をした者
 六 第二十五条第二項の規定に違反して、報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の資料の提出をし、又は保管物件の提示を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
 七 第三十七条第三項の規定に違反した者
第四十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第四十四条 第二十四条第二項の規定に違反して物件を提出しなかった者は、二十万円以下の過料に処する。

 附則

 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
 (経過措置)
第二条 改正後の遺失物法の規定及び次条の規定による改正後の民法第二百四十条の規定は、この法律の施行前に拾得をされた物件又は改正前の遺失物法(以下 「旧法」という。)第十条第二項の管守者が同項の規定による交付を受け、若しくは同項の占有者が同項の規定による差出しを受けた物件であって、この法律の 施行の際現に旧法第一条第一項又は第十一条第一項(これらの規定を旧法第十二条及び第十三条において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定によ り警察署長に差し出されていないものについても適用する。
2 この法律の施行の際現に旧法第一条第一項又は第十一条第一項の規定により警察署長に差し出されている物件については、なお従前の例による。
 (民法の一部改正)
第三条 民法の一部を次のように改正する。
 第二百四十条中「遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)」を「遺失物法(平成十八年法律第七十三号)」に、「六箇月」を「三箇月」に改める。
 (当せん金付証票法等の一部改正)
第四条 次に掲げる法律の規定中「遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)」を「遺失物法(平成十八年法律第七十三号)」に改める。
 一 当せん金付証票法(昭和二十三年法律第百四十四号)第十一条の二第一項
 二 関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第九十七条第二項
 三 スポーツ振興投票の実施等に関する法律(平成十年法律第六十三号)第十九条第一項
 (文化財保護法の一部改正)
第五条 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)の一部を次のように改正する。
 第百条第一項中「遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)第十三条で準用する同法第一条第一項」を「遺失物法(平成十八年法律第七十三号)第四条第一項」に改め、同条第三項中「第十三条において準用する同法第一条第二項」を「第七条第一項」に改める。
 第百一条中「第十三条で準用する同法第一条第一項」を「第四条第一項」に、「差し出された」を「提出された」に改める。
 第百八条中「第十三条の規定」を削る。

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政令第二十一号

   遺失物法施行令

 内閣は、遺失物法(平成十八年法律第七十三号)第九条第一項及び第二項並びに第十条(これらの規定を同法第十三条第二項において準用する場合を含 む。)、第十七条、第二十条第一項及び第二項、第二十一条第一項、第三十五条第一項並びに第三十八条の規定に基づき、遺失物法施行令(昭和三十三年政令第 百七十二号)の全部を改正するこの政令を制定する。

 (提出を受けた物件の売却の方法等)
第一条 遺失物法(以下「法」という。)第九条第一項本文又は第二項(これらの規定を法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による警察署 長が提出を受けた物件の売却は、一般競争入札又は競り売り(以下「一般競争入札等」という。)に付して行わなければならない。ただし、次の各号に掲げる物 のいずれかに該当する物件については、随意契約により売却することができる。
 一 速やかに売却しなければ価値が著しく減少するおそれのある物
 二 一般競争入札等に付したが買受けの申込みをする者がなかった物
 三 売却による代金の見込額が一万円を超えないと認められる物
第二条 警察署長は、前条本文の規定により一般競争入札等に付そうとするときは、一般競争入札等の日の前日から起算して少なくとも五日前までに、次に掲げる事項を公告しなければならない。
 一 一般競争入札等に付そうとする物件の名称又は種類、形状及び数量
 二 一般競争入札又は競り売りの別
 三 一般競争入札等の日時及び場所
 四 買受代金の納付の方法及び期限
2 前項の規定による公告は、同項各号に掲げる事項を当該警察署の掲示場に掲示し、又はこれらの事項を記載した書面を当該警察署に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより行う。
3 警察署長は、前条第一項ただし書の規定により随意契約によろうとするときは、なるべく二以上の者から見積書を徴さなければならない。
第三条 法第九条第二項第一号(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の政令で定める物は、次に掲げる物とする。
 一 傘
 二 衣服
 三 ハンカチ、マフラー、ネクタイ、ベルトその他衣服と共に身に着ける繊維製品又は皮革製品
 四 履物
 五 自転車
2 法第九条第二項第二号(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の政令で定める物は、動物とする。
 (提出を受けた物件の処分の方法)
第四条 法第十条(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による警察署長が提出を受けた物件の処分は、これを廃棄し、又はこれを引き渡す ことが適当と認められる者に引き渡すことにより行うものとする。ただし、動物である物件の処分は、これを引き渡すことが適当と認められる者に引き渡し、又 は法令の範囲内で同種の野生動物の生息地においてこれを放つことにより行うものとする。
2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する物件であって法第三十五条第一号に掲げる物に該当するものの処分は、これをその所持の取締りに関する事務を所 掌する国の行政機関(内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定す る機関をいう。)又はその地方支分部局の長に引き渡すことにより行うものとする。
3 第一項の規定にかかわらず、同項に規定する物件であって法第三十五条第二号から第五号までに掲げる物のいずれかに該当するものの処分は、国家公安委員会規則で定めるところにより、これを廃棄することにより行うものとする。
 (特例施設占有者の要件)
第五条 法第十七条の政令で定める者は、次に掲げる者とする。
 一 鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第二条第二項又は第三項に規定する事業(旅客の運送を行うものに限る。)の用に供する施設(旅客の利用に供するものに限る。次号から第四号までにおいて同じ。)に係る施設占有者であって、同法第三条第一項の許可を受けたもの
 二 道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第三条第一号イに規定する一般乗合旅客自動車運送事業の用に供する施設に係る施設占有者であって、同法第四条第一項の許可を受けたもの
 三 海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第二条第五項に規定する一般旅客定期航路事業の用に供する施設に係る施設占有者であって、同法第三条第一項の許可を受けたもの
 四 航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第二条第十八項に規定する国際航空運送事業(本邦内の地点と本邦外の地点との間に路線を定めて一定の日時 により航行する航空機により旅客を運送するものに限る。)又は同条第十九項に規定する国内定期航空運送事業(旅客を運送するものに限る。)の用に供する施 設に係る施設占有者であって、同法第百条第一項の許可を受けたもの
 五 百貨店、遊園地その他の不特定かつ多数の者が利用する施設に係る施設占有者であって、次に掲げる要件に該当するものとして国家公安委員会規則で定め るところによりその施設(移動施設にあっては、その施設占有者の主たる事務所)の所在地を管轄する都道府県公安委員会(当該所在地が道の区域(道警察本部 の所在地を包括する方面の区域を除く。)にある場合にあっては、方面公安委員会)が指定したもの
  イ 法第四条第二項の規定による交付を受け、又は自ら拾得をする物件の数が前各号に掲げる者に準じて多数に上ると認められる者であること。
  ロ 次のいずれにも該当しない者であること。
   (1) 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産手続開始の決定を受け復権を得ない者
   (2) 禁錮(こ)以上の刑に処せられ、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百三十五条、第二百四十三条(同法第二百三十五条の未遂罪に係る部分に 限る。)、第二百四十七条、第二百五十四条、第二百五十六条第二項若しくは第二百六十一条に規定する罪若しくは法に規定する罪を犯して罰金の刑に処せら れ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から起算して二年を経過しない者
   (3) 法人でその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、 法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)のうちに(1)又は(2)に 該当する者があるもの
  ハ 法第四条第二項の規定による交付を受け、又は自ら拾得をする物件を適切に保管するために必要な施設及び人員を有する者であること。
 (高額な物件)
第六条 法第十七条の政令で定める高額な物件は、次に掲げる物件とする。
 一 十万円以上の現金
 二 額面金額又はその合計額が十万円以上の有価証券
 三 貴金属、宝石その他の物であってその価額又はその合計額が十万円以上であると明らかに認められるもの
 (特例施設占有者が保管する物件の売却の方法)
第七条 法第二十条第一項本文又は第二項の規定による特例施設占有者が保管する物件の売却は、一般競争入札等に付して行わなければならない。ただし、次の各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、随意契約により売却することができる。
 一 速やかに売却しなければ価値が著しく減少するおそれのある物
 二 一般競争入札等に付したが買受けの申込みをする者がなかった物
 三 売却による代金の見込額が一万円を超えないと認められる物
第八条 特例施設占有者は、前条本文の規定により一般競争入札等に付そうとするときは、一般競争入札等の日の前日から起算して少なくとも五日前までに、次に掲げる事項を公告しなければならない。
 一 一般競争入札等に付そうとする物件の名称又は種類、形状及び数量
 二 一般競争入札又は競り売りの別
 三 一般競争入札等の日時及び場所
 四 買受代金の納付の方法及び期限
2 前項の規定による公告は、同項各号に掲げる事項を当該特例施設占有者の管理する公衆の見やすい場所に掲示し、又はこれらの事項を記載した書面をその管理する場所に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより行う。
3 特例施設占有者は、前条第一項ただし書の規定により随意契約によろうとするときは、なるべく二以上の者から見積書を徴さなければならない。
 (特例施設占有者が保管する物件の処分の方法)
第九条 法第二十一条第一項の規定による特例施設占有者が保管する物件の処分は、これを廃棄し、又はこれを引き渡すことが適当と認められる者に引き渡すことにより 行うものとする。ただし、動物である物件の処分は、これを引き渡すことが適当と認められる者に引き渡し、又は法令の範囲内で同種の野生動物の生息地におい てこれを放つことにより行うものとする。
2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する物件であって法第三十五条第二号から第五号までに掲げる物のいずれかに該当するものの処分は、国家公安委員会規則で定めるところにより、これを廃棄することにより行うものとする。
 (所持を禁じられた物件のうち所有権を取得することができるもの)
第十条 法第三十五条第一号の政令で定める物は、次に掲げる物とする。
 一 銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)第四条第一項第一号若しくは第二号に規定する銃砲(空気けん銃を除く。)又は同項第六号に規定する刀剣類
 二 銃砲刀剣類所持等取締法第十四条に規定する美術品若しくは骨とう品として価値のある火縄式銃砲等の古式銃砲又は美術品として価値のある刀剣類
 (権限の委任)
第十一条 法の規定により道公安委員会の権限に属する事務は、道警察本部の所在地を包括する方面を除く方面については、当該方面公安委員会が行う。

   附則

 (施行期日)
第一条 この政令は、法の施行の日(平成十九年十二月十日)から施行する。
 (経過措置)
第二条 法による改正前の遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)第二条ノ二(同法第十一条第二項、第十二条及び第十三条において準用する場合を含む。) の規定により廃棄した物件に関する改正前の遺失物法施行令第七条(同令第十九条において準用する場合を含む。)に規定する書類の整備については、なお従前 の例による。
 (地方自治法施行令の一部改正)
第三条 地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)の一部を次のように改正する。
 第百七十条の五第一項第二号中「遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)第一条」を「遺失物法(平成十八年法律第七十三号)第四条第一項若しくは第十三条第一項」に改める。
 (関税法施行令の一部改正)
第四条 関税法施行令(昭和二十九年政令第百五十号)の一部を次のように改正する。
 第二十五条第二号中「遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)」を「遺失物法(平成十八年法律第七十三号)」に改める。
 (警察庁組織令の一部改正)
第五条 警察庁組織令(昭和二十九年政令第百八十号)の一部を次のように改正する。
 第十六条第十一号中「遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)」を「遺失物法(平成十八年法律第七十三号)」に改める。

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○国家公安委員会規則第六号

 遺失物法(平成十八年法律第七十三号)第五条(同法第十三条第二項において準用する場合を含む。)、第八条(同法第十三条第二項及び同法第十八条におい て準用する場合を含む。)、第十一条第一項(同法第十三条第二項において準用する場合を含む。)、第十七条、第二十条第三項、第二十一条第二項、第二十二 条第一項、第二十三条、第三十七条第二項及び第三項並びに第四十条並びに遺失物法施行令(平成十九年政令第二十一号)第四条第三項、第五条第五号及び第九 条第二項の規定に基づき、遺失物法施行規則を次のように定める。
  平成十九年三月二十七日
               国家公安委員会委員長 溝手顕正


   遺失物法施行規則

目次
 第一章 警察署長等の措置
  第一節 物件の提出を受けたときの措置(第一条―第四条)
  第二節 遺失届の受理等(第五条)
  第三節 遺失者等を発見するための措置(第六条―第十二条)
  第四節 提出物件の売却等(第十三条―第十六条)
  第五節 現金又は売却による代金の預託(第十七条)
  第六節 提出物件の返還、引渡し等(第十八条―第二十三条)
  第七節 国に帰属した物件の取扱い等(第二十四条・第二十五条)
 第二章 施設占有者の措置等
  第一節 施設占有者の措置(第二十六条・第二十七条)
  第二節 特例施設占有者の指定(第二十八条―第三十条)
  第三節 特例施設占有者の措置等(第三十一条―第三十九条)
 第三章 雑則(第四十条・第四十一条)
 附則

   第一章 警察署長等の措置

    第一節 物件の提出を受けたときの措置
 (拾得物件控書の作成)
第一条 警察署長は、遺失物法(以下「法」という。)第四条第一項又は法第十三条第一項の規定による提出(以下この章において単に「提出」という。)を受けたときは、別記様式第一号の拾得物件控書を作成しなければならない。
 (拾得者等に対する書面の交付)
第二条 法第五条(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による書面の交付は、提出を受けた際に、別記様式第二号の拾得物件預り書を作成し、提出者(提出をした拾得者又は施設占有者をいう。次条において同じ。)に交付することにより行うものとする。
 (権利放棄の取扱い等)
第三条 警察署長は、提出を受けた場合において、提出者から、提出をした物件(以下「提出物件」という。)について、法第二十七条第一項の費用若しくは法 第二十八条第一項若しくは第二項の報労金を請求する権利又は民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百四十条若しくは同法第二百四十一条の規定若しくは法 第三十二条第一項の規定により所有権を取得する権利(以下「費用請求権等」という。)を放棄する旨の申告があったときは、拾得物件控書の権利放棄の申告の 欄に提出者の署名を求めるものとする。
2 警察署長は、提出を受けた場合において、提出者が法第三十四条の規定により提出物件に係る費用請求権等を失っているときは、提出者にその旨を説明するものとする。
3 警察署長は、提出を受けた場合において、提出物件が法第三十五条各号に掲げる物に該当すると認められるときは、提出者にその旨を説明するものとする。
 (拾得物件一覧簿の記載等)
第四条 警察署長は、提出を受けたときは、直ちに、次に掲げる事項を別記様式第三号の拾得物件一覧簿に記載しなければならない。
 一 受理番号
 二 法第七条第一項各号に掲げる事項
2 警察署長は、法第十七条前段の規定による届出(以下第五条第一項、第二十九条第二項、第三十二条及び第三十三条第一項を除き単に「届出」という。)を受けたときは、直ちに、次に掲げる事項を別記様式第四号の特例施設占有者保管物件一覧簿に記載しなければならない。
 一 前項各号に掲げる事項
 二 届出をした特例施設占有者の氏名又は名称
 三 法第十七条後段の規定により保管する物件(以下「保管物件」という。)の保管の場所及びその電話番号その他の連絡先

    第二節 遺失届の受理等
第五条 警察署長は、遺失者から物を遺失した旨の届出(以下「遺失届」という。)を受けたときは、別記様式第五号の遺失届出書により受理するものとする。
2 警察署長は、遺失届を受けたときは、直ちに、遺失届出書に受理番号を付すとともに、次に掲げる事項を別記様式第六号の遺失届一覧簿に記載しなければならない。
 一 受理番号
 二 物件の種類及び特徴
 三 遺失の日時及び場所その他必要な事項

    第三節 遺失者等を発見するための措置
 (遺失届の有無の調査)
第六条 警察署長は、提出又は届出を受けたときは、当該提出物件又は保管物件について、遺失届一覧簿における該当する遺失届に係る記載の有無を確認するも のとする。この場合において、当該物件の遺失者を知ることができないときは、当該物件に係る第八条第一項の規定による報告又は同条第二項の規定による通報 の有無を警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察本部長」という。)に照会するものとする。
 (提出物件等の有無の調査)
第七条 警察署長は、遺失届を受けたときは、当該遺失届に係る物件について、拾得物件一覧簿及び特例施設占有者保管物件一覧簿における該当する提出物件又 は保管物件に係る記載の有無を確認するものとする。この場合において、当該物件に係る記載がないときは、当該物件に係る法第八条第一項(法第十三条第二項 及び法第十八条において準用する場合を含む。)の規定による通報又は第十条第一項の規定による報告若しくは同条第二項の規定による通報の有無を警察本部長 に照会するものとする。
 (遺失届に係る警察本部長への報告等)
第八条 警察署長は、前条の規定による確認又は照会の結果、当該遺失届に係る物件に該当する提出物件又は保管物件がないときは、第五条第二項各号に掲げる事項並びに遺失者の氏名又は名称及び住所又は所在地(以下「氏名等」という。)を警察本部長に報告するものとする。
2 前項の規定による報告を受けた警察本部長は、当該遺失届に係る物件の遺失の場所が他の都道府県警察の管轄区域内にあるときは、第五条第二項各号に掲げる事項及び遺失者の氏名又は名称を当該他の都道府県警察の警察本部長に通報するものとする。
 (掲示の様式等)
第九条 法第七条第二項(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の規定による掲示は、別記様式第七号(保管物件に係る掲示にあっては、別記様式第八号)を用いて行うものとする。
2 法第七条第三項(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)に規定する書面は、拾得物件一覧簿(保管物件に係る書面にあっては、特例施設占有者保管物件一覧簿)とする。
 (公告をした物件に係る警察本部長への報告等)
第十条 警察署長は、法第七条第一項(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の規定による公告をしたときは、次に掲げる事項を警察本部長に報告するものとする。
 一 第四条第一項各号(保管物件にあっては、同条第二項各号)に掲げる事項
 二 公告の日付
2 前項の規定による報告を受けた警察本部長は、当該公告に係る物件の拾得の場所が他の都道府県警察の管轄区域内にあるときは、同項各号に掲げる事項を当該他の都道府県警察の警察本部長に通報するものとする。
 (他の警察本部長に通報する貴重な物件)
第十一条 法第八条第一項(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の国家公安委員会規則で定める物件は、次に掲げる物件とする。
 一 一万円以上の現金
 二 額面金額又はその合計額が一万円以上の有価証券
 三 その価額又はその合計額が一万円以上であると明らかに認められる物
 四 運転免許証、健康保険の被保険者証、外国人登録証明書その他法律又はこれに基づく命令の規定により交付された書類であって、個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証するもの
 五 預貯金通帳若しくは預貯金の引出用のカード又はクレジットカード
 六 携帯電話用装置
 (警察本部長による公表)
第十二条 法第八条第二項(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の規定による公表は、当該都道府県警察の警察署長が法第七条第 一項(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の規定による公告をした物件及び他の警察本部長から法第八条第一項(法第十三条第二 項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の規定による通報を受けた物件のうち当該都道府県警察の管轄区域内で拾得されたものについて、次に掲げる 事項を、遺失者が判明するまでの間又は公告の日から三箇月(埋蔵物にあっては、六箇月)を経過する日までの間、インターネットの利用により公表することに より行うものとする。
 一 物件の種類及び特徴
 二 物件の拾得の日及び場所
 三 物件の公告に係る警察署の名称及び電話番号その他の連絡先(保管物件にあっては、届出をした特例施設占有者の氏名又は名称並びに保管の場所及びその電話番号その他の連絡先)

    第四節 提出物件の売却等
 (物件売却書の作成等)
第十三条 警察署長は、法第九条第一項本文又は第二項(これらの規定を法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による売却(第十七条におい て単に「売却」という。)をしたときは、拾得物件控書の備考欄にその旨及び売却の日並びに売却による代金から売却に要した費用を控除した残額を記載すると ともに、別記様式第九号の物件売却書を作成し、法第三十六条に規定する期間が満了するまでの間、保存しなければならない。
 (処分をする場合における拾得者等への通知)
第十四条 警察署長は、法第十条(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による処分をするときは、あらかじめ民法第二百四十条若しくは同 法第二百四十一条の規定又は法第三十二条第一項の規定により当該物件の所有権を取得する権利を有する者に、その旨を通知するものとする。ただし、その者の 所在を知ることができない場合は、この限りでない。
 (提出物件の廃棄の方法)
第十五条 遺失物法施行令(以下「令」という。)第四条第三項の規定による廃棄は、次の各号に 掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより行うものとする。
 一 法第三十五条第二号に掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件により個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証することができないようにすること。
 二 法第三十五条第三号から第五号までに掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件に記録された個人の秘 密に属する事項、遺失者若しくはその関係者と認められる個人の住所若しくは連絡先又は個人情報データベース等を構成する個人情報を認識することができない ようにすること。
 (物件処分書の作成等)
第十六条 警察署長は、法第十条(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による処分をしたときは、拾得物件控書及び拾得物件一覧簿の備考 欄にその旨及び処分の日を記載するとともに、別記様式第十号の物件処分書を作成し、法第三十六条に規定する期間が満了するまでの間、保存しなければならな い。

    第五節 現金又は売却による代金の預託
第十七条 警察署長は、提出物件のうち現金又は売却による代金を預託しようとするときは、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百三十五条第一項 の規定により当該警察署の属する都道府県の公金の収納若しくは支払の事務を取り扱う者に預託するか又はこれに準ずる確実な方法でしなければならない。

    第六節 提出物件の返還、引渡し等
 (遺失者が判明したときの措置等)
第十八条 警察署長は、提出物件又は保管物件の遺失者が判明したときは、速やかに、当該物件の返還に係る手続を行う場所並びに当該物件に係る法第二十七条第一項の費用及び法第二十八条第一項又は第二項の報労金を支払う義務がある旨を当該遺失者に通知するものとする。
2 警察署長は、提出物件を遺失者に返還するときは、当該物件に係る法第二十七条第一項の費用又は法第二十八条第一項若しくは第二項の報労金を請求する権 利を有する拾得者又は施設占有者に対し、当該物件を返還する旨を通知するものとする。ただし、当該拾得者又は施設占有者の所在を知ることができない場合 は、この限りでない。
3 警察署長は、前項の規定による通知をするときは、法第十一条第二項(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する同意(第二十六条にお いて単に「同意」という。)の有無を確認するものとする。ただし、前項の拾得者又は施設占有者が、あらかじめ拾得物件控書 の氏名等告知の同意の欄に署名をしている場合は、この限りでない。
4 警察署長は、提出物件について、民法第二百四十条又は同法第二百四十一条に規定する期間内に遺失者が判明しない場合において、次の表の上欄に掲げると きは、同表の中欄に掲げる者に対し、同表の下欄に掲げる事項を通知するものとする。ただし、同表の中欄に掲げる拾得者又は施設占有者の所在を知ることがで きない場合は、この限りでない。

※以下表組み

  拾得者が民法第二百四十条又は同法第二百四十一条の規定により所有権を取得する権利を有するとき。

 一 拾得者
当該物件の引渡しに係る手続を行う場所及び当該物件に係る法第二十七条第一項の費用があるときはこれを償還する義務がある旨

 二 法第二十七条第一項の費用を請求する権利を有する施設占有者
当該物件の所有権を取得してこれを引き取る拾得者に法第二十七条第一項の費用を請求する権利を有する旨

  拾得者が民法第二百四十条又は同法第二百四十一条の規定により所有権を取得する権利を有しないとき。

 一 法第三十三条の規定により拾得者とみなされる施設占有者
当該物件の引渡しに係る手続を行う場所及び当該物件に係る法第二十七条第一項の費用があるときはこれを償還する義務がある旨

 二 法第二十七条第一項の費用を請求する権利を有する拾得者
当該物件の所有権を取得してこれを引き取る施設占有者に法第二十七条第一項の費用を請求する権利を有する旨

※以上表組み

5 警察署長は、提出物件の遺失者が判明しない場合において拾得者が所有権を取得することとなるべき期日、当該物件の引渡しに係る手続を行う場所及び当該 物件について法第二十七条第一項の費用があるときは当該費用は当該物件を引き取る者の負担となる旨をあらかじめ拾得物件預り書に記載することにより、前項 の規定による通知に代えることができる。
 (送付による提出物件の返還及び引渡し)
第十九条 警察署長は、提出物件の返還に係る手続を行う場所を来訪することが困難であると認められる遺失者から提出物件の返還を求められたときは、遺失者 の申出により、遺失者から別記様式第十一号の物件送付依頼書を徴した上、これに記載された方法により、提出物件を送付することができる。
2 前項に規定する場合において、送付に要する費用は、遺失者の負担とする。
3 前二項の規定は、民法第二百四十条若しくは同法第二百四十一条の規定又は法第三十二条第一項の規定により提出物件の所有権を取得した者(以下この節に おいて「権利取得者」という。)に対する提出物件の引渡しについて準用する。この場合において、これらの規定中「遺失者」とあるのは、「権利取得者」と読 み替えるものとする。
 (警察署長による遺失者の確認の方法等)
第二十条 法第十一条第一項(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による確認は、次に掲げる方法その他の適当な方法により行うものとする。
 一 返還を求める者からその氏名等を証するに足りる書面の提示を受けること。
 二 返還を求める者から当該物件の種類及び特徴並びに遺失の日時及び場所を聴取し、当該物件に係る拾得物件控書に記載された内容と照合すること。
2 法第十一条第一項(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する受領書の様式は、別記様式第十二号のとおりとする。
3 警察署長は、提出物件を権利取得者に引き渡すときは、次に掲げる方法その他の適当な方法により、引渡しを求める者が当該物件の権利取得者であることを確認し、別記様式第十二号の受領書又は拾得物件預り書と引換えに引き渡さなければならない。
 一 引渡しを求める者からその氏名等を証するに足りる書面及び当該物件に係る拾得物件預り書又は法第十四条に規定する書面の提示を受けること。
 二 引渡しを求める者から当該物件の種類及び特徴並びに拾得の日時及び場所を聴取し、当該物件に係る拾得物件控書に記載された内容と照合すること。
 (所持を禁じられた物件を拾得者に引き渡す場合の手続)
第二十一条 警察署長は、令第十条各号に掲げる物に該当する物件を銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)の規定による許可又は登録を受けた権利取得者に引き渡そうとするときは、当該物件に係る許可証又は登録証の提示を受けなければならない。
 (照会書の様式)
第二十二条 警察署長は、法第十二条(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の規定による照会を書面により行うときは、別記様式第十三号の拾得物件関係事項照会書を用いるものとする。
 (費用の請求)
第二十三条 警察署長は、法第二十七条第一項の費用を当該物件の返還を受ける遺失者又は当該物件の引渡しを受ける権利取得者に請求するときは、別記様式第十四号の請求書を交付するものとする。

    第七節 国に帰属した物件の取扱い等
 (国に帰属した物件の取扱い)
第二十四条 警察署長は、法第三十七条第一項第一号の規定により物件の所有権が国に帰属したときは、当該物件を速やかにその所持の取締りに関する事務を所 掌する国の行政機関(内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定す る機関をいう。)又はその地方支分部局の長に引き渡さなければならない。
 (所有権を取得することができない物件の廃棄の方法)
第二十五条 法第三十七条第二項の規定による廃棄は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより行うものとする。
 一 法第三十五条第二号に掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件により個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証することができないようにすること。
 二 法第三十五条第三号から第五号までに掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件に記録された個人の秘 密に属する事項、遺失者若しくはその関係者と認められる個人の住所若しくは連絡先又は個人情報データベース等を構成する個人情報を認識することができない ようにすること。

   第二章 施設占有者の措置等

    第一節 施設占有者の措置
 (施設占有者による物件の提出)
第二十六条 施設占有者は、法第四条第一項又は法第十三条第一項の規定により警察署長に物件を提出するときは、次に掲げる事項を記載した提出書を当該警察署長に提出しなければならない。
 一 物件に関する事項
  イ 物件の種類及び特徴
  ロ 物件の拾得の日時及び場所
  ハ 物件の交付の日時
 二 施設占有者及び拾得者に関する事項
  イ 施設占有者の氏名等及び電話番号その他の連絡先
  ロ 拾得者の氏名等及び電話番号その他の連絡先
  ハ 施設占有者及び拾得者の費用請求権等の有無
  ニ 同意の有無
 (施設占有者による掲示等の期間)
第二十七条 法第十六条第一項の規定による掲示及び同条第二項の規定による書面の備付けは、法第四条第二項の規定により物件の交付を受け、又は自ら物件の 拾得をした日から当該物件の遺失者が判明するまでの間又は当該物件を警察署長に提出するまで(保管物件にあっては、公告の日から三箇月を経過する日まで) の間、行うものとする。

    第二節 特例施設占有者の指定
 (指定)
第二十八条 令第五条第五号の規定による指定(以下単に「指定」という。)は、指定を受けようとする施設占有者の申請に基づき行うものとする。
2 指定を受けようとする施設占有者は、次に掲げる事項を記載した申請書をその施設(移動施設にあっては、その施設占有者の主たる事務所)の所在地を管轄 する都道府県公安委員会(当該所在地が道の区域(道警察本部の所在地を包括する方面の区域を除く。)にある場合にあっては、方面公安委員会。以下「公安委 員会」という。)に提出しなければならない。
 一 氏名等及び法人にあっては、その代表者の氏名
 二 施設の名称及び所在地(移動施設にあっては、その概要及び移動の範囲)
 三 物件の保管の場所
 四 施設における推定による一箇月間の法第四条第二項の規定により交付を受け、又は自ら拾得をする物件の数及びその算出の基礎
3 前項の申請書には、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める書類を添付しなければならない。
 一 申請者が個人である場合
  イ 住民票(本籍が記載されているものに限るものとし、日本国籍を有しない者にあっては、外国人登録証明書)の写し
  ロ 令第五条第五号ロ(1)及び(2)に掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面
  ハ 物件の保管を行うための施設及び人的体制の概要を記載した書面
 二 申請者が法人である場合
  イ 法人の登記事項証明書
  ロ 定款又はこれに代わる書面
  ハ 役員に係る前号イ及びロに掲げる書面
  ニ 前号ハに掲げる書面
4 公安委員会は、指定をしたときは、当該指定を受けた施設占有者(以下「指定特例施設占有者」という。)に係る第二項第一号及び第二号に掲げる事項を公示するものとする。
 (公示事項等の変更)
第二十九条 指定特例施設占有者は、前条第四項の規定による公示に係る事項を変更しようとするときは、あらかじめその旨を公安委員会に届け出なければならない。
2 公安委員会は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公示するものとする。
3 指定特例施設占有者は、前条第三項に掲げる書類の記載事項に変更があったときは、速やかにその旨を公安委員会に届け出なければならない。
 (指定の取消し)
第三十条 公安委員会は、指定特例施設占有者が令第五条第五号に規定する指定の要件に該当しなくなったと認められるときは、その指定を取り消すことができる。
2 公安委員会は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示するものとする。

    第三節 特例施設占有者の措置等
 (保管物件の届出等)
第三十一条 届出は、別記様式第十五号の保管物件届出書を提出することにより行うものとする。
2 警察署長は、法第十八条において準用する法第七条第一項の規定により保管物件の公告をしたときは、当該公告の日付を当該保管物件に係る届出をした特例施設占有者に通知するものとする。
 (売却の届出)
第三十二条 法第二十条第三項の規定による届出は、別記様式第十五号の物件売却届出書を提出することにより行うものとする。
 (処分の届出等)
第三十三条 法第二十一条第二項の規定による届出は、別記様式第十五号の物件処分届出書を提出することにより行うものとする。
2 特例施設占有者は、法第二十一条第一項の規定による処分をするときは、その旨をあらかじめ民法第二百四十条の規定又は法第三十二条第一項の規定により 当該物件の所有権を取得する権利を有する拾得者に通知するものとする。ただし、当該拾得者の所在を知ることができない場合は、この限りでない。
 (保管物件の廃棄の方法)
第三十四条 令第九条第二項の規定による廃棄は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより行うものとする。
 一 法第三十五条第二号に掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件により個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証することができないようにすること。
 二 法第三十五条第三号から第五号までに掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件に記録された個人の秘 密に属する事項、遺失者若しくはその関係者と認められる個人の住所若しくは連絡先又は個人情報データベース等を構成する個人情報を認識することができない ようにすること。
 (遺失者が判明したときの措置等)
第三十五条 特例施設占有者は、保管物件の遺失者が判明したときは、速やかに、当該物件の返還に係る手続を行う場所並びに当該物件に係る法第二十七条第一項の費用及び法第二十八条第一項又は第二項の報労金を支払う義務がある旨を当該遺失者に通知するものとする。
2 特例施設占有者は、保管物件を遺失者に返還するときは、当該物件を返還する旨を当該物件に係る法第二十七条第一項の費用又は法第二十八条第二項の報労 金を請求する権利を有する拾得者に通知するものとする。ただし、当該拾得者の所在を知ることができない場合は、この限りでない。
3 特例施設占有者は、前項の通知をするときは、法第二十二条第二項に規定する同意(以下この項において単に「同意」という。)の有無を確認するものとす る。ただし、前項の拾得者が、あらかじめ同意をする旨を記載した書面を当該特例施設占有者に提出している場合は、この限りでない。
4 特例施設占有者は、保管物件について、民法第二百四十条に規定する期間内に遺失者が判明しない場合において、次の表の上欄に掲げるときは、同表の中欄 に掲げる者に対し、同表の下欄に掲げる事項を通知するものとする。ただし、当該拾得者の所在を知ることができない場合は、この限りでない。

※以下表組み

拾得者が民法第二百四十条の規定により所有権を取得する権利を有するとき。

 拾得者
当該物件の引渡しに係る手続を行う場所及び物件に係る法第二十七条第一項の費用があるときはこれを償還する義務がある旨

拾得者が民法第二百四十条の規定により所有権を取得する権利を有しないとき。

 法第二十七条第一項の費用を請求する権利を有する拾得者
当該物件の所有権を取得してこれを引き取る施設占有者に法第二十七条第一項の費用を請求する権利を有利を有する旨

※以上表組み

5 特例施設占有者は、保管物件の遺失者が判明しない場合において拾得者が所有権を取得することとなるべき期日、当該物件の引渡しに係る手続を行う場所及 び当該物件について法第二十七条第一項の費用があるときは当該費用は当該物件を引き取る者の負担となる旨を記載した書面をあらかじめ拾得者に交付すること により、前項の規定による通知に代えることができる。
 (送付による保管物件の返還及び引渡し)
第三十六条 特例施設占有者は、保管物件の返還に係る手続を行う場所を来訪することが困難であると認められる遺失者から保管物件の返還を求められたとき は、遺失者の申出により、遺失者から保管物件の送付を依頼する旨及び送付の方法を記載した書面を徴した上、当該方法により、保管物件を送付することができ る。
2 前項に規定する場合において、送付に要する費用は、遺失者の負担とする。
3 前二項の規定は、民法第二百四十条の規定又は法第三十二条第一項の規定により保管物件の所有権を取得した拾得者(以下この節において「権利取得者」と いう。)に対する保管物件の引渡しについて準用する。この場合において、これらの規定中「遺失者」とあるのは、「権利取得者」と読み替えるものとする。
 (特例施設占有者による遺失者の確認の方法等)
第三十七条 法第二十二条第一項の規定による確認は、次に掲げる方法その他の適当な方法により行うものとする。
 一 返還を求める者からその氏名等を証するに足りる書面の提示を受けること。
 二 返還を求める者から当該物件の種類及び特徴並びに遺失の日時及び場所を聴取し、法第二十三条に規定する帳簿に記載された内容と照合すること。
2 特例施設占有者は、保管物件を権利取得者に引き渡すときは、次に掲げる方法その他の適当な方法により、引渡しを求める者が当該物件の権利取得者であることを確認し、当該物件を受領した旨を記載した書面と引換えに引き渡さなければならない。
 一 引渡しを求める者からその氏名等を証するに足りる書面及び当該物件に係る法第十四条に規定する書面の提示を受けること。
 二 引渡しを求める者から当該物件の種類及び特徴並びに拾得の日時及び場所を聴取し、法第二十三条に規定する帳簿に記載された内容と照合すること。
 (所有権を取得することができない物件の廃棄の方法)
第三十八条 法第三十七条第三項の規定による廃棄は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより行うものとする。
 一 法第三十五条第二号に掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件により個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証することができないようにすること。
 二 法第三十五条第三号から第五号までに掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件に記録された個人の秘 密に属する事項、遺失者若しくはその関係者と認められる個人の住所若しくは連絡先又は個人情報データベース等を構成する個人情報を認識することができない ようにすること。
 (帳簿)
第三十九条 法第二十三条に規定する帳簿は、記載の日から三年間、保存しなければならない。
2 法第二十三条の国家公安委員会規則で定める事項は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項とする。
 一 届出をした場合
  イ 届出の日
  ロ 届出の提出先の警察署長
  ハ 物件の種類及び特徴
  ニ 物件の拾得の日時及び場所
  ホ 物件が法第四条第二項の規定による交付を受けたものであるときは、当該交付の日時
  ヘ 拾得者の氏名等
 二 保管物件を遺失者に返還した場合
  イ 返還の日
  ロ 遺失者の氏名等及び電話番号その他の連絡先
 三 遺失者が保管物件についてその有する権利を放棄した場合
  イ 権利を放棄した日
  ロ 遺失者の氏名等及び電話番号その他の連絡先
 四 法第四条第二項の規定により交付を受けた保管物件について、拾得者が所有権を取得する権利を放棄した場合 権利を放棄した日
 五 法第四条第二項の規定により交付を受けた保管物件を権利取得者に引き渡した場合
  イ 引渡しの日
  ロ 権利取得者の氏名等及び電話番号その他の連絡先
 六 法第二十条第一項又は第二項の規定による売却をした場合
  イ 売却の日
  ロ 売却の理由、方法及び経過
  ハ 買受人の氏名等及び電話番号その他の連絡先
  ニ 売却による代金の額
  ホ 売却に要した費用の額
 七 法第二十一条第一項の規定による処分をした場合
  イ 処分の日
  ロ 処分の理由及び方法
 八 法第三十七条第一項第二号の規定により保管物件の所有権が自らに帰属した場合 所有権が帰属した日
 九 法第三十七条第三項の規定により保管物件を廃棄した場合
  イ 廃棄の日
  ロ 廃棄の方法

    第三章 雑則
 (施設占有者に対する指導及び助言)
第四十条 警察署長は、施設占有者に、遺失者及び拾得者の権利の保護と利便の向上を図るための措置が確実に行われるよう、必要な指導及び助言を行うものとする。
 (フレキシブルディスクによる手続)
第四十一条 次の各号に掲げる書類の当該各号に定める規定による提出については、当該書類の提出に代えて当該書類に記載すべきこととされている事項を記録したフレキシブルディスク及び別記様式第十六号のフレキシブルディスク提出票を提出することにより行うことができる。
 一 提出書 第二十六条
 二 申請書 第二十八条第二項
 三 物件の保管を行うための施設及び人的体制の概要を記載した書面 第二十八条第三項
 四 定款又はこれに代わる書面第二十八条第三項
 五 保管物件届出書 第三十一条第一項
 六 物件売却届出書 第三十二条
 七 物件処分届出書 第三十三条第一項
2 前項のフレキシブルディスクは、工業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)に基づく日本工業規格(以下この条において単に「日本工業規格」という。)X六二二三に適合する九十ミリメートルフレキシブルディスクカートリッジでなければならない。
3 第一項の規定によるフレキシブルディスクへの記録は、次に掲げる方式に従って行わなければならない。
 一 トラックフォーマットについては、日本工業規格X六二二五に規定する方式
 二 ボリューム及びファイル構成については、日本工業規格X〇六〇五に規定する方式
 三 文字の符号化表現については、日本工業規格X〇二〇八附属書一に規定する方式
4 第一項の規定によるフレキシブルディスクへの記録は、日本工業規格X〇二〇一及びX〇二〇八に規定する図形文字並びに日本工業規格X〇二一一に規定する制御文字のうち「復帰」及び「改行」を用いて行わなければならない。
5 第一項のフレキシブルディスクには、日本工業規格X六二二三に規定するラベル領域に、次に掲げる事項を記載した書面をはり付けなければならない。
 一 提出者の名称
 二 提出年月日
   附則
 (施行期日)
1 この規則は、法の施行の日(平成十九年十二月十日)から施行する。
 (遺失物取扱規則の廃止)
2 遺失物取扱規則(平成元年国家公安委員会規則第四号)は、廃止する。
 (遺失物取扱規則の廃止に伴う経過措置)
3 法の施行の際現に法による改正前の遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)第一条第一項又は第十一条第一項の規定により警察署長に差し出されている物 件及び前項の規定による廃止前の遺失物取扱規則(以下「旧規則」という。)第八条第一項の規定により警察署長が受理している遺失届については、旧規則の規 定は、この規則の施行後も、なおその効力を有する。
 (国家公安委員会の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する規則の一部改正)
4 国家公安委員会の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する規則(平成十七年国家公安委員会規則第七号)の一部を次のように改正する。

※以下表組み

 別表第一中

遺失物法施行令(昭和三十三年政令第百七十二号)
 第十条第二項において読み替えて準用する第二条第二項

遺失物法(平成十八年法律第七十三号)
 第十六条第二項及び二十三条

遺失物法施行令(平成十九年政令第二十一号)
 第八条第二項

 に改める。

 別表第三中

遺失物法施行令
 第十条第二項において読み替えて準用する第二条第二項

遺失物法
 第十六条第二項及び第二十三条

遺失物法施行令
 第八条第二項

に改める。

別表第四を次のように改める。

別表第四

遺失物法
 第十六条第二項及び二十三条

遺失物法施行令
 第八条第二項

※施行規則ではこれ以下に「取得物件控書」、「取得物件預り書」、「取得物件一覧簿」、「特例施設占有者保管物件一覧簿」、「遺失届出書」、「遺失届一覧 簿」、「拾得物件公告」、「保管物件公告」、「物件売却書」、「物件処分書」、「物件送付依頼書」、「受領書」、「拾得物件関係事項照会書」、「請求 書」、「保管物件、物件売却、物件処分届出書」、「フレキシブルディスク提出票」のサンプルを掲載(省略)。

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◎埋蔵金関連法律 詳解その2 旧<遺失物法>


 実に100年ぶりに“遺失物法”が全面改正された(2007年12月10日施行)。成立は2006年6月「平成18年法律第73号」で、2006年6月15日に公布されている。この、新“遺失物法”により、やっと庶民にもとても分かりやすい法律になったといえる。
 で、こちらのページは当WEBサイトが、それまで、旧“遺失物法”の“日本語訳”!? を載せて理解を深めてもらうコーナーとして開設していたもの。未練がましく残してあります。
 明治32年から21世紀のつい最近まで、こんな法律に縛られていたことにご注目。いや、逆に新“遺失物法”といっても中身はほとんど変わらないことに驚くかもしれない。それ程身近ではない法律だったのか? それともあまりに身近故、見直す必要がなかったのか…。

 時間の余裕がある方は楽しんでみてください。


<遺失物法>
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公布:明治32年3月24日法律第87号     施行:明治32年3月16日
改正:大正2年法律第4号         施行:
改正:昭和25年5月30日法律第214号    施行:昭和25年8月29日
改正:昭和26年5月23日法律第157号    施行:昭和26年5月23日
改正:昭和29年6月8日法律第163号     施行:昭和29年7月1日
改正:昭和33年3月10日法律第5号     施行:昭和33年7月1日
改正:平成11年12月22日法律第160号    施行:平成13年1月6日
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第一条 他人ノ遺失シタル物件ヲ拾得シタル者ハ速ニ遺失者又ハ所有者其ノ他物件回復ノ請求権ヲ有スル者ニ其ノ物件ヲ返還シ又ハ警察署長ニ之ヲ差出スヘシ但シ法令ノ規定ニ依リ私ニ所有所持スルコトヲ禁シタル物件ハ返還スルノ限ニアラス
2 物件ヲ警察署長ニ差出シタルトキハ警察署長ハ物件ノ返還ヲ受クヘキ者ニ之ヲ返還スヘシ若シ返還ヲ受クヘキ者ノ氏名又ハ居所ヲ知ルコト能ハサルトキハ政令ノ定ムル所ニ従ヒ公告ヲ為スヘシ
               

『第一条 誰かさんが“なくした”モノを拾った人は、すみやかにそれをなくした人、または所有者、返してもらう権利のある人に返還するか、警察署長に差し出すこと。ただし、法令の規定により、私有が許されないモノに関しては返還しない。
2 警察署長は、差し出された遺失物について返還を受けられる人が判明すれば返還し、判明しなかった時は政令に従って遺失物が差し出されたことを“公告”しなければいけない。』

 ここでの第一のポイントは『遺失シタル物件』で、“遺失”とは「物や金を落としたり、置き忘れたりしてなくすこと」というのが辞書的解釈で、また、法律的には「動産が所有者の意思によらずにその所持から離れること」とある。つまり常識的には落とし物、忘れ物だが、広い解釈で落としたあと地面に埋まってしまった、最初から地面に埋めたが忘れてしまった、埋めた本人が亡くなるなどしてそのままになってしまった、等、“意志”によらなければ全て“遺失物”とされる。
 もう一つのポイントは『差出スヘシ』なのは警察署長宛ということ。現実には警察署への提出で済まされているが、本来は警察署長宛に届ける。まあ、猫ババを警戒したワケではないのだろうが、引っかかる条文だ。また、遺失物に関してはこの<遺失物法>に始まり、<遺失物法施行令>、<遺失物法施行規則>、<遺失物取扱規則>のほか、各都道府県県警ごとに定められている<遺失物取扱規定>によって取り扱われるということ。つまり、同じ遺失物でも届け出た後の取り扱いは県警によっては若干の違いもあり得るわけだ。
 第三のポイントは『私ニ所有所持スルコトヲ禁シタル物件』というところ。ここでの物件とは法で所持を禁止された銃や麻薬など。ただし“犯罪に関係すると思われる物件”の場合は別に第十一条に規定されている。また、埋まっていた物が“文化財”の可能性があるモノの場合だと、これはこれで<文化財保護法>の“埋蔵文化財”として別の扱いになる事もご承知おきを。

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第二条 警察署長ハ其ノ保管ノ物件滅失又ハ毀損ノ虞アルトキ又ハ其ノ保管ニ不相当ノ費用若ハ手数ヲ要スルトキハ政令ノ定ムル方法ニ従ヒ之ヲ売却スルコトヲ得
2 売却ノ費用ハ売却代金ヨリ支弁ス
3 売却費用ヲ控除シタル売却代金ノ残額ハ拾得物ト看做シテ之ヲ保管ス
               

『第二条 警察署長は差し出された遺失物がなくなったり壊れたりする可能性があるモノの場合、またそれを保管するには費用がバカにならないような場合は、売却してしまうことがある。
2 売却するための費用は売却代金から支払う。
3 売却のための費用を引いた残りの売却代金を“拾得物”とみなして保管する。』

 まあ、簡単に言えば生ものとか長期保管に向かないモノは売却して、売却費用を引いた額のお金にして保管する、ってこと。第二条ですでに言い回しが『拾得物』となっている点に注目したい。<遺失物法>自体が“遺失”の事実より“拾得”した後のあれやこれや面を中心に規定している法律だということを良く現しているのでは。<拾得物法>としなかったのは何故だろう?

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第二条ノ二 前条第一項ノ規定ニ依リ売却ニ付スルモ売却スルコト能ハザリシ物件又ハ売却スルコト能ハズト認メラルル物件ハ警察署長ニ於テ之ヲ廃棄スルコトヲ得
               

『第二条の二 第二条によって売却する物件と判断しても売れるようなモノではなかったり、実際に売れなかったりした場合は警察署長権限で廃棄してしまうことができる。』

 遺失した本人にとってはどんなに大切なモノでも、金銭的な価値がなければ廃棄してしまうこともあります、という条文だ。届けられたモノ全てを保管していたらどんなにスペースがあっても足りない。実際にはすぐに廃棄するわけではなく、先ほどの<遺失物取扱規定>に従って取り扱われる。

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第三条 拾得物ノ保管費公告費其ノ他必要ナル費用ハ物件ノ返還ヲ受クル者又ハ物件ノ所有権ヲ取得シ之ヲ引取ル者ノ負担トシ民法第二百九十五条乃至第三百二条ノ規定ヲ適用ス
               

『第三条 拾得物の保管の費用や公告のために使った費用は、返還を受ける人、または所有権を得て引き取る人の負担です。また保管に当たっては<民法>第二百九十五条ないし第三百二条の規定を適用する。』

<民法>第二百九十五条と第三百二条は保管中の物件に関して生じた債権問題、及びそれに派生する留置権に関するアレコレを規定したもの。本題とはあまり関係がないので詳しく知りたい方はご自分で。

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第四条 物件ノ返還ヲ受クル者ハ物件ノ価格百分ノ五ヨリ少カラス二十ヨリ多カラサル報労金ヲ拾得者ニ給スヘシ但シ国庫其ノ他公ノ法人ハ報労金ヲ請求スルコトヲ得ス
2 物件ノ返還ヲ受クル者ハ第十条第二項ノ占有者アル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依ル報労金ノ額ノ二分ノ一宛ヲ拾得者及占有者ニ給スベシ

『第四条 物件の返還を受ける者は、物件の価格の5%~20%の範囲で“報労金”を拾得者に与えなさい。ただし、国庫その他、公の法人は“報労金”を請求することはできない。
2 物件の返還を受ける者は、第十条第二項の占有者がある場合においては前項の規定による“報労金”の額の2分の1を拾得者及び占有者に与えなさい。』

 金額面でまま問題になることのある“報労金”の規定だ。発見の“労”に“報いる”“金”。だからたまたま道でサイフを拾った、というのと埋蔵金を苦心惨憺の上発見した、では“労”の大きさは天と地ほども違うが、あくまで返還を受ける者が“自らの裁量で算出する”規定となっている。また、船やクルマ、施設など一般に供するスペース以外の場所で見つかった場合は“報労金”は規定の1/2を拾得者、占有者に与えるということ。

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第五条 第二条ニ依リ売却シタル物件ニ付テハ売却代金ノ額ヲ以テ物件ノ価格トス

『第五条 第二条により売却した物件については、売却代金の額をもって物件の価格とする。』

 法律を作る時、何で第二条に続けなかっただろうか? それはともかく、内容は条文のとおり。何でこの規定があるかといえば、売却してしまった後に権利者が「あれはもっと高価なモノだ、云々」とトラブルにならないようにという配慮といえる。

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第六条 第三条ノ費用及第四条ノ報労金ハ物件ヲ返還シタル後一箇月ヲ過クルトキハ之ヲ請求スルコトヲ得ス

『第六条 第三条の費用および第四条の“報労金”は物件を返却した後、一ヶ月を経過してしまうと請求の権利をなくす。』

 こちらも読んで字のごとく。“報労金”が欲しいのであれば、返却後一ヶ月以内に意思表示をすること。売却にかかった費用もだ。ちなみに返却は警察署が行うので、連絡が行き違うこともあり得る。自ら「どうなりましたか~」の問合せは必要だろう。

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第七条 拾得者ハ予メ申告シテ拾得物ニ関スル一切ノ権利ヲ抛棄シ第三条ノ費用弁償ノ義務ヲ免ルルコトヲ得

『第七条 拾得者はあらかじめ申告して、拾得物に関する一切の権利を放棄し、第三条の費用弁済の義務を回避することが出来る。』

 拾ったモノが価値のあるモノばかりとは限らない。“報労金”よりも保管費用の方がかかってしまい、それを請求された、などということのないように、拾得者に損害が降りかからないようにこの規定がある。

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第八条 物件ノ返還ヲ受クヘキ者ハ其ノ権利ヲ抛棄シテ第三条ノ費用及第四条ノ報労金弁償ノ義務ヲ免ルルコトヲ得
2 物件ノ返還ヲ受クヘキ各権利者其ノ権利ヲ抛棄シタルトキハ拾得者其ノ物件ノ所有権ヲ取得ス但シ拾得者其ノ取得権ヲ抛棄シ第一項ノ例ニ依ルコトヲ得
3 法令ノ規定ニ依リ私ニ所有所持スルコトヲ禁シタル物件(行政庁ノ許可其ノ他之ニ類スル処分ニ依リ所有所持スルコトヲ認メラルル物件ニシテ政令ヲ以テ定ムルモノヲ除ク)ヲ拾得シタル者ハ所有権ヲ取得スルノ限ニアラス

『第八条 物件の返還を受ける者は、その権利を放棄して第三条の費用、および第四条の報労金支給の義務を回避することが出来る。
2 物件の返還を受けるべき権利者がその権利を放棄した時は、拾得者はその物件の所有権を取得する。ただし、拾得者もその権利を放棄し第一項の例にならうことができる。
3 法令の規定により、所有所持が禁止された物件(行政庁の許可、その他これに類する処分により所有所持することを認められた物件にして、政令を持って定められたモノを除く)を拾得した人は、所有権を取得することは出来ない。』

 こちらは遺失した側の権利の放棄の規定だ。さらに遺失した側が権利を放棄した場合、拾得者も同様権利を放棄出来る取り決め。3のところは第一条と同様、法に反する物件は遺失側が権利を放棄しても拾得者に権利は与えられない、ということ。

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第九条 拾得物其ノ他本法ノ規定ヲ準用スル物件ヲ横領シタルニ依リ処罰セラレタル者及拾得ノ日(次条第二項ノ占有者ニ在リテハ其ノ管守者同項ノ規定ニ依リ 物件ノ交付ヲ受ケタル日以下同ジ)ヨリ七日内ニ第一条第一項又ハ第十一条第一項ノ手続ヲ為ササル者ハ第三条ノ費用及第四条ノ報労金ヲ受クルノ権利並ニ拾得 物ノ所有権ヲ取得スルノ権利ヲ失フ拾得ノ時ヨリ二十四時間内ニ次条第二項ノ規定ニ依リ船車建築物等ノ管守者ニ物件ノ交付ヲ為サザル者亦同ジ
               

『第九条 拾得物、その他の本法の規定を準用する物件を横領したことで処罰された者、および拾得の日(次条第二項の占有者にあってはその管守者、同項の規定により物件の交付を受けた日、以下同様)より七日以内に第一条第一項または第十一条第一項の手続きをしなかった者は、第三条の費用及び第四条の報労金を受ける権利、並びに拾得物の所有権を取得する権利を失う。拾得の時より二十四時間以内に次条第二項の規定により船、クルマ、建築物等の管守者に物件の交付をなさざる者も同様。』

 この条項は特に注意が必要だ。拾得した日から七日以内に警察署長に差し出さなかった場合は、報労金や持ち主が現れなかった時の所有権等の権利をなくしてしまうと規定されている。この条項があるために「遺失物は七日以内に届け出ないといけない」と勘違いされている方が多いが、「七日以内に届け出なかった場合、その後の権利を全て失う」というのが本来の意味。そして忘れてはならないのは「遺失物を発見した時は、すみやかに提出しなければならない」の第一条の記載だ。“すみやかに”なので気をつけてもらいたい。

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第十条 船車建築物其ノ他ノ施設ノ占有者ノ為之ヲ管守スル者其ノ管守スル場所ニ於テ他人ノ物件ヲ拾得シタルトキハ速ニ其ノ物件ヲ占有者ニ差出スベシ此ノ場合ニ於テハ占有者ヲ以テ拾得者ト看做シ本法及民法第二百四十条ノ規定ヲ適用ス
2 管守者アル船車建築物其ノ他本来公衆ノ一般ノ通行ノ用ニ供スルコトヲ目的トセザル構内ニ於テ他人ノ物件ヲ拾得シタル者ハ速ニ其ノ物件ヲ管守者ニ交付シ交付ヲ受ケタル管守者ハ之ヲ其ノ船車建築物等ノ占有者ニ差出スベシ
3 前項ノ場合ニ於テハ船車建築物等ノ占有者第一条第一項又ハ第十一条第一項ノ手続ヲ為スベシ
4 第二項ノ場合ニ於テ拾得者第七条若ハ第八条第二項但書ノ規定ニ依リ拾得物ニ関スル権利ヲ抛棄シ又ハ前条後段ノ規定ニ依リ拾得物ニ関スル権利ヲ失ヒタル トキハ同項ノ占有者ハ第四条第二項ノ規定ニ依ル拾得者ノ報労金ヲ受クルノ権利ヲ除キ拾得者ノ拾得物ニ関スル権利ヲ取得ス但シ占有者第七条又ハ第八条第一項 ノ例ニ依ルコトヲ得

『第十条 船、クルマ、建築物その他の施設の占有者のために管守する者は、その管守する場所において、他人の物件を拾得した時は、速やかにその物件を占有者に差し出すこと。この場合においては占有者をもって拾得者とみなし、本法及び民法第二百四十条の規定を適用する。
2 管守者のいる船、クルマ、建築物その他の本来公衆一般の通行の用に供することを目的としない構内において、他人の物件を拾得した者は、すみやかにその物件を管守者に交付して、交付を受けた管守者はそれをその船、クルマ、建築物等の占有者に差し出すこと。
3 前項の場合においては船、クルマ、建築物等の占有者は第一条第一項または第十一条第一項の手続きをすること。
4 第二項の場合において、拾得者は第七条もしくは第八条第二項の但し書きの規定により、拾得物に関する権利を放棄しまたは前条後段の規定により拾得物に関する権利を失った時は、同項の占有者は第四条第二項の規定による拾得者の報労金を受ける権利を除き、拾得者の拾得物に関する権利を拾得する。ただし、占有者は第七条または第八条第一項の例によることできる。』

 この項はちょっと分かりにくい。要は船やクルマ、建築物の中などで警備員等管理に当たる者がいて、その者が拾った場合と、そういった場所で一般の人が拾得した場合の取り扱いだ。『占有者』の解釈が適切でないかも知れないが、船なら船長、クルマなら運転手か。建物の場合は持ち主なのだろうが、これはあまり現実的でないので管理人か。公共のスペースでの拾得物の扱いとは若干異なる。

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第十条ノ二 前条ニ規定スル船車建築物等ノ占有者ニシテ当該船車建築物等ニ於ケル拾得物ヲ保管スルニ適スト認メラルル政令ヲ以テ指定スル法人前条第一項ノ 規定ニ依リ拾得者ト看做サルル場合又ハ同条第二項ノ規定ニ依リ物件ノ差出ヲ受ケタル場合ニ於テ物件ノ返還ヲ受クベキ者ニ之ヲ返還スルコト能ハザルトキハ政 令ノ定ムル所ニ依リ警察署長ニ届出ヲ為シタル後其ノ物件ヲ保管スべシ但シ法令ノ規定ニ依リ私ニ所有所持スルコトヲ禁ジタル物件ハ之ヲ速ニ警察署長ニ差出ス ベシ
2 前項ニ規定スル法人政令ヲ以テ定ムル要件ニ従ヒ拾得物ニ関スル権利ヲ抛棄シタル物件ニ付テハ前項本文ノ規定ニ拘ラズ之ヲ警察署長ニ差出シ其ノ保管ノ責ヲ免ルルコトヲ得
3 第一項ノ規定ニ依ル届出ハ第九条ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ第一条第一項ノ手続ト看做ス
4 第一項ノ規定ニ依ル届出ヲ受ケタル警察署長ハ第一条第一項ノ例ニ依リ公告ヲ為スベシ
5 第一項ノ規定ニ依リ物件ヲ保管スル法人ハ其ノ物件ノ返還ヲ受クベキ者ニ之ヲ返還スベシ
6 第一項ノ規定ニ依リ物件ヲ保管スル法人ハ政令ノ定ムル所ニ依リ第二条又ハ第二条ノ二ノ規定ニ準ジ拾得物ヲ売却シ又ハ廃棄スルコトヲ得
7 第一項ノ規定ニ依ル届出ヲ受ケタル警察署長ハ其ノ物件ノ保管ノ状況ヲ調査スル為其ノ保管場所(公ノ法人ニシテ政令ヲ以テ定ムルモノノ設置スル保管場所 ヲ除ク)ニ立入リ又ハ所属警察官ヲシテ立入ラシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ正当ナル理由ナクシテ其ノ立入ヲ拒ムコトヲ得ズ
8 前項ノ規定ニ依リ立入ラムトスル警察署長又ハ警察官ハ其ノ身分ヲ証スル証明書ヲ携帯シ関係人ニ之ヲ提示スベシ

『第十条の二 前条の規定する船、クルマ、建築物等の占有者にしてその船、クルマ、建築物等における拾得物を保管するに適すると認められる政令をもって指定する法人は、前条第一項の規定により拾得者とみなされる場合、または同条第二項の規定により物件の差し出しを受けた場合において、物件の返還を受けるべき者にこれを返還することができない場合は、政令の定めるところにより警察署長に届け出をした後、その物件を保管すること。ただし法令の規定により、所有所持を禁止された物件はこれをすみやかに警察署長に差し出すこと。
2 前項に規定する法人は政令をもって定める要件に従い、拾得物に関する権利を放棄した物権については前項本文の規定にこだわらずこれを警察署長に差し出しその保管の責任を免除してもらうことが出来る。
3 第一項の規定による届け出は第九条の規定の適用についてはこれを第一条第一項の手続きとみなす。
4 第一項の規定により届け出を受けた警察署長は第一条第一項の例により公告をすること。
5 第一項の規定により物件を保管する法人はその物件の返還を受けるべき者にこれを返還すること。
6 第一項の規定により物件を保管する法人は政令の定めるところにより第二条または第二条の二の規定に準じて拾得物を売却しまたは廃棄することが出来る。
7 第一項の規定による届け出を受けた警察署長はその物件の保管の状況を調査するため、その保管場所(公の法人にして政令をもって定める者の設置する保管 場所を除く)に立ち入りまたは所属警察官を立ち入らせることができる。その場合において正当な理由なしにその立ち入りを拒むことはできない。
8 前項の規定により立ち入ろうとする警察署長または警察官はその身分を証明する証明書を携帯し関係する人にこれを提示すること。』

 ここも船やクルマ、建築物内での遺失物の取り扱いに関する項目だ。

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第十一条 犯罪者ノ置去リタルモノト認ムル物件ヲ拾得シタル者ハ速ニ其ノ物件ヲ警察署長ニ差出スヘシ
2 前項ノ物件ニ関シテハ法律ノ規定ニ依リ没収スルモノヲ除ク外本法(第十条ノ二ヲ除ク以下本条中同ジ)及民法第二百四十条ノ規定ヲ準用ス但シ犯罪捜査ノ為必要ナルトキハ警察署長ニ於テ公訴権消滅ノ日マデ公告ヲ為サザルコトヲ得
3 第一項ノ物件ニ関シテハ公訴権消滅ノ日マデニ前項本文ニ於テ準用スル本法及民法第二百四十条ノ規定ニ依リ公告ヲ為シタル後既ニ六箇月ヲ経過シアリタル場合ニ限リ公訴権消滅ノ日ニ拾得者ニ於テ所有権ヲ取得ス
               

『第十一条 犯罪者の置き去ったモノと認められる物件を拾得した者は速やかにその物件を警察署長に差し出すこと。
2 前項の物件に関しては法律の規定により没収するモノを除くほか、本法(第十条の二を除く以下の本条中同じ)および民法第二百四十条の規定を準用する。ただし犯罪捜査のため、必要な時は警察署長において公訴権の消滅の日まで公告をしなくてもかまわない。
3 第一項の物件に関しては公訴権の消滅の日までに前項本文において準用する本法および民法第二百四十条の規定により公告をした後、二六ヵ月を経過した場合に限り、公訴権の消滅の日に拾得者においては所有権を取得する。』

 普通の遺失物か、それとも犯罪に絡んだ放置物か、一般人には判断が難しいと思うが、とにかく遺失物を発見した時は“すみやかに”警察署長に差し出せば問題なし。

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第十二条 誤テ占有シタル物件他人ノ置去リタル物件又ハ逸走ノ家畜ニ関シテハ本法及民法第二百四十条ノ規定ヲ準用ス但シ誤テ占有シタル物件ニ関シテハ第三条ノ費用及第四条ノ報労金ヲ請求スルコトヲ得ス

『第十二条 誤って占有した物件、他人の置き去った物件、または逃げ出した家畜に関しては本法および民法第二百四十条の規定を準用する。ただし誤って占有した物件に関しては、第三条の費用および第四条の報労金を請求することは出来ない。』

『誤って占有』の表現は判断が難しい。ここら辺が法律屋さんたちだけの解釈にならざるをえないところ。“自分の鞄と間違えて人の鞄を持ってきてしまった”とかの場合だろうか。横領と紙一重。本題と離れるので興味のある方はご自分で研究してください。

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第十三条 埋蔵物ニ関シテハ第十条及第十条ノ二ヲ除クノ外本法ノ規定ヲ準用ス

『第十三条 埋蔵物に関しては第十条及び第十条の二を除くほか本法の規定を準用する。』

 埋蔵物に関しては“占有者”、“管守者”がかかわることなく、警察署長扱いになるということ。取り扱いに関しては<遺失物法>本体よりも、<遺失物法施 行令>、<遺失物法施行規則>、<遺失物取扱規則>、そして各都道府県県警ごとに定められている<遺失物取扱規定>によるところが大。

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第十四条 本法及民法第二百四十条第二百四十一条ノ規定ニ依リ物件ノ所有権ヲ取得シタル者取得ノ日ヨリ二箇月内ニ物件ヲ警察署長又ハ第十条ノ二第一項ノ規定ニ依リ物件ヲ保管スル法人ヨリ引取ラサルトキハ所有権ヲ喪失ス

『第十四条 本法および民法第二百四十条、第二百四十一条の規定により物件の所有権を取得した者は、取得の日より二ヶ月以内に物件を警察署長または第十条の二第一項の規定により物件を保管する法人より引き取らない時は所有権を失う。』

 ここら辺も「あなたに所有権が移りましたよ」などと親切に連絡があるわけではないので、自分から確認が必要だろう。

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第十五条 左ノ各号ニ掲グル物件ニシテ交付ヲ受クル者ナキトキハ其ノ所有権ハ夫々当該各号ニ掲グル者ニ帰属ス但シ第八条第三項ニ掲グル物件ニ付テハ其ノ所有権ハ国ニ帰属ス
 一 警察署長ノ保管スルモノ 当該警察署ノ属スル都道府県
 二 第十条ノ二第一項ニ規定スル法人ノ保管スルモノ(第七条第八条第二項但書第九条又ハ第十条第四項但書ノ規定ニ依リ拾得物ニ関スル権利ヲ抛棄シ又ハ失ヒタルモノヲ除ク) 当該法人
 三 第十条ノ二第一項ニ規定スル法人ノ保管スル物件ニシテ第七条第八条第二項但書第九条又ハ第十条第四項但書ノ規定ニ依リ拾得物ニ関スル権利ヲ放棄シ又ハ失ヒタルモノ 当該物件ノ保管場所ノ所在スル都道府県

『第十五条 左の各号に掲げる物件にして交付を受ける者がない時は、所有権はそれぞれあたる各号に掲げる者に帰属する。ただし第八条第三項に掲げる物件についてはその所有権は国に帰属する。
 一 警察署長の保管するモノ それにあたる警察署の属する都道府県。
 二 第十条の二第一項に規定する法人の保管するモノ(第七条、第八条第二項但し書き、第九条または第十条第四項但し書きの規定により拾得物に関する権利を放棄し、または失ったモノを除く) それにあたる物件の保管場所が所在する都道府県。
 三 第十条の二第一項に規定する法人の保管する物件にして第七条、第八条第二項但し書き、第九条、または第十条第四項但し書きの規定により拾得物に関する権利を放棄しまたは失ったモノ それにあたる物件の保管場所が所在する都道府県。』

 遺失者、拾得者ともに権利を放棄するなどして引き取り手のなくなった物件の帰属は全て取り扱った都道府県に移るということ。

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第十六条 本法ニ特別ノ定アルモノヲ除ク外本法ノ施行ニ関スル細目ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム

『第十六条 本法に特別の定めがあるモノを除くほか、本法の施行に関する細目は命令をもってこれを定める。』

 具体的な取り扱いは<遺失物法施行令>、<遺失物法施行規則>、<遺失物取扱規則>、そして各都道府県県警ごとに定められている<遺失物取扱規定>によるということ。

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   附 則

第十七条 明治九年第五十六号布告遺失物取扱規則ハ本法施行ノ日ヨリ廃止ス

   附 則 [平成11年12月22日法律第160号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

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 以上、ざっと<遺失物法>を見てきました。法律の専門家ではないので解釈に誤りのある部分もあろうかと思います。できれば法律の専門家の方から訂正、ご指導いただければ幸いです。
 ただ、法律というものは皆様もよくご存じの通り、裁判官、検事、弁護士それぞれが、それぞれの立場で“解釈”していますから、ある意味“目安書”でしかないのではないでしょうか。それが証拠には、地裁、高裁、最高裁とそれぞれ審議するたびに全てに判断が異なるなんて事態もままあるのですから。しかも担当した人間が違えば判断がころっと変わることも。
 時間が取れましたら引き続き、<遺失物法施行令>、<遺失物法施行規則>、<遺失物取扱規則>、<遺失物取扱規定>へと掘り下げていきたいと思っております……。

--2007年12月10日、新“遺失物法”が施行されました。したがってこちらの“遺失物法”はすでに「かつて」の法律であることをお断りしておきます。

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◎埋蔵金雑学


知っていると役に立つ………こともある!?
埋蔵金に関わるあの話、この話。


◇◇◇実際に発掘された日本最大の埋蔵金◇◇◇
 日本国内で正式に記録に残る埋蔵金発見例の中で最大といわれるのは、1963年8月24日、東京都中央区新川1丁目で発見された小判1,900枚、二朱金78,389枚だろう。

 日清製油の本社ビル増築工事中に、工事を請け負っていた大成建設作業員、山崎紀久男さんが、地中1.5メートルから出てきた煉瓦敷きの下から、天保二朱金22,464枚がびっしりつまった直径13センチ、高さ25センチのガラス瓶3本を発見したのが始まりだった。

 そして、さらに9月3日、大成建設の下請けである樋口組作業員、下川原勇二さんがさらに5本のガラス瓶を発見。今度は二朱金だけでなく天保小判1,900枚も入っていた。二朱金は55,925枚で、合計で二朱金は78,389枚に。

 当時、天保小判が一枚9,000円、二朱金が550円で合計6,000万円ちょっとの計算だ。今日では建て売りの一軒の値段でしかないが、当時と今では貨幣価値の桁が違うので、現在の価値に直すと6億円位といわれる。

 ちなみにこの埋蔵金、持ち主というか、埋蔵主が判明したことが記録に残っている。それによれば当地では江戸時代中期から終戦の年まで酒問屋「鹿島屋」が存在し、代々の当主によって蓄財された財宝だったことが証明されたのだ。そして所有権者として鹿島屋十代目、鹿島登善さん(当時58歳)に、この財宝が引き渡され、発見者には報労金が現物支給されたという。

◇◇◇我が国の産金の歴史◇◇◇
 良く言われるのでご存知かと思うが、地球上でこれまで掘り出された金を全部集めても50メートルプール二杯分にしかならないのだそうだ。(金の科学コーナー参照)

 で、我が国が自前の金を持つようになったのは、正式には749年(天平勝宝元年)陸奥国遠田郡涌谷村で砂金が発見されたのが始まりとされている。もちろん古墳時代から金を使った装飾品は発見されているが、あくまで 「続日本紀」に記された我が国初の産金の記録で、金そのものを利用するために採掘した始まりということだろう。そして、さらにその砂金の元をたどることで鉱山からの産金が始まっている。また、同時に鉱山技術も大陸から渡来し、「灰吹法」、「アマルガム法」と精練技術の発達とともに産金量も加速度的に増加したことが記録されている。

 ちなみに「灰吹法」とは、室町時代から我が国でも行われてた冶金法のひとつで、金銀を含む鉛鉱石を溶かし、動物の骨灰を塗り込めた坩堝に入れさらに炉内で熱すると鉛だけが骨灰に溶け込み、金銀のみ残るという 特性を利用したもので、骨灰を使った坩堝を作る手間を除けば比較的手軽に金銀を取り出せることで飛躍的に産金量は高まった。

 また、「アマルガム法」というのは、水銀が簡単に金銀と結びつくことを利用したもので、細かく砕いた鉱石に水銀を混ぜると、鉱石中の金銀が水銀に反応して合金となり溶け出し、この金銀を含む水銀を取り出し熱すれば水銀が蒸発し、あとには金銀のみが残るというさらに簡単な精練方法だった。

 ただ、現在では水銀蒸気が人体に及ぼす危険性が判明し、国内ではすでにこのアマルガム法は行われていない。(アマゾンなどで大きな問題となっている)

◇◇◇我が国初の金貨◇◇◇
 自前の金を持つようになると、次は金貨の製造だ。中国や朝鮮から輸入していた貨幣を国内で製造しようというのだ。その金貨第一号と呼ばれる「開基勝宝」は寛政6年(1794年)奈良の西大寺西塔跡から発見された。天平宝字4年(760年)に銅銭、銀銭とともに鋳造されたとされたのだが、ながく裏付けとなる傍証が得られなかった。

 というのも発見されたのはわずか1枚でしかなかったからで、実際に通用されていたかが論議の的となって いた。ただそれも昭和12年(1937年)さらに31枚が一度に発見されたことで、はれて国産金貨第一号と認知されることとなった。

◇◇◇我が国の産金量は八畳の部屋一杯分?◇◇◇
 華美を競った貴族文化の時代になって金の使用量はうなぎ上りとなっていったが、その裏では産金競争が激化していったわけで、まさに幻の「黄金国ジパング」の始まりだった。それでは、我が国現在までに産出した黄金の量はどのくらいなのだろう。実際に統計として記録が残っている明治以降が1200トン(通産省の統計などによる)、公式な記録の無い明治以前は各種の記録からの推測となるが、江戸時代でだいだい100トン、それ以前が200トンの合計1500トン。これがまあ妥当な線と計算されている。

 全世界の比率でいうとわずか1.8%程度。どこが「黄金の国」なのか!ま、それはともかくこちらも分かりやすく換算すると、八畳敷きの部屋1杯分という計算になるのだ。プール2杯より意外だが、これが現実だ。

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『闇に消えた日本の黄金ミステリー 発掘!埋蔵金伝説99』

<ジェイビー編著/コスミック出版/定価500円/2010年2月22日発行/ISBN978-4-7747-5327-0>

Hakkutu_maizokindensetsu99_s  一時あれほど騒がれまっくった“霞ヶ関の埋蔵金”。このところ耳にすることがまれになってきました。なんだか本物の埋蔵金騒ぎと同様で、いつの間にか人の口にも上らなくなってしまうのでしょう。あるあると大騒ぎしながら、いざ実際に掘り出す段になったら、実は取らぬ狸の皮算用、出てきたのは“欲の皮”ば かりでした、てなところでしょうか。
 だいたい1千兆円もの借金を営々と積み上げてきてしまった某元政権政党と行政府がそんなに簡単に“発掘”できるように隠蔽するわけないじゃないですか。まずは“埋めた側”の行動を徹底的に調査しなければ、闇雲に穴掘ったって埋蔵金が出てくるわけじゃなし…。
 それにしても“埋蔵金”などと名付けたのは誰だか知りませんが、絶妙なたとえでしたね。もともとは国民の血税、埋蔵金だなどと勝手な呼び方しやがって、と当初は思っていたのですが、今になってみれば…感心しました。名付け親さん。
 話が横道にそれましたが、本物の埋蔵金の世界では未だに“埋蔵金”のブームが続いているようです。それも従来のように埋蔵金研究者による成果発表型の書籍ばかりではなく、いわゆる“入門書”も数多く発行されているのが特徴でしょうか。ネットでちょっと検索をかけていただければお分かりの通り、バイブルと も言える畠山清行氏の書籍がなんと数千から数万円もの値段が付けられている現状ですが、本を読むだけで埋蔵金が出るなら苦労は無し。ちょっと異常な値上がりなのではないでしょうか。それはともかく、前回紹介した『廣済堂文庫 全国「隠し財宝」完全マップ』もそうですが、今回発行された『闇に消えた日本の黄金ミステリー 発掘!埋蔵金伝説99』もとりあえず値段が手頃なのがいいです。知の情報は国民すべての財産、ただで、とはいいませんが、それでぼろ儲けしようなどというのは日本人にはなじみませんね。
 そういえば最近、某有名番組で「応仁の乱」の時期の古文書に800万円とかの値段が付けられておりました。広く一般に古文書の大切さをアピールするには良い機会だったとは思いますが、それはあくまで“歴史的な価値”であって、本来は国民すべてが共有できるようにするべき知の財産なのではないでしょうか。
 またまた脱線。この『闇に消えた日本の黄金ミステリー 発掘!埋蔵金伝説99』は、これまで多くの埋蔵金研究者が調べ上げてきた成果の概要を一冊にまと めあげた入門書としては手頃で、その割に内容もしっかりしている一冊ではないでしょうか。当WEBサイトの情報も参考にしていただいたみたいです。埋蔵金に興味を持たれた方、そして歴史ブームでちょっと人とは違う歴史の楽しみ方をしたい方にお薦めです。

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2010年9月25日 (土)

『廣済堂文庫 全国「隠し財宝」完全マップ』

<造事務所編著/廣済堂あかつき/税別648円/2009年4月30日第1版第1刷発行/ISBN978-4-331-65451-4>

Zenkokukakushizaiho_s  仙台にお住まいの方から「宮城県には埋蔵金伝説が少ないようですが…仙台藩の埋蔵金伝説は無いのでしょうか?」というメールをいただいた。確かに当ウェブサイトの“全国の埋蔵金”の情報コーナーでも、また手持ちの資料をざっと調べた中にも仙台藩の埋蔵金の情報が無い。
 それでちょっと気になったのでさらにあれこれ調べてみたが、関ヶ原の闘い以降、いわゆる“勝ち組”には埋蔵金の伝説がほとんど残されていないことを改めて確認した。やはり埋蔵金として遺されるには“落城”であったり“敗走”であったり、と退っ引きならない事情がなければ成立しなかったということだ。“当 たり前田のクラッカー”ですな。
 だた「埋蔵」という行為自体は資産保全のために日常茶飯で行われていたわけで、何らかの事情でそれを活用する機会を逸失してしまう事態にならない限り、その後取り出されて活用されてしまった、ということだろう。廃藩置県で各藩の資産がどうなったのかも調べてみたいテーマですが、そこまで手が回らない…。
 書籍紹介からどんどんかけ離れてしまいましたが、「宮城県で…」のフレーズつながりで、ここで紹介するのは、現在の一都一道二府四十三県ごとに埋蔵金情報を各県1件ごとに掲載するユニークな一冊だ。東京都だけは2件取りあげているので全国48ヵ所の埋蔵金スポットを掲載している。ちなみにこちらの書籍でも宮城県ページは仙台藩がらみの埋蔵金ではなく「炭焼き籐太の埋蔵金」が紹介されている。また、メインの埋蔵金情報は全都道府県ごとに1件だが、カコミで さらに数点のミニ情報をプラスしている。そのコーナーの宮城県の部分も当WEBサイトと同じ情報が3件掲載されておりますな。参考にしていただいたようでなによりです。
 というわけで、文庫サイズと税別648円という手軽なお値段、そして歴史的な背景、人物紹介なども盛り込んでますので「埋蔵金ってブームだし、ちょっと 気になるよね」という方、手に取ってみてはいかがでしょうか。ただし当ウェブサイトの常連さんには“周知の事実”ばかりだと思いますので特にお勧めはしません。悪しからず。

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2010年9月23日 (木)

『謎解き紀行 徳川埋蔵金 下 「会津の地に眠る一千万両発見」』

<山中廣稔著/随想舎/本体1800円+税/2009年10月25日第1刷発行/ISBN978-4-88748-166-4>

Nazotokikikou_2_s  皆様も子供のころからおなじみのはずの「かごめの歌」に、なんと徳川埋蔵金の秘密が隠されていた! という独自の説を展開したユニークな埋蔵金研究著書 『謎解き紀行 徳川埋蔵金 かごめの歌に隠された秘密』の下巻がこのほど発行された。(上巻の情報もこのページ下の方にあります)
 副題につけられた「会津の地に眠る一千万両発見」からも分かるとおり、いよいよ具体的な埋蔵場所の謎解きが展開される下巻ですが、独自の山中ワールドは今回もとどまるところを知らず。興味深い“研究”の数々が紹介されていますが、その中でも上巻の「かごめの歌」同様にキーワードとなっているのが「会津磐 梯山の歌」と「小原庄助さんの歌」なのだという。
 ちなみに謎解きの紀行は「岡崎城と徳川家康の謎」に始まり、「駿府城に秘められた謎」「久能山東照宮に込められた謎」「川越喜多院に秘められた謎」「江戸城に秘められた謎」「北斗第六星・水戸城の謎」「日光東照宮の謎」「天海上人の眠る慈眼堂の謎」「家光公の眠る大猷院の謎」「北斗の道第八、会津の謎」 と続き、著者の謎解きを追いかけるだけでも充分に楽しめる内容かもしれない。
 もちろん、謎解きに賛同するも良し、逆に自分なりの解釈で検証するも良し。それは「今後、読者の中から新たな謎解きに挑む方が現れ、これからの物語の解釈を次の段階に発展させてくれるであろうことを心から願っています」と言う著者の山中さんの本望でもあるはず。
 ご一読を。

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『図解 世界の財宝ミステリー』

<世界博学倶楽部著/PHP研究所/本体952円/2009年1月30日第1版第1刷発行/ISBN978-4-569-70546-0>

Sekaino_zaiho_s  副題が『徳川埋蔵金からソロモン王の聖櫃まで』とあるように、日本国内の有名な埋蔵金どころもカバーして、世界中の埋もれた財宝ポイントの数々を、分かり易い図版、地図、写真等を駆使して解説したいわゆる“入門書”。
 判型もB5サイズ(週刊誌のサイズ)と大きめなので、視覚的にも楽しめる。といってもやはりこの手の書籍は内容が命。一項目で見開き2~4ページと情報量がちょっと少ないのは惜しいが、内容自体はよく分かるように解説されているので、世界中の埋もれた財宝の概要をてっとり早く知りたい、という方には狙い通りの一冊と言っていいだろう。
 ちなみに徳川埋蔵金の項目では、本邦の第一人者であり日本トレージャーハンティングクラブの八重野充弘さんが登場して、従来の一般的な視点とはまた違ったポイントをあげているのが興味深い。
 埋蔵金関連の著作を数々出している八重野さんには、次回はその徳川埋蔵金の“新研究”を題材にした一冊をお願いします。と、話が脱線してしまったが、このように情報量自体は多くはないかもしれないが、要点は充分に詰まっているので、世界もテリトリーだよという方はぜひとも蔵書に加えてみてはいかがでしょ うか。
 ちなみに掲載しているポイントの一部をあげておくと、国内では徳川埋蔵金、秀吉の多田銀山、結城家の財宝、武田の黒川銀山、キャプテンキッドの宝、沈船ナヒモフ号。海外ではロマノフ王朝の宝、チンギスハンの墓、山下財宝、沈船南海1号、ナポレオンの戦利品、キリストの聖杯、テンプル騎士団の財宝、沈船ア トーチャ号、潜水艦イ52号の積荷、インカの財宝などなど、全部で39ヵ所を取り上げている。

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『埋蔵金伝説を歩く ボクはトレジャーハンター』

<八重野充弘著/角川地球人BOOKS/本体1500円/2007年11月30日初版発行/ISBN978-4-04-621305-1>

Densetuwoaruku_s  畠山清行氏亡き今、埋蔵金探索者を代表する“顔”と言える存在となった八重野充弘さん。我が国唯一といえる、同好の士が集まる“日本トレジャーハンティングクラブ”の代表として、はたまた数多くの埋蔵金関連書籍の著者として、さまざまなところで活躍されている。
 で、その八重野さんが埋蔵金探索の虜になったいきさつや、かつて畠山氏の助手として実際に埋蔵金探索を行った“現場体験”、そして自らチームを率いて探索に当たった天草四郎の秘宝探索プロジェクトの“顛末報告”などを、一人の埋蔵金探索者として淡々と書き記すというユニークな書籍が発行された。
 埋蔵金関連書籍といえば、時代考証などから入って一見客観的に構成されているようでいて、なんのことはない、いかに“埋蔵金の秘密を解いた”か、いかに “謎を推理した”か等々、実は自説を展開するだけの著作が多かったのだが、本書が貴重なのはまさに探索の現場に一緒にいるかのような臨場感を持って読み進められる、というスタイルをとったところだろう。そこにこれまで多く発行された埋蔵金関連書籍とは違う面白さがある。
 ちなみに“天草四郎の秘宝”の項は八重野さんがかつて『産報デラックス 99の謎 歴史シリーズ』などで詳細に報告していたものとあわせて見るとさらに興味深かったり、はたまた、“永井宿の埋蔵金”の項では、畠山氏の『新・日本の埋蔵金』(畠山清行著/番町書房)も読んだ方なら、二人の探索者の目線の違いになどにも引きこまれることだろう。
 いずれにせよ、埋蔵金探索の実際の現場を“当事者”のことばで詳しく知る機会がもてたことは、とてもありがたいといえる。もしもこれから埋蔵金探索を始めてみたい、とお考えの方がいたとしたら是非とも本書を読むことをお勧めしたい。ただただ“埋蔵金ガイド”的な書物を読んだだけで、闇雲に探索に出かける ことの無意味さがよく分かっていただけると思う。

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『謎解き紀行 徳川埋蔵金 上 かごめの歌に隠された秘密』

<山中廣稔著/随想舎/税別1500円/2007年10月25日第1刷発行/ISBN:978-4-88748-165-7>

Nazotokikikou_s  ちょっと一風変わった埋蔵金関連書籍をご紹介。それは、誰もが子供の頃になにげなく教わって、連綿と歌い継いで来た「かごめの歌」に、なんと徳川埋蔵金の秘密が隠されている、という“新説”を展開する『謎解き紀行 徳川埋蔵金 かごめの歌に隠された秘密』だ。
「かごめの歌」だけではなく、もう一つ、「きんざぶろうの歌」というのもあって、ともにあの徳川三代将軍家光が作ったのだという。この事自体は多くの歴史研究家も認めはじめており、定説となりつつあるらしい。ただし「きんざぶろうの歌」といわれてもご存じない方がほとんどだろうと思う。それもそのはず、歌の中身は秘密を解く上で大変重要なのだが名称の方は不詳で、とりあえず著者が便宜的につけた、とのこと。さらに驚くのはもうひとつ、第三の歌まであって、その三つがセットで埋蔵金の秘密の全貌が解き明かせる、というのだ。
 多かれ少なかれ、埋蔵金関連書籍というものは著者の“主観”が入ってしまうのは仕方のないことだが、ここまでストレートに独自の解釈を展開した書籍は珍 しいと言える。しかし、ただ勝手に理由づけているのではなく、多くの関連情報を紹介した上で持論を展開しているので、その事跡の部分だけでもこれから徳川 関連の埋蔵金の探索をはじめようという方には格好の入門書といえないこともない(ただし世に言う“徳川埋蔵金”は幕末の話なので、そこら辺は混同されないように、蛇足ながら)。
 本書の副題にある“謎解き紀行”の“紀行”の意味は、北は日光から、西は京都まで広がるという“北斗”の秘密を追ってひとつひとつを検証した著者の探索 行からだが、この書を読んだ方が自らもそのひとつずつ追いながら、著者の解析に賛同するもよし、はたまた“アラ”を探すもよし、いずれにせよ自分の目で確かめに出かけてみたくなる書だ。
               
               

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『ほんとうにあった怖い話コミックス 怪奇心霊語り 埋蔵金発掘の怪奇編』

<加門七海、JET著/朝日新聞社/税別390円/2007年10月1日新版第1刷発行/ISBN:978-4-02-275201-7>

Kaikisinreigatari_s  風水的な見地から武田の埋蔵金を研究した著作『黄金結界 ~甲州埋蔵金の謎を解く~』(河出書房新社/税別1700円/1999年12月2日初版発行) でおなじみの加門七海さんがコミックスを出していた。人気(らしい)コミックシリーズの“ほんとうにあった怖い話コミックス”掲載の話を一冊にまとめたも ので、“幻想怪奇小説家”(コミックスの帯書きより)の加門さんが実体験を語り、それを漫画家のJETさんが絵にするというスタイルのコミックスなのだ。
 ちなみに四話が収録されており、その第一話(第一夜)が埋蔵金関連のストーリー。「加門先生にテレビ番組制作会社から埋蔵金探し協力の依頼が……。しか し、待っていたのは埋蔵金にまつわる数々の怪奇現象だった」(コミックスの帯書きより)とまあ、内容はよくありそうなストーリーで単純にコミックスとして 息抜きをしていただければいいと思うが、『黄金結界』ではほとんど表面に出てきてなかった加門さんの人となりが良く分かるのが収穫か。
 ま、カタイ話は抜きにして、たまには探索で張りつめた頭を休めてはいかがでしょうか。

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『日本の埋蔵金1 キッドの宝』

<畠山清行著/たんさく/税込840円/2007年1月24日第1刷/ISBN-978-4-903288-02-4>

Kidnotakara_s  我が国の埋蔵金研究の第一人者だった、故畠山清行氏の代表的な著作といえる「日本の埋蔵金」。ネットオークションの影響か、このところの古書高騰でこの本もなかなか手に入らない貴重な書籍となってしまっている。ごくたまにネットなどで見かけるが、結構な値段で取引されていてちょっと手が出ないというのが現状ではないだろうか。
 ちなみに1995年(平成7年)に、中央公論社から中公文庫の1冊としてダイジェスト版として復刻したのだが、それすらなかなか手に入らなくなってきている。
 で、このほど合資会社“たんさく”というところが、この「日本の埋蔵金」の中から“キッドの宝”と“黒部渓谷佐々成政の秘宝”の2編をまとめて1冊にした書籍を発行した。オリジナルの「日本の埋蔵金」では下巻で取り上げられていた『キャプテン・キッドと宝島』と『黒部渓谷の秘宝』の2編のほぼ完全な復刻 版だ(本文中には“一部変更あり”の注意書きが入っている)。2編ではちょっと物足りなくもないが、値段が値段だけに贅沢は言ってられないか…。
 また、“「日本の埋蔵金」はすでに持っているから関係ない”という人にもちょっと注目して欲しいのは、“キッドの宝”編では、1939年(昭和14年) に畠山清行氏が“秋鹿 英”の ペンネームで紫文閣から発行した幻の著作“埋蔵金物語”からも同じように「キャプテン・キッドの宝」編を収録していることだ。「日本の埋蔵金」の『キャプテン・キッドと宝島』との違いに興味が湧くはず。
 まそれはともかく、タイトルに“日本の埋蔵金1”とあるので、今後続編として“2”、“3”…と続いて復刻されることを期待したい。

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『世界ミステリー 謎をひも解く ありかを明かす! 財宝地図』

<黄金伝説研究会・編/竹書房/税込500円/2006年11月7日初版発売/ISBN4-8124-2902-C0076>

 その名もズバリ“財宝地図”を名乗った埋蔵金関連書籍が発行されました。ただし、国内の埋蔵金に関する情報は巻末に、結城、徳川、秀吉の三大埋蔵金や武田氏に関連したものが若干載っている程度ですので、国内をテリトリーとされている方はあわてて注文してしまわないようにご注意を。また、海外でも中心となっているのは“沈没船”の財宝情報で、ほぼ前半スペースの全てがさかれていて、いっそのこと“沈没船の財宝”を書名にした方がピッタリだったのではない でしょうか。
 まあ、それでも後半は、ナチスの隠し財宝やインカ帝国の消えた黄金、モンゴルに眠るチンギス・ハーンの黄金、などなど、世界中の有名な黄金伝説は全て網羅しました! という感じで“超入門書”としては概要が一冊でつかめてしまうので、便利といえば便利な書籍なのは確かでしょう。
 とはいっても、ちょっと気になってしまうのは“財宝地図”の書名ですね。さすがにそれはちょっとオーバーなのでは。沈没船の位置情報が詳しいのは、事故当時の資料などが保険会社にちゃんと残っているからで、それ故、沈没船からの財宝引き揚げに関しては海外では“事業”として成り立っているくらい。それに対して、いわゆる“○○王の財宝”のたぐいの後半は、それこそ“ロマノフ王朝の金塊”のページで使われているのはただのロシア全土の地図! みたいな扱いになってしまうのは仕方ないことでしょうね。
 ストレートに“世界の沈没船地図”と“世界の財宝話一覧”とお考え下さい。

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『埋蔵金・邪馬台国の謎解きに挑戦 ミステリーハンティング』

<橘高 章著/歴研(歴史研究会)/税込840円/2004年10月28日第1刷/ISBN4-947769-42-4>

Maizoyamatai_s_2  本Webサイトは1995年にオープンさせました。以来何度かスタイルを変え、内容を充実させてきましたが(そこら辺の経緯は「TJR 案内」の項で)、この書籍の著者である橘高さんも、確か1996年だったか、まだ“埋蔵金”のキーワードで検索をかけても2~3のサイトしか引っかからないという、インターネットがやっと一般に普及しはじめた頃からWebサイトをオープンされていました。
 で、本題のこの書籍ですが、歴史研究会という同好の士の集まりも運営する合資会社歴研というところから発行された、埋蔵金関連書籍では珍しい“ナビ本” です。埋蔵金探しを始めたばかりという方にも分かりやすく、というスタイルをとってはいますが、よくある“埋蔵金ガイド”ではありませんのでご注意を。これまでは資料の上であれこれ探索してきたが、そろそろ“現場”にも行ってみたい、というレベルのトレジャー・ハンターの方々のリクエストにこそピッタリな書籍でしょう。なかなか表に出る機会の少ない“秘蔵図面”や資料をもとに橘高さんが謎解き、解明、解説してくれるこの書を手に“現場”に出てみてはいかがでしょうか。
 対象としているのは、(1)武田、(2)徳川、(3)豊臣、のおなじみの埋蔵金の前半部分、(4)クフ王の埋宝、(5)古事記、(6)邪馬台国と後半は橘高さんオリジナルの歴史の謎解きが展開される“読み物”的な部分で構成されています。こちらは歴史の“通説”というものに飽き足らない思いをしている方 は要注目かもしれません(ただし全50ページというページ数にこれだけの内容を詰め込んでいますのでかなり“飛ばし気味”なのは致し方ないかも…)。
 それでは、本書を手に“現場”へ!といいたいところですが、橘高さんも書いております。ほとんどのポイントは山中や渓谷など、大自然のただ中です。都会人が思いもつかないような多くの危険が待ちかまえていることを肝に銘じて、また、あくまで自己責任の上で慎重な行動をお願いします。特に「闇雲に穴を掘る ことだけは絶対に避けていただきたい!」というのがこの世界の“先達”に共通する思いです。安全に楽しく、そして“知的”に楽しみましょう。

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『蒼海の財宝 TREASURE OF THE DEEP』

<H.エドワーズ著/井谷善恵編訳/東洋出版/税別1500円/2003年7月30日第1刷発行/ISBN4-8096-7446-0>

 1985年にマレー半島の先端から南シナ海に広がるリアウ諸島付近で、1752年に難破したオランダ商船、ヘルダーマンセン号を引き上げ、約16万点の 陶器類と126点の金の延べ棒を回収。1999年にはインドネシアのスマトラ島とジャワ島の間のスンダ海で沈没したテクシン号(大型中国船)を発見。なん と約35万点にも及ぶ中国製磁器を引き上げて世界をアッと言わせた、沈船トレジャーハンターとして世界的に有名なキャプテン・マイケル・ハッチャー氏。そのハッチャー氏の活動の記録といえるのがこの『蒼海の財宝』だ。
 イギリスで生まれ、決して恵まれた環境とはいえなかった少年期、オーストラリアへと渡った頃のエピソードからキッチリおさえた本書は、ハッチャー氏が何故沈船トレジャーハンターへと向かうことになるのか、著者のH.エドワーズの“筆力”により一気に読んでしまえる物語に仕立てあげられている。
 沈船トレジャーハンターと呼ばれる人たちの実態も良く分かる。海底の財宝にも興味を持っている方には是非ともお薦めの一冊。
 後ろで紹介する『幕末の深い眠りから覚めるか幕府の埋蔵金』と発売時期が前後してしまったが、ハッチャー氏の来日を機会にあらためて紹介することにした。

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『幕末の深い眠りから覚めるか 幕府の埋蔵金』

<太田利政著/新風舎/1700円/2003年11月25日初版発行/ISBN4-7974-3114-8>

 1999年の12月に『山梨県南巨摩郡増穂町で発掘を進めている地元グループが、徳川埋蔵金の一部とみられる小判1枚を発見?』とのニュースが流れ話題を集めた“舂米(つきよね)”の埋蔵金。
 その後、動きがまったく伝わってこなくて「あぁ、やはりね」と分析する方も多かったのでは。かつて“著名人”の大がかりなバックアップを仰いだり、出資金形式で一般から発掘費用を集めたり、といろいろと話題の多いことでも有名な埋蔵金ですが、それはともかく、ここに紹介する書籍は舂米の埋蔵金を発掘するグループに近い著者が詳細にまとめ上げた“発掘の全容”といえる書籍。
 埋蔵金に詳しい方には舂米の現況報告として、また、最近埋蔵金に興味を持ち始めた方にとっては、ほとんど一般に公開されることのない“埋蔵金発掘事業”の一つの実態として興味深く読むことができるのではないでしょうか。
               
               

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『モーセの秘宝を追え!』

<ハワード・ブルム著 篠原慎訳/角川書店/税別819円/2002年8月25日初版発行/ISBN4-04-290801-2>

 ちょっと異色なタイトルをご紹介。題名を見てピンと来る方もいらっしゃるのでしょうが、なんと「聖書」のモーセ(昔はモーゼといってたような!?)の“出エジプト記”に関連するお宝を追いかけた書なのです。
 え、フィクションも扱うの?いえいえ、決してフィクションではありません。聖書の記載を追って、実際にシナイ山を探検したノンフィクションなのです。し かも従来“通説”とされていたシナイ半島のシナイ山は間違いで、実はサウジアラビアにあるラウズ山こそ真のシナイ山である、という最近の研究を実証しよう としている。多くの真実から聖書の記載を裏付けていく手法は、著者が元ニューヨーク・タイムズ記者というストーリーテラーならでは。たまにはこういった書籍で頭のリフレッシュをしてはいかがでしょう。
               
               

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『銭の考古学』

<鈴木公雄著/吉川弘文館/税別1700円/2002年5月1日発行 ISBN4-642-05540-1>

 日本全国各地で相次いで掘り出される“銭”、その“銭”に焦点を当てて考古学の見地から埋蔵金を調査した記録だ。皇朝十二銭や備蓄銭、そして埋葬に用いられた“六道銭”などから、貨幣流通史の復元や銭と人々との多様な歴史的関わりを鮮やかに解明してくれる。
 考古学的な見方、手法、そして実績と、とても参考になる(はず)の一冊。埋蔵金研究に“学問”を導入することの重要性を理解させてくれる貴重な資料本でもある。

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『すべてわかる戦国大名里見氏の歴史』

<川名 登編/国書刊行会/税別2500円/2000年2月15日発行/ISBN4-336-04231-4>

 新刊ではありませんがちょっと気になる書籍を見つけてしまったのでご紹介。
 それは里見氏の埋蔵金をテリトリーとしている方なら先刻ご存じなのでしょうが、とても便利な里見氏の歴史を中心としたデータ本といえるものが実は2000年2月に発行されていたのだ。編者の川名氏を中心に、執筆者は総勢14名。そして多くの個人、団体の資料協力により作られたまさに里見氏研究の基礎データ辞典となっている。
 小松寺の埋蔵金伝説や、山之城城趾の埋蔵金伝説などにもちらっと触れられているが、そんなことより里見一族の歴史の再検証部分がとても興味深い。従来の “歴史”の間違いを次々と正してくれている。多くの方々により、それぞれの分野での研究によって新たな事実が次々と掘り起こされているのがよく分かる。こ の書を供に房総を散策するのも一興では。                
               

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『徳川埋蔵金検証事典』

<川口素生著/新人物往来社/税別2500円/2001年1月15日初版第1刷/ISBN4-404-02897-0>

 徳川埋蔵金関係をテリトリーとしている方はぜひとも目を通して欲しい1冊が出版された。その名も「徳川埋蔵金検証事典」。徳川関連の書籍は特に多いが、そのほとんどが従来からの“通説”を元に実地調査したにすぎないレベルのものといえるだろう。で、この1冊をなぜすすめるかといえば、著者の川口氏は法政大学文学部の史学科卒という歴史研究家で、いわば歴史の“プロ”。資料をどのように掘り下げればいいか、に一番精通した“プロ”が徳川埋蔵金に挑んだの だ。
 闇雲にシャベルを握るのもまたひとつのスタイルかも知れないが、それでは「宝探し」というレジャーにすぎない。そしてそれは往々にして一般の方々が思い描く典型的なスタイルで、実際は埋蔵金といえども“正統”な歴史の一部分である、という観点からは迷惑以外のなにものでもない。
 面白半分で取り上げるTVなどのマスコミ報道も、またその轍を踏んでしまっているといえる。とまあそれはともかく、川口氏は戦前戦後、世に出た史料を再検証すると共に、最新の情報を追い求めて現地取材を行うことで、現状で考えられる徳川埋蔵金の全貌という研究成果にまとめ上げて発表してくれている。
 全国四十数カ所といわれる徳川関連の埋蔵金の伝承・伝説を検証し、全体を「徳川三代の埋蔵金」「小栗上野介の埋蔵金」「彰義隊・榎本艦隊の埋蔵金と沈没船」の三部に分けて構成している。そのそれぞれに歴史の“プロ”としての検証を加え、信憑性などを客観的に評している。圧巻は巻末の「徳川埋蔵金関係年表」でさすがに歴史学者の面目躍如と行ったところだろう。
 お見逃しなく。                

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『RIPTIDE 海賊オッカムの至宝』

<ダグラス・プレストン&リンカーン・チャイルド著、宮脇孝雄訳/講談社/税別2300円/2000年7月28日第1刷発行>

「アメリカ、メーン州の沖にひっそりと佇むノコギリ島の洞窟には、世界中を震え上がらせた海賊、<レッド・ネッド・オッカム>の遺した莫大な財宝が眠って いる。時価20億ドル以上といわれる財宝への欲望に憑かれ、幾人もの宝探しがこの島を訪れたが、洞窟の奥から突如噴出する海水に阻まれ、その夢を散らして きた。洞窟はいつしか<水地獄>と呼ばれ、恐れられた。
 その<水地獄>に、今、最先端のテクノロジーとコンピューターで武装した専門家集団が挑む。暗号、罠、呪い、裏切り、原因不明の病。はたして宝物を手にすることはできるのか? 驚愕のラストまで物語は突っ走る……」(カバーのキャッチコピーより)。
 フィクションである。本来ならフィクションは扱わない(しかもテリトリー外の海外モノ)のだが、“財宝”というものの意外性、暗号解読、歴史の裏を読 む、等々参考にさせられる部分が多い。そしてなにより、冒険小説として一気に読ませてくれる内容の面白さで、取り上げてみた。
 緻密な取材力、登場人物の人間くささ、そしてまさに臨場感あふれる視覚的描写力と小説としての出来の良さが光る1冊といえる。しかも最大のポイントは、 物語に登場する「ノコギリ島」が、カナダ南東部のノヴァスコシア沖に実在する“宝島”、オーク島をモデルにしているというのだ。
「現代版の『宝島』、海外もテリトリーにされている方は、ぜひご一読を」とこのコーナーに協力いただいているK・K氏が言っておりました。

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『埋蔵金の掘り当て方』

<非日常研究会著/同文書院/1300円+税/1999年12月8日初版発行/ISBN:4-8103-7686-9>

 同社からは、1998年の12月に『図解財宝発掘マニュアル』(時實雅信著/1300円+税)という書籍が発行されているが、この『埋蔵金の掘り当て方』は、それとはまたひと味違った「入門書」といえる。そもそも「入門って何?」といわれそうですが、これから始めようと言う方に対するガイドでしょう か。
 著者は非日常研究会というもので、「ジャンボジェット機の飛ばし方」とか「ライオンの飼い方」など、ちょっとユニークな「非日常実用講座」というシリーズものの第18弾です。
 したがって、先発の『図解財宝発掘マニュアル』がけっこう「まじめ」なガイドに徹していたのに対して、こちらはちょっと斜めに構えている部分あり、というところでしょうか。
 それと、タイトルは『埋蔵金の掘り当て方』ですが、埋蔵金関連は224ページ中76ページ(しかもそのうち半分近くは沈船関係)で、その他は、「恐竜化石の掘り当て方」「古代遺跡の掘り当て方」「金鉱脈の掘り当て方」「油田の掘り当て方」「井戸・温泉の掘り当て方」「新星の見つけ方」となっている。
 まあ、ここまで書けば内容は推して知るべしでしょう。ご参考までに。

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『黄金結界 ~甲州埋蔵金の謎を解く~』

<加門七海著/河出書房新社/1700円+税/1999年12月2日初版発行/ISBN:4-309-22357-5>

『覚書◎黄金地帯からの招待
 埋蔵金伝説は、日本各地に存在している。
 徳川の埋蔵金は言うに及ばす、武田や平家、旧日本軍の埋蔵金まで有名無名を合わせると、埋蔵金は日本の地下に満ち満ちていると言ってよい。しかし一方、埋蔵金を掘り当てたという話を、我々が聞かないことも確かだ。
 埋蔵金伝説は、欲に目の眩んだ人々の妄想の結果なのであろうか。それともマルコ・ポーロの伝えたジパング、黄金郷の伝説に我々は振り回されているのか。
 甲州の埋蔵金にかかわりを持ったきっかけは、あくまで仕事としてだった。
「TV番組制作プロダクションの者ですが、話を聞いて欲しいんです。具体的な内容は電話ではちょっと……」
 怪しい電話に用心しつつ、待ち合わせ場所に出かけると、プロデューサーの本間氏は名刺を渡して切り出した。
「実は私達、山梨の埋蔵金にかかわっているんです。金を探している男性を取材で追いかけていましてね」
「山梨というと、武田の、ですか」
「いえ、違います。いいえ、まぁ、そうとも言えるのですけれど」
 氏は微妙に口を濁した。
 聞くと、彼らの追う人物が探しているのは、金を掘る仕事に従事していた「金山衆」が隠した黄金であるという。
 この集団の発生年代は不明だが、金山衆という名称は戦国時代あたりから古文書などで確認されるようになってくる。主な仕事は名称どおり、金を始めとした 鉱物採取とその精錬だ。また、穴を掘る技術に長けていた彼らは、(戦国時代の文献によると)堀を埋めたり井戸の水を抜いたりと、城攻めにも協力し、戦力と しても活躍したとか。
 しかし古の専業集団に共通して言えることだが、金山衆達が実際にどんな暮らしをし、どのような思想・テクニックを持っていたかなど、詳しい彼らの実態を窺い知ることは難しい。いわば、謎の集団なのだ。
 そんな彼らの名称をいきなり本間氏から聞かされて、私はかなり面食らった。---』
河出書房新社のWebサイトに掲載されていた新刊紹介記事の一部だ。
筆者は『人丸調伏令』で作家デビューし、『大江戸魔法陣』、『東京魔法陣』など、 風水ブームの先駆者として知られる。埋蔵金関連書の著者としては“異色”作家のデビューといえるが、緻密な取材活動に裏付けられた内容はさすが小説界で大注目作家だけのことあり。
この書は、TBS金曜テレビの星「封印された謎の黄金 幻の甲州金山」と連動したもので、映像という瞬間的に流れ去ってしまうメディアでは得られない価値がある。ご一読を。
               

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『図解財宝発掘マニュアル』

<時實雅信著/同文書院/1300円+税/1998年12月25日初版発行/ISBN:4-8103-7555-2>

 タイトル通り埋蔵金を探してみたい、と思った方に向けたマニュアル。いよいよ、このテの本が出たか!の一冊。
 今まで、埋蔵金というとなにやら胡散臭いイメージとしてとらえられることが多かったが、 いよいよ、埋蔵金探しも「お宝探しゲーム」として一般化したのか、の感強し。ま、それはそれで嬉しかったりするのだが、逆に真剣に調査している方々が苦々しく思うのも事実なのでは。
 それはともかく、内容はよく考えられていて、埋蔵金探しの捉え方から始まり、基本的な埋蔵金探しのABC、そして必要な装備、靴や日焼け止めなどまで カバーしているのは、さすが「埋蔵金入門者向け」のマニュアルならでは。
 従来多かった「ここに埋蔵金が!」式のガイド部分はほとんど「参考までに」的でちょっと物足りないかもしれないが、それはまたこのコーナーで紹介しているような別の書籍を参考にすればよい。
 とにかく埋蔵金入門に必要な最低限の知識を、これ一冊で理解できるようにした点がこの本の一番のウリなのだ。まさに“マニュアル”。                
               

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『豊臣秀吉の埋蔵金を掘る』

<鈴木盛司著/新人物往来社/2400円+税/1998年8月10日発行/ISBN:4-404-02643-9>

 赤城と並ぶわが国有数の埋蔵金、豊臣秀吉の埋蔵金を追う筆者が、
「(--前略)数々の大発見が相次ぎ、考古学、ブーム、埋蔵金ブームのさなか、この地も各地より “黄金伝説最大の地”として注目を浴び始めている。『黄金伝説の郷』多田銀山は、 運輸省が昭和五十九年(1984)に、金属産業遺跡として指定したことで、 文化的存在や歴史的価値のお墨付きも得、脚光を浴びつつあるため、 公的機関、報道関係各所からも問い合わせや、前記に関する歴史・資源・学術・文化・ 観光的な報道が急増することになった。
 また、近年の開発ブームの激風に煽られて、この地方の自然・気候・風土・文化等に、 すくなからず諸々の弊害が現れ始めたことや、遺跡壊疾を見るに忍びず、この保護や復興にわずかなりとも一役を担い、黄金伝説の夢とロマンの架け橋を人の心に繋ぎ続けることができたらと、もう袖手傍観もしておられず、浅学菲才、冷汗三斗の拙筆を執ることになった次第である。」(前文より)
 とまあ、難しい話はおいといて、著者の鈴木氏はこの豊臣秀吉の埋蔵金を追って、実にかれこれ20年。でその一つの区切りとして発表したのが、 この一冊なのだ。
 前半が歴史的背景や“埋蔵秘図”などを分析した解析編。そしてそれをもとに実地調査を行った調査編、後半は核心の発掘作業を詳細に明かした発掘編、と三部構成になっており、特に最後の発掘編は、実際に多田銀山を踏破した貴重な記録として興味がもたれるところ。
ちょうど赤城の埋蔵金発掘にかけた水野智之氏の著作『赤城黄金追跡』に通ずる当事者ならではの、埋蔵金探索インサイドストーリーといえる内容となっている。
 多田銀山をテリトリーとする方は必見!

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『神奈川の古代道』

<藤沢市教育委員会/博物館建設準備担当編集/1997年1月31日発行>

 1998年の6月16日の東京国立博物館を皮切りに、岩手県立博物館、栃木県立博物館、福井県立博物館、倉吉博物館(鳥取)、大阪市立博物館、長崎県立博物館と開催される“発掘された日本列島'98--新発見考古速報展”に展示された出土品のデータを紹介する資料集。
 といっても、B5版サイズで100ページを超し、カラーも充実した結構立派な資料となっている。(ちなみに価格は税込み1500円)
対象は古代から近世まで、まさにさまざまで、埋蔵金に関する部分はほんのわずか(それも古銭の発掘くらい)なのだが、わが国の“発掘調査”に 関する現状を知る上で貴重な資料であることは確か。
 埋蔵金関連の資料を探している方は、図書館で一見を。                
               

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『幻の埋蔵金 佐々成政の生涯』

<生駒忠一郎著/KTC中央出版/1500円/1996年10月14日発行/ISBN:4-924814-83-0>

 黒部の成政埋蔵金を追いかけている方に、ちょっと気になる新刊。 成政の人となりを研究しつつ埋蔵金をからめた読み物が発刊された。 以下、埋蔵金余話の一部を紹介しておくので、気になる方はご手配を。
『成政の埋蔵金伝説は、越中の各地に分散している。
もっとも有名なのが牛岳とも言われる鍬崎山(東礪波郡庄川町) である。秀吉が攻めてくる天正十三年(一五八五)、富山城の天守閣にあった 百万両を侍大将の阿部義行に命じて埋めさせたというものだ。
 鍬崎山(二〇八九メートル)は薬師岳の西方の独立峰で、富山平野から 見ると牛の背のような形をしており、越中富士とも呼ばれる。 有力な証拠とされているのが、麓の芦峅寺(中新川郡立山町)や本宮 (大山町)に「朝日さす夕日輝く鍬崎に、七つむすびてむすび、 黄金いっぱい光り輝く」という里謡が残されていることである。……』
 本文中では当然ながら埋蔵金が主役というわけではなく、 どちらかといえば成政の人物を描写するのに埋蔵金をからめた、 と考えた方がいい。ちなみにあとがきには、
『庄内川べりの比良城に生まれた成政は、農氏出身の秀吉とは対照的に、 近江源氏の佐々家を祖に誇り高く、勇猛、果敢で剛直、どんな苦境にもひるまぬ猛将に育った。
 成政と秀吉の性格は、初めから水と油であった。生まれ育った環境の違い、また剛健で負けず嫌いな成政と、目先がきいてすばしっこい秀吉は、ことごとに考えが合わず、意地の張り合いで解け合えぬままに終わった。
 誇り高い成政は、信長の死後、着実に勢力を伸ばしていく秀吉を素直に認め、仕えることができなかった。荒子城主の子として生まれた利家は、秀吉とうまく融和したが、成政にはそんな器用なことはできなかった。
 成政が最期まで織田家復興を願っていたのに対し、秀吉は早くから天下をめざした。そうした生きる姿勢の基本的な違いも、二人を最後まで解け合わせなかった理由の一つであった。
 成政は、前半生があまりにも栄光に包まれていただけに、後半の焦燥に満ちた不器用な斜陽の人生が、哀れと同情を誘って逆に人間味を感じさせる。
 この作品を書くにあたり、あらためて清洲城、稲生ケ原、比良、井関城祉から生駒屋敷跡と歩いてみた。戦雲に天下への夢を追って、このあたりを駆けていた少年のころの信長や成政の足音が、今も聞こえるような気がした。……(一部略)』                

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『アメリカ黄金伝説』

<エミル・C・シュールマカー著/秀英書房/1800円/1996年9月23日発行>

 アメリカ版「埋蔵金伝説」。といっても建国わずか200年ちょっとの アメリカのこと、“伝説”というより、“記録”といえるほど生々しく信憑性が高いストーリーばかり集めた注目の書籍だろう。
        ◇
「歴史学者、警察やその他の機関の推定では、アメリカ国内に埋められている財宝の総額は、西半球の海上で大航海時代から現在までに難破や火災、海賊の襲撃などで失われた財宝の総額を 「数十億ドル」も上まわっているのだ。
 海の底に沈んだ宝を探すとなれば、潜水用具などの装備のほか、 専門の知識や技術も必要だし、さまざまな身の危険にさらされたり、途方もない困難とたたかわなければならない。それにくらべて、 陸地に隠された宝の多くは、その気になれば誰にでも近づける場所に 埋められている。
 陸地の宝のほとんどは、たいした危険もなく、比較的安い費用で探すことができる。宝探しをする人々のなかには、週末になると車の トランクにシャベルを放りこんで、ドライブがてら宝のありそうな 場所へ行って、地面を掘り返すという人もいる。
 アメリカには、宝の隠し場所として世間によく知られたところがある。 たとえば、テキサス州のテンブルの近くには、推定約二千万ドルという 莫大な宝が埋められている。これは、カール・シュタインハイマーというドイッ系移民の万奴隷商人が、十頭のラバで金塊を運ぶ途中、 インディアンの襲撃をおそれて埋めたものだ(第3章)。
………」
 とまあこんな興味深い話が続く。 本文は第15章まであり、巻末にはアメリカ国内の埋蔵金 の場所を解説した付録まで付いている!                

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『日本の埋蔵金』

<畠山清行/中公文庫/960円/1995年9月18日発行 ISBN:4-12-202420-X>

 我が国を代表する埋蔵金研究家、畠山清行氏。惜しくも1991年に 亡くなられてしまったが、今でも氏の著書は一番信頼の置ける資料として 一目も二目もおかれているのはご存じのとおり。すでに絶版の書籍が多いので 各地の図書館等でしか見れないのが残念だったが、中公文庫がついに 「日本の埋蔵金」を文庫本として復刊してくれた。 この機会に是非とも手に入れておこう。
 惜しむらくは、番町書房によって’73年に発刊された 「日本の埋蔵金 上・下」全文ではなく、我が国の三大埋蔵金のみに集約 されてしまっているのが何とも残念!
 とにかく埋蔵金に興味があるなら必ず手に入れておくことをおすすめする。

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『世界の難破船と財宝地図』

<ナイジェル・ピックフォード著/山と渓谷社/3800円/1995年8月20日発行 ISBN4-635-61801-3>

 いよいよ我が国でもこういう豪華本が出るようになったか!の感が強い一冊。
 世界の難破船の歴史を縦糸に、財宝を横糸で紡いだ、という感じの「目で見て 楽しむ」財宝探し。青銅器時代の難破船から第二次大戦の沈没船まで、歴史を 追ってグラフィックを中心にきれいに表現している。アメリカなどに良くある メカニズムをリアルなイラストで解説するシリーズの中の1冊という感じだ。
 ま、海の中もテリトリーに含む方は要チェック。ちなみに私は足が大地に 付いていないと不安なのと、値段が値段なので(資料性という観点では) 手に入れておりません。

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2010年9月 3日 (金)

『日本の埋蔵金』研究所 TREASURE JAPAN RESEARCHについて

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●沿革                                

 故畠山清行氏が“秋鹿 英”の著者名で『埋蔵金物語』を発行したのが昭和14年、この年をもって我が国の“埋蔵金学”が始まったといっていいのではないでしょうか。
 埋蔵金の歴史はそれこそ宝や金という概念が誕生した時からすでにスタートしていると思っていいでしょう。銀行など無かった時代、財産を保全することすな わちすべて“埋蔵”だったのですから。そして、隠す必要があれば、またそれを発見しようとする側が自然に発生し、銀行という今日的なシステムが完備するま で営々と行われてきた、まさに人類の“生活史”の確固たる一部だったのです。
 ただ、そういった庶民の生活史の一部である埋蔵とはあまりにかけ離れた莫大な埋蔵金の存在があります。
 曰く「お家滅亡に際して……」、曰く「子々孫々の万が一に備えて……」。
 その最たるものは、時の為政者が権力にまかせて集めた財宝を危機に瀕して保全を図る、といった場合の数百億から数兆円にもおよぶ巨額な埋蔵金です。そこに私どもが“埋蔵金学”と呼ぶ考古学的な検証学問が発生しました。

●活動                                

 巷間イメージされるところの“埋蔵金”は、イコール“穴掘り”なのではないでしょうか。ただ、地面掘るだけで宝が出てくるなら苦労は無し。「皆さんもどうぞ」ですが、そんなことしても億が一つ、京が一つにも発見の可能性はないことは自明の理なのではないでしょうか。
“埋蔵金学”では実際の現場を探る以上に、歴史を探ることを重視します。故畠山清行氏の名言「土を掘るより資料を掘れ」です。まず、埋蔵が行われた背景や それに伴う史実をできるだけ多く集め、検証に検証を積み重ねることで確証を得ることが第一歩、いや埋蔵金探索においてはほとんどそれが全て、といってもい いのではないでしょうか。
 ということで私どもも'70年代から活動を続けておりますが、未だ歴史資料探索が作業のほとんど。「次から次へと発掘される“歴史”という名の“宝”の解析に追われる日々」が現実です。
 一篇の埋宝地図などという“証”をもとに探索に出かける方々もいらっしゃいますが、まあ「ハイキングの理由着け」程度の意味ではそれはそれでまた楽しく、健康にも良し、一石二鳥のホビーなのでしょう。

 まあ、堅苦しい話は抜きにして“宝探し”に代わりはないでしょうか……。 

●WEBサイト                            

【1995/01~】=ISPの草分け“ベッコアメ・インターネット”にてWEBサイトを開設。
 通信回線は電話回線のダイアルアップ、モデムのスピードは300bpsだったか(!?)、OSのWindows3.1にはsocket機能が搭載されて おらずアメリカのサイトからフリーのソケットシステムを導入してやっとインターネットにつながるという状態でした。畏れ多くも「日本の埋蔵金」の名称を使 わせていただいておりました。アメリカのWEBサイトアーカイブスには当時のサイトが保存されていたみたいですが……。

【2000/02/10】=ドメインを取得、独自ドメインで運営開始。
 独自ドメイン取得後、友人紹介の北ネットワークに一時居候。その後“ベッコアメ・インターネット”がホスティングサービス開始したことに合わせて、サー バー管理に時間をとられたくない、と同社のホスティングサービスを利用させてもらう。またまたベッコアメさんとのおつき合い再開となりました。
 いよいよ日本でもインターネットが急速に普及する時代でしたが、それでもまだ“埋蔵金”などと単純なキーワードで検索をかけても簡単に見終わってしまう程度の数のサイトしか存在しない、そんな時代ではありました。

【2004/07/06】=ベッコアメがGMOに個人向けホスティングサーバー事業を譲渡。
 永年お付き合いさせていただいた“ベッコアメ・インターネット”が『今後はデータセンターを中心とした、ハウジングサービス、IPインフラを軸に法人顧 客へのサービスの拡充を行い、更なる法人向けIPサービスの充実を図る体制を整えて、事業の選択と集中を実行してまいります。また、ブロードバンドコンテ ンツの提供にもサービス展開を行い、更なる飛躍を目指してまいります。今回、インターネット接続サービス事業及びホスティングサービス事業の営業権の譲渡 を行いますが、弊社自体は存続しますので、今後とも末永くご支援の程、宜しくお願い申し上げます』とのことで、残念ながら譲渡先のGMOのユーザーに自動 的に移行と相成りました。
 GMOさんといえばかつて知人のサイト構築で利用させていただきました。1999年だったと思いますが当時はまだまだ短時間で簡単にホスティングサービ スを利用させてくれるところはほとんど無く(インターQって名前だったと記憶してます)、海外からリアルタイムでレポートを掲載するサイトを速攻で構築で き大変助かりました。ただし、契約解除の時にいきなり5万円也の解約料を請求されてびっくりした経験があります(契約書を良く読まないのがいけなかったの はもちろんですが…)。
 それはともかく、以上の事情によりGMOさんのホスティングサービスのユーザーと相成りました。

【2008/10/28】=『平素はBEKKOAME//hOSTINGをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。この度BEKKOAME //hOSTINGでは、ご利用サーバーの更なる安定性・機能拡張性を目的とし、サービス内容の変更およびサーバーの変更を実施する運びとなりました。来 る2008年8月28日に、新サービスへの変更を行わせていただきます』という案内がGMOさんから来て、自動的に“かんたんサーバー”というサービスに 移行させられることに。ただしすんなりとはいかず、8月の予定が諸般事情でずれずれとなり、やっと10月28日無事移行となりました。

【随時更新】=ニュースが入った時や、時間が取れる時に内容を随時更新しております。お気軽にお寄り下さい。



            

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2010年9月 2日 (木)

●更新履歴(2004/01~)

【2013/09/17】=「NEWS」のページに『二条城で皇室の菊紋の下から徳川家の葵紋が発見される』の記事を掲載。
【2013/09/01】
=「NEWS」のページに『「閑話休題」金にまつわるニュース(パート2)』の記事を掲載。
【2013/08/01】
=「NEWS」のページに『「閑話休題」金にまつわるニュースを』の記事を掲載。
【2013/01/09】
=「NEWS」のページに『“観音様のお告げ”と男体山で地権者に無断で穴を掘り摘発される』の記事を掲載。
【2013/01/07】
=「NEWS」のページに『戊辰戦争中に座礁沈没した米国船ハーマン号を勝浦沖で発見』の記事を掲載。
【2012/12/21】
=「NEWS」のページに『山口県岩国市で中世の豪族の住居跡から古銭が大量に出土』の記事を掲載。
【2012/08/20】
=「BOOK」のページに『ニッポン埋蔵金 黄金の国ジパングに眠る財宝300兆円!!』の記事を掲載。
【2012/06/25】=「NEWS」のページに『多田銀山の埋蔵金探索者が亡くなる』の記事を掲載。
【2012/01/27】
=「NEWS」のページに『韓国で“現代版埋蔵金”発掘騒動のニュース』の記事を掲載。
【2011/07/08】=「NEWS」のページに『石見銀山で新たに20本もの未調査坑道発見!』</a>の記事を掲載。
【2011/01/27】=「NEWS」のページに『北海道弟子屈町で超優良金鉱発見!』</a>の記事を掲載。
【2010/11/23】=「BOOK」のページに新刊『埋蔵金発見!解き明かされた黄金伝説』の記事を掲載。
【2010/07/21】=「NEWS」のページに『最近新たに出来た2つの埋蔵文化財に関する資格』の記事を掲載。
【2010/06/10】=「Google AdSense」の更新。いつの間にやらコードが変更されていた。機能はしていたが…。
【2010/03/22】=「BOOK」のページに『闇に消えた日本の黄金ミステリー 発掘!埋蔵金伝説99』の記事を掲載。
【2010/02/24】=「BOOK」のページに『廣済堂文庫 全国「隠し財宝」完全マップ』の記事を掲載。
【2010/02/03】=「HTML4.01」から「XHTML1.0」へ移行するための下準備を行う。
【2009/11/19】=「BOOK」のページに『謎解き紀行 徳川埋蔵金 下』の記事を掲載。
【2009/06/06】=「NEWS」のページに『神奈川県の大和市が「浅間神社と義経の財宝」を発行』の記事を掲載。
【2009/05/15】=「NEWS」のページに『松平忠雄の墓所から、小判43枚、一分金117枚発見』の記事を掲載。
【2009/05/05】=「BOOK」のページに『図解 世界の財宝ミステリー』の記事を掲載。
【2009/01/26】=「NEWS」のページに『水中文化遺産保護条約が発効』の記事を掲載。
【2008/12/24】=「NEWS」のページに『あの朝日新聞が“埋蔵金”を取り上げた』の記事を掲載。
【2008/10/28】=TREASURE JAPAN RESEARCHのページにホスティング・サービス移行の経緯を掲載。
【2008/09/09】=トップページに『“たんさく”のシリーズ第4、第5弾が発行された』の記事を掲載。
【2008/04/29】=「BOOK」のページに『加門七海著「怪奇心霊語り 埋蔵金発掘の怪奇編」が発行された』の記事を掲載。
【2008/02/01】=「BOOK」のページに『八重野充弘著「埋蔵金伝説を歩く」が発行された』の記事を掲載。
【2007/12/26】=「NEWS」のページに『中国沿岸の南シナ海で34兆円の沈没船を引き揚げ』の記事を掲載。
【2007/12/05】=「LAW」のページに『“遺失物法”が明治32年以来100年振りに全面改正』の記事を掲載。
【2007/10/25】=「BOOK」のページに『謎解き紀行 徳川埋蔵金 上』の記事を掲載。
【2007/10/08】=「BOOK」のページに『「日本の埋蔵金」の一部が復刻刊行された』の記事を掲載。
【2007/07/01】=「NEWS」のページに『二転三転の末、石見銀山が世界遺産登録』の記事を掲載。
【2007/05/24】=「NEWS」のページに『英国南西約60キロの大西洋で“史上最高額”の沈船財宝を発見』の記事を掲載。
【2007/05/15】=「NEWS」のページに『“石見銀山世界遺産登録”に暗雲』の記事を掲載。
【2007/03/02】=「NEWS」のページに『石見銀山を世界遺産登録へ』の記事を掲載。
【2007/01/01】=全ページのコピーライト表記を「1995-2006」から「1995-2007」へと更新。
【2006/10/03】=「NEWS」のページに『水野氏の徳川埋蔵金探索がドキュメンタリー映画に!』の記事を掲載。
【2006/08/23】=「HARD」のページの下に『最新探査技術の解説』のページを追加。
【2006/05/20】=「NEWS」のページに『福井市で甕に入った古銭約11万5千枚と木簡を発見!』の記事を掲載。
【2006/03/23】=「NEWS」のページに『毛利家ゆかりの“黄金茶碗”を発見』の記事を掲載。
【2006/02/08】=トップページに扶桑社さん発行の『週刊SPA!』誌面で当Webサイト紹介のニュース掲載。
【2006/01/17】=全ページのコピーライト表記を「1995-2005」から「1995-2006」へと更新。
【2005/09/16】=「BOOK」のページに『埋蔵金・邪馬台国の謎解きに挑戦』(橘高 章著)紹介を追加。
【2005/07/05】=topページにマイケル・ハッチャー氏が出資法違反容疑事件に利用されたニュースを速報。
【2005/04/22】=埋蔵金関連の法律「LOW」のページの下に<遺失物法>の詳解ページを作成。
【2005/04/01】=勤務会社移転により、連絡先、住所等データを修正。
【2005/02/01】=「BOOK」のページに『蒼海の財宝 TREASURE OF THE DEEP』(H.エドワーズ著)紹介を追加。
【2005/01/31】=「NEWS」のページに「“キャプテン・マイケル・ハッチャー”さん、次なるターゲットは日本に!」を追加。
【2005/01/07】=通貨・古銭コーナーに“江戸の貨幣制度”等情報を追加。
【2004/10/13】=NEWSコーナーの“スポンサー募集”の呼びかけに対してレスポンス有り、の報告をトップページに掲載。
【2004/08/03】=Amagle AltADsでAdSenseの代替え広告を表示するようにさせていただきました。考古学関係の売れ行きランキング上位の書籍が表示されるはずです。
【2004/08/03】=GOGGLEの検索を“WebSearch”に変更。サイト内検索を便利にしました。
【2004/07/27】=「HARD(金属探知器、関連技術)」ページの下に「HARD_DETECTOR1(メタル・ディテクター)」のページを追加しました。2004年7月現在で確認できたメーカーの一覧付。
【2004/07/22】=Copy guard。JAVA scriptによるテキストのコピー警告を追加。
【2004/07/21】=SEO。タイトル・タグのチューニング。
【2004/07/20】=GOOGLEの“AdSense”対応版に差し替え。広告掲載版の評判はいかがでしょうか?。
【2004/07/13】=SEO対策のヘッダーリファイン。
【2004/07/13】=「サイトマップ」および「免責事項」ページの開設。
【2004/06/17】=「BOOK」ページ更新。舂米の埋蔵金に関する書籍『幕末の深い眠りから覚めるか  幕府の埋蔵金』(太田利政著、新風舎発行)という書籍を紹介。
【2004/05/27】=「KANTO(関東地方の埋蔵金)」ページに“江戸城の黄金井戸”追加。「TYUBU(中部地方の埋蔵金)」ページのデータ一部修正。
【2004/05/12】=「index」ページ更新。秋鹿 英著『埋蔵金物語』の情報提供呼びかけ。リンク先はBOOKページの一覧表に。
【2004/04/17】=全htmlファイルのリンク修正。
【2004/04/16】=「TREASURE JAPAN RESEARCH」ページ新設。とりあえず『日本の埋蔵金』研究所の概要紹介のページを置く。同時に更新履歴の当ページを作成。
【2004/04/12】=「BOOK」ページ更新。“書籍検索”のところのコメント更新。
【2004/02/20】=「HARD(金属探知器、関連技術)」ページ更新。“古文書復元システム”紹介ページ追加。「HARD」ページ本体の運用も開始。
【2004/02/05】=「NEWS」ページ更新。“山下財宝スポンサー募集”フィリッピンで探査を続ける方からの呼びかけ紹介。
【2004/01/15】=「NEWS」ページ更新。“楽しいコーヒーブレーク”お菓子の千両箱誕生。水野氏のコメント付き。

               

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2010年9月 1日 (水)

●免責事項

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