« 2002年10月 | トップページ | 2003年6月 »

2003年1月

2003年1月 5日 (日)

奈良時代の銅の鋳造技術解明へ。

 皆様、本年もよろしくお願いいたします。さて2003年はどんな年になるのでしょうか? わが国の経済のためにもここらで明るい話題の欲しいところ。頑張りましょう。ということで、昨年の暮れに届いたちょっと気になる話題をご紹介。
 それは滋賀県の信楽町の横瀬で“鍛冶屋敷”の遺跡が発見されたというもの。奈良時代、仏像などを造っていた鋳造工房跡と見られている。ということは聖武天皇がすすめた仏像建立計画の一環を裏づける物証としても貴重な遺跡の発見といえるのだ。
 発掘現場は“新宮神社遺跡発掘調査”が行われていた地点で、第二名神高速道路建設に伴って平成12年4月から実施されていた。これまでの調査により「奈良時代の掘立柱建物3棟などが出土、遺物調査から紫香楽宮が営まれた奈良時代中頃を中心とする時期の遺構と考えられる。出土する土器は、地元の近江では一般的に出土せず、平城京内でよくみられるもので、日常的な雑器(食器・煮炊具)からは平城京と非常に近い関係があったことがうかがわれる」(滋賀県教育委員会・財団法人滋賀県文化財保護協会)などの点が判明していた。
 今回、銅製品鋳造のための溶解炉や鋳込み遺構が約50mにわたって2列で整然と並んでいるのが発見された。その中には、一辺が4~5mの方形大型鋳込み遺構が2基発見され、1基は仏像の台座を鋳こんだと思われる平面六角形の鋳型で、もう1基は直径1.8m程度の梵鐘の中子がほぼ原型のままで出土したという。
 この場所は聖武天皇が743年に着手したと言われる甲賀寺に近く、この鋳造工房で甲賀寺の仏像を造っていたと推定されるという。それでなくとも奈良時代の銅の鋳造技術は不明な部分が多く、今回の遺跡発掘でかなりの部分が解明出来るのでは期待される。

|

« 2002年10月 | トップページ | 2003年6月 »