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2009年1月26日 (月)

ユネスコ「水中文化遺産保護条約」が発効!

 当WEBサイトのテリトリー外になるが、ちょっと気になる話題をご紹介しよう。

 見られた方も多いと思うが、この1月17日に放映されたTV番組「世界一受けたい授業」(関東地方では日テレ、午後7時56分~)の“2時限目”で、井上たかひこ先生が『海の中に10兆円!? アナタの知らない世界の財宝マップ』といういう授業をやっていた。

 まあ、わずか20分足らずの短い時間で沈没船の財宝にまつわるあれこれから紹介していたので、ほとんど目新しい内容は無かったのだが、唯一、井上先生のプロジェクト・チームがどうやら江戸時代の黒船“ハーマン号”を見つけた、らしいというのが収穫だった。現場から引き上げたという食器や船釘、石炭などを持参していた。

 引き上げが成功する可能性は高そうだが、残念ながら「発見場所は教えられません(荒らされるおそれがあるので)」、「まだ見つけられてませんが、“お宝”は推定で約20~30億円になると思います」などのコメントには少なからずがっかりした。

 よくある「宝を発見した! でも資金がないからまだ発掘できてません」と同じように聞こえてしまった、というのは意地悪すぎるだろうか。せめて船名の入ったプレートとか、蛇輪など、船を特定できる証拠の品を発見してから公表することは出来なかったのだろうか、と思ってしまう。

 それはともかく、このように、沈没船、そして沈没船の財宝というのは確実に存在する。他人の目から隠すために策を弄したり、欺いたりする“埋蔵金”などとはまったく性格が違うことがお分かりいただけるだろうか。当WEBサイトが“テリトリー外”とする理由もそこにある。

 で、ここからが本題だ。それは、こういった沈没船の財宝などに関して、初の国際的な取り決めとなる「水中文化遺産保護条約」が発効したというニュースなのだ。ユネスコの活動により、いよいよこの1月からスタートできたという。

 世界一受けたい授業の中でも触れられていた“世界一の沈没船の財宝”は広東省沖で発見され、しかも中国の貿易船らしいので問題にならなかったようだが、これがポルトガルなど、外国の船舶だった場合は所有権を巡って争いになるのは必定。ましてや無秩序に引き上げ作業を行えば、貴重な文化財といえる陶器などは破壊されかねなかったといえる。また、船体そのものからして人類の貴重な遺産なのだが、商業的な引き上げではそんなこと言ってられないだろうことは想像に難くない。

 このように破壊の危機にさらされている海中や水中の水没文化財を守るために作られたのが、今回の「水中文化遺産保護条約」なのだ。

 ただ、簡単にできあがったわけではなく、条約の草案がユネスコで採択されたのはなんと8年も前の2001年11月。それなのに今日まで発効できなかったのは、必要とされた最低20ヵ国の批准が得られなかったためという。

 ちなみに批准に二の足を踏む理由は、「水中文化遺産保護条約」自体の内容にある。

 条約では、水中文化遺産を「少なくとも100年の間、連続的にまたは周期的に、部分的または完全に水中にある文化的、歴史的、または考古学的性質を有する人類の存在のあらゆる軌跡」と定義している。そしてこれら水中文化遺産は、商業目的に利用されてはならないとされているのだ。そして国連海洋法条約にしたがって、国の領海外に設定されはじめている排他的経済水域や、深海底などにも保護措置が講じられるという。現在の海洋は利害対立の最前線。それにかかわる可能性の高い条約には、と二の足を踏む、というわけだ。

 それでも曲がりなりにも発効にこぎ着けられたのは、ウクライナ、エクアドル、カンボジア、キューバ、クロアチア、スペイン、スロベニア、セントルシア、ナイジェリア、パナマ、パラグアイ、バルバドス、ブルガリア、ポルトガル、メキシコ、モンテネグロ、リトアニア、リビア、ルーマニア、レバノンの計20ヵ国の理解、批准があったから。これをみると分かるとおり大国がほとんど批准していない。日本も未だ批准していないのだ。

 ま、そこら辺の問題はともかく、今年、2009年は歴史上初めて世界基準の水中文化遺産保護の仕組みが出来た記念すべき年、として記憶されることだけは覚えておいていただきたい。

--2009年1月26日

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