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1999年12月19日 (日)

『黄金結界 ~甲州埋蔵金の謎を解く~』が発行されました。

(加門七海著/河出書房新社/1700円+税/1999年12月2日初版発行)
『覚書◎黄金地帯からの招待
 埋蔵金伝説は、日本各地に存在している。
 徳川の埋蔵金は言うに及ばす、武田や平家、旧日本軍の埋蔵金まで有名無名を合わせると、埋蔵金は日本の地下に満ち満ちていると言ってよい。しかし一方、埋蔵金を掘り当てたという話を、我々が聞かないことも確かだ。
 埋蔵金伝説は、欲に目の眩んだ人々の妄想の結果なのであろうか。それともマルコ・ポーロの伝えたジパング、黄金郷の伝説に我々は振り回されているのか。
 甲州の埋蔵金にかかわりを持ったきっかけは、あくまで仕事としてだった。
「TV番組制作プロダクションの者ですが、話を聞いて欲しいんです。具体的な内容は電話ではちょっと……」
 怪しい電話に用心しつつ、待ち合わせ場所に出かけると、プロデューサーの本間氏は名刺を渡して切り出した。
「実は私達、山梨の埋蔵金にかかわっているんです。金を探している男性を取材で追いかけていましてね」
「山梨というと、武田の、ですか」
「いえ、違います。いいえ、まぁ、そうとも言えるのですけれど」
 氏は微妙に口を濁した。
 聞くと、彼らの追う人物が探しているのは、金を掘る仕事に従事していた「金山衆」が隠した黄金であるという。
 この集団の発生年代は不明だが、金山衆という名称は戦国時代あたりから古文書などで確認されるようになってくる。主な仕事は名称どおり、金を始めとした鉱物採取とその精錬だ。また、穴を掘る技術に長けていた彼らは、(戦国時代の文献によると)堀を埋めたり井戸の水を抜いたりと、城攻めにも協力し、戦力としても活躍したとか。
 しかし古の専業集団に共通して言えることだが、金山衆達が実際にどんな暮らしをし、どのような思想・テクニックを持っていたかなど、詳しい彼らの実態を窺い知ることは難しい。いわば、謎の集団なのだ。
 そんな彼らの名称をいきなり本間氏から聞かされて、私はかなり面食らった。---』
 河出書房新社のWebサイトに掲載されている新刊紹介記事の一部だ。
 筆者は『人丸調伏令』で作家デビューし、『大江戸魔法陣』『東京魔法陣』など、風水ブームの先駆者として知られる加門七海さん。埋蔵金関連書の著者としては“異色”作家のデビューといえるが、緻密な取材活動に裏付けられた内容はさすが小説界で大注目作家だけのことあり。
 この書は、TBS金曜テレビの星「封印された謎の黄金 幻の甲州金山」と連動したもので、映像という瞬間的に流れ去ってしまうメディアでは得られない価値がある。ご一読を。

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